血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2015年10月3日土曜日

肝機能検査-1.GOT-

GOTはGlutamic Oxaloacetic Transaminase(グルタミン酸オキサロ酢酸トランスアミナーゼ)と呼ばれる酵素です。

GOTは肝細胞に多く含まれているため、肝臓の細胞が障害を受けたり破壊されることにより血液中のGOTの値が異常に上昇してきます。

肝臓の病気の種類や障害の程度によって、GOTの上昇度に差があり、細胞の障害が強いほど当然数値は高くなります。

GOTは肝細胞のほか心臓の筋肉や骨格筋の細胞にも多く含まれているため、これらの病気の指標にもなります。

【検査目的】

肝臓の異常を調べる検査です。

【GOTの値が異常の時】

何らかの異常で肝細胞が破壊されることにより血液中出てきたと考えられますが、GOTは肝臓以外の臓器にも存在するため、数値の増減が必ずしも肝臓に関係しているとは限らずGOTの数値のみが高値を示す場合は、肝臓以外の病気である可能性もあります。

そのためには、肝臓に関する情報を得るには、GPTも一緒に検査する必要があります。

※GPTに関しては次回解説します※

更にエコー検査(超音波検査)も併用します。

【基準値】

35IU/l以下

【高値】

500IU/l以上 … 急性肝炎、心筋梗塞など

100~500IU/l … 肝炎、肝臓がん、アルコール性肝障害、心筋梗塞など

33~100IU/l … 慢性肝炎、肝硬変、アルコール性肝障害、心筋梗塞など

【低値】

特に問題はありません。

【おまけ】

昔からGOTと呼ばれてきましたが、近年生化学者がAST(Aspartate transaminase:アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ)という名称を変更したためにGOTと呼ぶよりASTと呼ぶ施設が多くなってきています。

これは単に呼び方がかわっただけです。

2015年9月24日木曜日

クレアチンキナーゼ(CK)

クレアチンキナーゼ(CK:Creatine Kinase)は、クレアチンホスホキナーゼ(CPK:Creatine PhosphoKinase)とも呼ばれます。

クレアチンキナーゼは、本来筋肉の中にある酵素です。

クレアチンキナーゼの値が高いことは、筋肉の細胞が壊れたことを意味します。


【検査の目的】

1.神経や筋疾患、心疾患を疑うときや、その経過観察。

2.脳の損傷が疑われるときや、その経過観察。

【クレアチンキナーゼの種類】

クレアチンキナーゼには、アイソザイムと呼ばれる筋肉型(CK-MM)、心筋型(CK-MB)、脳型(CK-BB) の3種類が存在します。

正常な状態では、大部分のクレアチンキナーゼが筋肉に由来していますので、筋肉型(CK-MM)が90%で脳型(CK-BB)は殆ど見られません。

心筋型(CK-MB)は、心筋梗塞の時に限り上昇してきます。

従って通常の血液検査で検査されるのは、総クレアチンキナーゼ活性値です。

1.筋肉型(CK-MM)

骨格筋に多く含まれ、筋性疾患(筋ジストロフィー・多発性筋炎・皮膚筋炎 など)や甲状腺機能低下症などで高値となります。

2.心筋型(CK-MB)

心筋に多く含まれ、心疾患(心筋梗塞・心筋炎 など)で高値となります。

3.脳型(CK-BB)

脳、子宮、腸管に多く含まれ、脳疾患(脳血管障害・脳外傷 など)や悪性腫瘍 などで高値となります。

【CK-MBと心筋梗塞の関係】

CK-MBは心筋に多く含まれることから、心筋梗塞の診断や病態の把握のためにCK-MBを直接検査することがあります。

【クレアチンキナーゼの生理的変動】

男性の方が、女性よりも20~30%程高値を示しますが、これは男性の方が、女性よりも筋肉量が多いことに由来します。

女性の場合は、朝から夕方にかけて数値が上昇しやすく、妊娠後期と出産前後にやや高めになる傾向があります。

激しい運動後や肉体労働、筋肉注射後は筋肉が損傷を受けることがあるため、高値を示す場合があります。

また子どもの場合、採血前に大泣きすることによって高値を示すことがあります。

筋肉注射でも値は上昇します。

【参考基準値】
 
男性 50~250IU/l

女性 45~210IU/l

※基準値は施設ごとで異なる場合があります※

【高値示す場合】

・外傷、筋ジストロフィー、多発性筋炎、皮膚筋炎などの骨格筋疾患

・心筋梗塞、心筋炎、心膜炎などの心疾患

・てんかんなどの神経筋疾患

・胃がん、大腸がん、肺がん、前立腺がんなどの悪性腫瘍

・脳梗塞

・甲状腺機能低下症

【低い値を示す場合】

・甲状腺機能亢進症、全身性エリテマトーデス(SLE)、関節リウマチ、シェーグレン症候群、妊娠、長期間寝込んだ場合(長期臥床)など。

【検査時の注意】

筋肉運動をすると筋肉からクレアチンキナーゼが血液中に漏れ出て上昇し、24時間前後でピークとなり、3~4日かけて元に戻ります。

したがって、検査を受けるときは、4日前ごろから激しい運動は控える必要があります。

検査当日の食事は普通にとって何の問題もありません。

2015年9月7日月曜日

ヘリコバクター・ピロリの検査-5.迅速ウレアーゼ検査-

ヒトの組織中にはウレアーゼは存在しませんが、ヘリコバクター・ピロリは非常に強いウレアーゼ活性を有しています。

この検査キットは、この特徴を利用したヘリコバクター・ピロリの検出用試薬であるピロリテック テスト キットについて解説します。

【検査目的】

胃カメラ等で採取した胃生検組織中のヘリコバクターピロリの検出。

【特徴】

1枚の検査パットで3部位まで同時検査が可能であることから部位別にも判定可能。

陽性の約90%はおよそ20分で、残りは60分までに判定が可能。

【検査原理】

試薬中の尿素が、ヘリコバクター・ピロリ菌体中のウレアーゼにより加水分解されてアンモニアを生じます。

アンモニアが生じるとpHが上昇し、pH指示薬であるブロムフェノールブルーの色調を黄色から青色に変化させることから、その色調の変化を判定することにより、ヘリコバクター・ピロリを迅速に検出できます。

ヘリコバクター・ピロリ菌体中のウレアーゼ

(NH2)2CO+H2O        →         2NH3+CO2

【検査の注意】

コロニーが形成されていない組織を検査した場合、偽陰性反応が起こることがあります。

【検査方法】

1.反応パッド上の陽性コントロールに赤色スポットがあることを確認。

2.試薬ストリップが内側を向くようにミシン目を折り曲げる。

3.湿潤試液4滴を、基質パッド全体が均一にしみわたるように滴下。

4.清潔な木製スティックなどで、生検組織を鉗子から直接反応パッド
上(上下各7mm内側)に押し出す。

5.試薬ストリップを折り曲げ、基質パッドを生検組織の上に重ね、黄色
の面を表にして反応ポーチの底まで差し込む。

6.反応パッド(黄色部分)上の色調変化を60分以内に観察。

【判定の注意】

60分を経過して出現する発色は無視して判定しない。

※偽陽性反応の可能性が高い※

【判定】

陽性・・・・60分以内に陽性コントロールの青色と同じ色調のスポットが出現。

陰性・・・・60分以内に陽性コントロールの青色と同じ色調のスポットが出現。

判定保留・・60分以内に陽性コントロールに青色の色調のスポットが出現しない。

【感度と特異度】

感度 97.%

特異度 97.4% 

一致率 97.3%

【検査の利用方法】

ヘリコバクター・ピロリの感染判断には利用可能ですが、除菌後検査には適して
いません。

2015年8月24日月曜日

ヘリコバクター・ピロリの検査-4.便中H. pylori抗原検査-

生きたヘリコバクター・ピロリや既に死んだヘリコバクター・ピロリは共にH. pylori抗原として認識し、特異的に反応することを利用し、糞便中のH. pylori抗原の存在の有無を調べることが出来ます。

今回は、便中H. pylori抗原検査キットの『テストメイト ラピッド ピロリ抗原』について解説していきます。

【検査原理】

糞便中のヘリコバクター・ピロリ抗原に特異的に反応するモノクローナル抗体を用いた、イムノクロマトグラフィー法を原理とする糞便中ヘリコバクター・ピロリ抗原検出用試薬です。

本品は固相化抗体、標識抗体ともモノクローナル抗体を使用し、特異性が優れています。

【検査方法】

希釈した便検体を反応シートの試料滴下部位に滴下し検査を行います。

便検体中にヘリコバクター・ピロリ抗原が存在すると、反応シート中の赤色標識抗体と結合し、免疫複合体を形成し、この免疫複合体は毛細管現象により移動し、反応シート上の固相化された捕捉抗体に捕捉され、赤色判定ラインを形成します。

便検体中にヘリコバクター・ピロリ抗原が存在しない場合は、免疫複合体を形成しないことから赤色標識抗体は、固相化されたコントロール抗体に捕捉されて赤色コントロールラインを形成しますので、検査の正確性の指標となります。

これらの赤色ラインを目視で確認する事により、便検体中のヘリコバクター・ピロリ抗原を検出することが出来ます。

【判定】

判定は試料滴下後10分後に行い、10分以上経過してから出現する赤色ライン(非特異なライン)は無視する必要があります。

【検査を受ける際の注意点】

偽陰性判定を避けるため除菌薬服用終了後、4週間以上経過して検査を受ける必要があります。

採便後できるだけすみやかに医療機関に便検体を提出する必要があります。

便の先端部、中央部、尾部、また、表面、内部のどこから採取しても検査結果に影響はありません。

弁に血液が含まれていたしとても検査結果には影響を与えることはありません。

【感度と特異度】

感度 94.9%

特異度 100% 

一致率 96.3%

【検査の信頼性】

感度と特異性からして信頼できる結果が得られる検査です。

【検査の利用方法】

ヘリコバクター・ピロリ感染のスクリーニング検査及び除菌判定に利用可能です。

2015年8月12日水曜日

ヘリコバクター・ピロリの検査-3.尿中抗H. pylori IgG抗体検査-

ヘリコバクター・ピロリに感染すると、この菌に対する抗体が患者の血液中に産生されることから、血液や尿を用いてこの抗体の量を調べることが出来ます。

今回はイムノクロマト法による尿中抗H.pylori 抗体検出試薬『ラピランH.ピロリ抗体』を紹介します。

【検査原理】

抗原としてヘリコバクター・ピロリ菌抽出タンパクを固相化したニトロセルロースメンブランを用いた尿中抗H.ピロリ抗体検出用イムノクロマト法キットです。

尿中に抗H.ピロリ抗体が存在すると抗H.ピロリIgG抗体複合体がテストライン上に固相化されているH.ピロリ抗原と反応して捕捉され、赤色のラインとなってあらわれます。

尿中に抗H.ピロリ抗体が存在しない場合は、抗H.ピロリIgG抗体以外の免疫複合体は、テストラインを通過し、コントロールライン上に固相化されている抗ヒトIgGポリクローナル抗体(ヤギ)に捕捉され、赤色のラインとなってあらわれます。

【検査方法】

1.テストデバイスをアルミラミネート袋から取り出し、水平な台の上におく。

2.付属のスポイトの目盛を指標に尿検体約0.5mLを採取し、検体希釈液の入った容器に加え、ピペッティング操作により混和することにより尿がおよそ2倍に希釈されます。

3.この希釈された尿0.2~0.3mLをテストデバイスの検体窓(S)に滴下する。

4.室温でで20分間静置する。

5.テストライン及びコントロールラインの出現を肉眼で観察する。

【判定】

陽性・・・・・T部及びC部に赤色のラインが出現

陰性・・・・・C部のみに赤色ラインが出現。

判定保留・・・C部に赤色ラインが認められない時は、幾らT部に赤色ラインが認められても再度検査をし直す。

※測定開始から20分以内でも、T部及びC部に赤色のラインの出現を確認できた時点で陽性と判定する※

※測定開始から20分以上経過してT部に赤色のラインが出現しても陽性とは安定しない※

【検査を受ける際の注意点】

尿が混濁していると正しい結果が出ない場合がある。

新鮮な尿で検査する、長時間保存した尿は検査には適さない。

【検査の利用法】

尿検査なので患者への負担が少なく、人間ドックや検診などのスクリーニングに利用されています。

【感度と特異度】

感度・・・・90~98%

特異度・・・78~95%

【検査の信頼性】

抗体が陰性の時は、感染初期や免疫不全などの特殊な場合を除き、ヘリコバクター・ピロリの感染はないと診断できる。

小児では、精度が低下するという報告がある。

除菌成功後も抗体の陰性化あるいは有意な低下には1年以上を要することがあるため、除菌の成否を早く知りたい場合には適さない。

しかし、抗体の陰性化が証明できれば除菌成功の可能性はより高いと判断できる。

2015年7月30日木曜日

ヘリコバクター・ピロリの検査-2.尿素呼気テスト(UBT:Urea Breath Test)-

【検査原理】

ヘリコバクター・ピロリ菌が持つウレアーゼという酵素は、胃の中の尿素を分解してアンモニアと二酸化炭素を生成します。

この尿素の分解により、アンモニアと同時に生じた二酸化炭素は速やかに吸収され、血液から肺に移行し、呼気中に炭酸ガスとして排泄されます。

この原理を利用して、検査を実施します。

ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していると、尿素が分解されるため呼気に13CO2が多く検出されます。

一方ヘリコバクター・ピロリ菌に感染していない場合は、尿素が分解されないため大部分が尿中に排泄され呼気には13CO2の排泄はほとんどありません。

【検査方法】

1.検査薬服用前に呼気を検査用バックに吹き込みます。

2.13C-尿素を含有した検査薬をつぶしたりせず、空腹時に水100mLとともに噛まずに速やかに(5秒以内に)服用します。

3.5分間左側臥位(さそくがい)の姿勢を保つ。

4.その後15分間座位の姿勢を保つ。

5.検査薬服用20分後の呼気を再度検査用バックに吹き込みます。

13C-尿素を含有した検査薬を服用後、呼気中の13CO2を測定します。

【測定方法】

呼気中の13CO2の測定は質量分析法や赤外分光分析装置で行います。

【判定】

検査薬服用前後の13CO2量の差2.5‰以上を持ってヘリコバクター・ピロリ菌陽性と判定します。

【検査を受ける際の注意点】

食べるものによっては胃粘膜の表面を覆ってしまい、内服した尿素とピロリ菌由来のウレアーゼと反応しないため偽陰性となることがあります。

さらに13CO2を多く含むトウモロモシやパイナップル、豚・鶏肉、卵などの摂取で測定値に影響を及ぼす可能性があります。

検査を受ける際には、最低食後4時間は空ける必要があります、

【検査の信頼性】

この検査法は簡便かつ高精度で感染診断のみならず除菌判定にも有用です。

従ってヘリコバクター・ピロリ菌の感染診断のみならず、ヘリコバクター・ピロリ菌の除菌治療の効果判定の目的に利用されています。

【服用する13CO2の安全性】

13CO2は、自然界にはおよそ1.1%存在します。

そして放射活性を有しない安定元素ですから、服用しても問題はありません。

2015年7月20日月曜日

ヘリコバクター・ピロリの検査-1.総論-

【ヘリコバクター・ピロリとは】

ヘリコバクター・ピロリ(一般的にピロリ菌と呼ばれます)は胃粘膜に生息する微好気性グラム陰性らせん状桿菌で、ウレアーゼという尿素を分解する酵素を持っています。

強酸の胃液が分泌される胃には、昔から細菌をはじめとする微生物は生存しないものと考えられていましたが、1983年、オーストラリアのロビン・ウォレン(1937~)とバリー・マーシャル(1951~)が胃粘膜からをヘリコバクター・ピロリを分離・培養することに成功して後、強酸性の胃液が分泌される環境下でも棲息可能な微生物が存在することが明らかにされました。

そしてヘリコバクター・ピロリが胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍と関係することをも証明したわけです。

この業績によりこの二人は2005年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。

【ヘリコバクター・ピロリの形状】

ヘリコバクター・ピロリは、直径0.5~1.0μm、長さ2.5~5.0μmで、2~3回ねじれたらせん形を呈し、両端に2~6本の鞭毛を有しています。

鞭毛をスクリューのように回転運動させることにより胃粘液中を移動して棲息します。

【感染するとどうなるのか】

ヘリコバクター・ピロリは、慢性胃炎、胃潰瘍や十二指腸潰瘍、胃癌や MALTリンパ腫やびまん性大細胞型B細胞性リンパ腫などの発生に繋がることが報告されています。

更に特発性血小板減少性紫斑病、小児の鉄欠乏性貧血、慢性蕁麻疹などの胃外性疾患の原因となることが明らかにされています。

【感染率】

一昔前までは、世界中のほとんどの人がヘリコバクター・ピロリに感染していたと考えられていました。

しかし現在では、衛生環境の向上により感染者数は減少しています。

反面発展途上国の人々のヘリコバクター・ピロリ感染率は依然高率です。

現在全世界の40~50%の人がヘリコバクター・ピロリに感染しているといわれていますが、わが国の場合、30歳代以下の人の感染率は約25%と低いものの、50歳代以上の人は70%以上といわれ、発展途上国並みの高さを示しています。

わが国ではおよそ3500万人の感染者がいると推測されています。

【感染経路】 

感染経路については未だ解明されていません。

この細菌が胃の中に存在することから口からの感染が強く示唆されています。

感染の例をあげますと、免疫力の未熟な乳児への離乳食の口移し、ヘリコバクター・ピロリ感染者との濃厚なキス、また糞便に汚染された食物・水の摂取による感染が考えられています。

【自然治癒はあるのか】

一度持続感染が成立すると自然消滅することは稀で、除菌や胃粘膜の高度萎縮などの環境変化がないかぎり感染が持続すると考えられています。

【検査法】

日本ヘリコバクター学会のガイドラインでも、以下の診断法が採用されています。

1.尿素呼気テスト (urea breath test, UBT)

2.血中・尿中抗ヘリコバクター・ビロリ IgG抗体検査

3.便中ヘリコバクター・ビロリ抗原検査

4.内視鏡生検検査

5.迅速ウレアーゼ試験 (rapid urease test, RUT)

6.組織鏡検法

7.培養法

※次回からこれら検査法について解説していきます※

【除菌】

胃及び十二指腸潰瘍は治療しても再発を繰り返し一生の病気といわれてきました。

現在では、しかし、ヘリコバクター・ビロリを除菌すれば、再発を防止できるようになってきました。

【除菌療法】

プロトンポンプ阻害薬(PPI)とアモキシシリン水和物(AMPC)及びクラリスロマイシン(CAM)の3剤併用治療(PAC)による第一次除菌治療を行います。

一次除菌が不成功の場合は、クラリスロマイシンをメトロニダゾール(MNZ)に変更して3剤併用療法(PAM療法)による二度除菌治療を行います。

※二次除菌までが保険適応となります※

【除菌の問題点】

近年言われていますが、除菌率が年々低下していることが問題になっています。

その原因としては除菌治療に使用されている抗生物質に対してヘリコバクター・ビロリが耐性を獲得してきていることが考えられます。

【除菌失敗率】

除菌成功率はおよそ80%です。

また、除菌成功例でのピロリ菌の再感染率2~3%ですが、除菌後にも胃がんが発見されるなどの報告もありますので、定期的に検査をしていく必要はあります。