性感染症の中で梅毒の増加は世間を騒がせていますが、その裏で静かに増加しているのが赤痢アメーバ症です!!
発展途上国では汚染された食べ物を口にすることで感染することの多い病気ですが、衛生環境が維持されている先進国ではむしろ性行為での感染が増えているのが現実です。
治療の遅れで亡くなるケースもあります。治療は内服薬が第1選択で比較的簡単ですが、アメーバ赤痢は通常の大腸炎ときちんと鑑別して治療することが重要となります。
世界人口の10%が持つとされるアメーバ赤痢原虫には2種類あり、大腸炎や肝膿瘍の症状をもたらす病原種が90%、非病原種が10%と言われています。
「日本で流行しているのは病原種ですので、要注意です。以前は肛門をなめたり、肛門性交、口腔性交を行う男性同性愛者(MSM)の間の流行でしたが、いまは男女間でも風俗店などを中心に同様な性行為が行われ、増加しているとみられています」
現在の過患者数は氷山の一角で、実際の患者数は昨年約1.5万人の新規患者数が報告された梅毒を上回るとの見方もあります。性感染症検査場の保存血清を調べた2020年報告の研究では、その時点で梅毒陽性率(2.11%)よりアメーバ赤痢症陽性率(2.64%)が高かったのです。なお、2014~17年の新規感染者数は年間1000例を超えたが2018年以降は大きく減少したとされていますが、これは検査試薬が製造中止になったためで、真の減少ではなく、その脅威は年々増しているとみられています。
前回紹介した抗原検査法によって、今後患者数は増加するおそれが指摘されています。
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