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2026年6月25日木曜日

【最新情報速報2026年6月25日号】マダニ媒介の感染症「重症熱性血小板減少症候群(Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome :SFTS)」今年の感染者過去最多だった去年の同じ時期を上回る!!

 


初夏から秋にかけて、私たちが注意しなければならない身近な脅威があります。


ニュースでご覧になった方も多いかもしれませんが、マダニが媒介する感染症「SFTS(重症熱性血小板減少症候群)」の感染者数が、2026年も過去最多のペースで推移しています。


※2026年に入ってから6月14日までに78人に上っていて、1年間の感染者が過去最多だった去年の同じ時期の76人を上回っています※


「自分は草むらになんて行かないから大丈夫」と思っていませんか?


実はこの病気、私たちの生活圏やペットとの暮らしにも、意外なリスクが潜んでいるのです。


医学・疫学的な視点から、最新の知見とともに「本当に知っておくべき対策」を分かりやすく解説します。


1. なぜ今、SFTSが急増しているのか?

SFTSは、ウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染します。

近年、報告数が増加している背景には、以下の理由が考えられています。

1)感染地域の拡大: かつては西日本が中心でしたが、現在は関東や北海道など、日本全国で感染リスクがあると考えられています。


2)ライフスタイルの変化: 登山やキャンプといったレジャーだけでなく、家庭菜園や公園の散歩など、日常的なシーンでマダニと接触する機会が増えています。

2. 「マダニ=刺されるだけ」ではない? 知っておきたい感染経路

SFTSの恐ろしい点は、マダニに直接咬まれる以外にも感染経路が存在することです。

◎ペットからの感染: SFTSウイルスに感染した犬や猫の血液や体液に触れることで、人へ感染した事例が報告されて、ペットに「マダニがついていた」「体調が悪そう(発熱や食欲不振など)」という場合は、過度なスキンシップ(口移しでエサをやる、一緒に寝るなど)は控え、獣医師に相談してください。

◎ヒトからヒト感染: 極めて稀ですが、患者の血液や体液との濃厚接触による感染も確認されて介護や医療の現場では、標準的な予防策の徹底が重要です。

3. 「ただの夏バテ」と見逃さないために

SFTSの潜伏期間は6~14日。主な症状は「発熱」「消化器症状(嘔吐、下痢、腹痛)」です。

一見すると夏風邪や胃腸炎と区別がつきにくいため、以下のポイントを思い出してください。

◎「いつ、どこで」: 直近数週間で、草むらに入ったり、ペットと密に触れ合ったりしましたか?

◎「特徴的な症状」: 激しい倦怠感や血小板減少による出血傾向などが出た場合、重症化のサインかもしれません。

※「対症療法」が基本ですが、2024年より新しい抗ウイルス薬も使用可能になっていますので、異変を感じたら、ためらわずに受診し、医師に「山や草むらへ行った」「ペットを飼っている」という情報を必ず伝えてください※

4. 今日からできる!最強の防御策

ワクチンがない今、「刺されないこと」が最大の予防です。

1)服装の鉄則: 草むらや藪に入る際は、「肌の露出をゼロ」にし、長袖・長ズボンはもちろんのこと首にタオルを巻く、袖口を絞るなどの工夫を。

2)色の工夫: マダニは小さいため、付着してもすぐに見つけられるよう、明るい色の服がおすすめです。

3)忌避剤の活用: 「ディート」や「イカリジン」などの有効成分が含まれた虫除け剤を適切に使用しましょう。

4)帰宅後のチェック: 野外活動後は、すぐに全身を確認し、早めに入浴し万が一マダニが食いついていたら、無理に引き抜こうとせず、皮膚科などの医療機関を受診してください。


まとめ

「たかがダニ」と侮ってはいけません。

SFTSは命に関わることもある重篤な感染症です。

しかし、正しく恐れ、対策を講じれば防ぐことができます。

これからの季節、自然を楽しむときはもちろん、何気ない日常の中でも「マダニへの意識」を少しだけ高く持って、安全に夏を過ごしましょう!


【参考資料】

『重症熱性血小板減少症候群 日本感染症学会』

『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)診療の手引き 』

『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)厚生労働省』

2026年6月24日水曜日

【エボラ最前線】【最新情報速報2026年6月24日号】なぜ今、アフリカで?「ブンディブギョ・エボラ」の脅威と私たちが知るべきこと

 



今、アフリカ大陸の東部で、再び「エボラ」の脅威が影を落としています。


2026年5月、世界保健機関(WHO)はコンゴ民主共和国(DRC)で発生しているエボラウイルスの一種、「ブンディブギョウイルス(Bundibugyo virus)」による感染拡大を受け、国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態(PHEIC)を宣言しました。


しかし、今回のアウトブレイクは、私たちが過去にニュースで見た「ザイールエボラウイルス」の流行とは、いくつかの点で決定的に異なりなぜこれが「厄介」なのか、科学的な視点で紐解いてみましょう。


1. 「エボラ」なら何でも同じ?――実は全く別物

エボラウイルスにはいくつか種類があり皆さんが過去の報道で耳にした「ザイールエボラウイルス」には、現在すでに非常に効果の高いワクチンやモノクローナル抗体(治療薬)が存在します。

しかし、今回流行している「ブンディブギョウイルス」には、それらが一切通用しません。

◎ワクチンが効かない: 現在承認されているザイール用ワクチンは、ブンディブギョ型には有効性が確認されていません。

◎特効薬がない: 確立された抗体医薬(EbangaやInmazebなど)はザイール型専用であり、治療は対症療法(輸液や栄養管理など)に頼らざるを得ないのが現状です。

この「武器の欠如」が、今回の防疫を非常に困難にさせています。


2. 見えないウイルス――診断の「死角」

今回の流行で最も深刻な問題の一つが、「既存の検査キットが使えない可能性がある」ことです。

多くの医療機関で配備されている迅速抗原検査は、最も流行頻度の高い「ザイール型」を標的に設計されているため、ブンディブギョウイルスに感染していても、検査で「陰性」と誤判定されるリスクがあり、これが診断の遅れ、さらには隔離の遅れを招いています。

これが感染拡大のスピードを緩められない一因となっている可能性が高いです。


3. 現場が直面する過酷な現実

現在、DRCとウガンダでは合計で800名を超える確定症例が報告されており、致死率は約23%に達しています。

しかし、数字以上に恐ろしいのは、現場の環境です。

◎脆弱なインフラ: 内戦やガバナンスの欠如、医療体制の不備。

◎人の移動: 国境を超えて活発に行われる人々の移動が、ウイルスを隠したまま運んでしまうリスク。

◎初動の遅れ: 最初の症例が発生してから診断が確定するまでに3週間もの時間を要しこの「空白の3週間」が、封じ込めの難易度を跳ね上げました。


4. 私たちが学ぶべき教訓:医学的・疫学的分析

今回の欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID)の迅速評価が強調しているのは、「古典的な公衆衛生対策への回帰」です。

魔法のようなワクチンや特効薬に頼れない今、頼りになるのは泥臭い対策だけです。

◎早期発見と即時隔離

◎徹底したコンタクトトレーシング(濃厚接触者の追跡)

◎安全な埋葬と医療従事者の感染防護(PPEの徹底)

◎マラリアなど、他疾患との鑑別・合併治療

医学は進歩しましたが、結局のところ、感染症対策の根幹は「人」の行動管理にあるということを、今回の事態は再認識させてくれます。


最後に

「遠い国の出来事」と感じるかもしれませんがしかし、グローバル化した現代において、ウイルスは常に国境を越える準備をしています。

ザイール型に偏りすぎていた私たちの備えに対し、ブンディブギョ型という「別種」の登場は警鐘を鳴らしました。

「エボラ」と一括りにせず、病原体ごとの細やかな対策を講じること、そして地道な公衆衛生インフラを維持し続けることが、次にくるかもしれないパンデミックに対する最大の防御なのです。


※欧州臨床微生物感染症学会(ESCMID: European Society of Clinical Microbiology and Infectious Diseases)は、臨床微生物学および感染症学の分野において世界をリードする国際的な医学学会※


【参考資料】

『疾病発生ニュース(DONs)|あらゆる災害に関する公衆衛生イベント WHO』

『エボラウイルスへの職業曝露の予防および曝露後管理』

本記事は、ESCMIDの迅速評価レポートおよび最新のWHO Disease Outbreak Newsを基に作成しました。引き続き最新情報に注視が必要です。