血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2026年4月26日日曜日

尿検査は「体の通信簿」ー2.虹色ではないけれど、雄弁な「色調と濁り」ー


 〜透明度と色の濃淡で読み解く、腎臓のコンディション〜


尿の色は、血液から老廃物を濾し出す「腎臓」というフィルターの働きをそのまま映し出します。

◎正常な尿の色:薄い黄色(淡黄色)から麦わら色で、透明感がある状態でこの黄色は、血液の代謝物である「ウロビリン」という色素に由来します。

◎濃い黄色〜茶褐色:単なる水分不足なら良いのですが、まるで「濃い紅茶」のような色の場合は要注意!!

肝臓の機能が落ち、血液中のビリルビンという色素が尿に漏れ出している(黄疸)可能性があります。

◎白く濁っている(膿尿):尿が白く濁るのは、体が細菌と戦った証拠である「白血球」が混じっているからで、膀胱炎や腎盂腎炎などの感染症が疑われます。

◎尿が赤い・ピンク色(血尿):膀胱炎、尿路結石、腎炎、または膀胱がん等の腫瘍が疑われます。

特に痛みを伴わない赤い尿は、がんの危険性があるため直ちに泌尿器科を受診してください。

【血液の鉄人からのアドバイス】

健康な尿は、淡黄色で澄んでいます。

コップにとって透かして見た時、向こう側が見えるかどうかがチェックポイント。

朝一番の「黄金のしずく」の状態、ぜひ確認してみてください。


【参考資料】

『検尿の考え方・進め方 - 第2章 1.検尿の意義 一般社団法人 日本腎臓学会』

続く

2026年4月25日土曜日

尿検査は「体の通信簿」ー1.その「匂い」が発する危険信号ー

 


尿検査は、痛みや苦痛を伴わずに腎臓病、糖尿病、尿路感染症(膀胱炎など)の早期発見・診断に役立つ、極めて重要で簡便なスクリーニング検査です。

主な指標である尿蛋白、尿潜血、尿糖を調べることで、自覚症状が出にくい段階の慢性腎臓病(CKD)や糖尿病の早期治療を可能にし、将来的な腎不全や健康リスクの低減に寄与します。

尿検査は「体の通信簿」とも呼ばれるほど、情報が詰まった重要な検査で、多くの人が健康診断で経験しながらも、結果の意味を深く知らない現状に対し、全5回のシリーズ形式で理解しやすい構成といたしました。

第一回目は尿の匂いです。

〜鼻は嘘をつかない? 尿の匂いでわかる体の異変〜

皆さん、おはようございます。普段、自分の尿の「匂い」を意識したことはありますか?

実は尿の匂いは、体の中で起きている「化学変化」をリアルタイムで教えてくれる、最も身近なセンサーなのです。

◎甘酸っぱい匂いがしたら:

もし果物が腐ったような甘酸っぱい匂いを感じたら、それは体が悲鳴を上げているサインかもしれません。

糖尿病が悪化すると、糖の代わりに脂肪を燃焼させようとして「ケトン体」という物質が増え、それが独特の匂い(アセトン臭)となって現れます。

◎ツンとするアンモニア臭:

通常、出したばかりの尿はそれほど臭いません。

もし排泄直後から強いアンモニア臭がする場合、膀胱の中で細菌が繁殖している(膀胱炎など)可能性があります。

【血液の鉄人からのアドバイス】

「昨日、コーヒーをたくさん飲んだからかな?」という日もあるでしょう。

食事の影響なら一時的ですが、数日続く場合は体が発する「化学のアラート」かもしれません。明日の朝、そっと鼻を近づけてみてください。

続く