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2026年2月9日月曜日

季節性インフルエンザ特集-19.B型特有の腹痛への対処法-

 インフルエンザB型は、A型に比べて**「消化器症状(腹痛・下痢・吐き気)」**が出やすいという特徴がありますが、これはB型ウイルスが腸管の細胞にも影響を与えやすいためと考えられています。


1. 「腸の動き」を止めない(下痢止めに注意)

インフルエンザに伴う腹痛や下痢は、体がウイルスを排出しようとしている反応でもあります。

安易に下痢止めを使わない: 市販の強力な下痢止め(ロペラミドなど)を使用すると、ウイルスや毒素が腸内に留まり、回復を遅らせたり症状を悪化させたりする可能性があります。

整腸剤を活用する: ビオフェルミンのような**「整腸剤(乳酸菌製剤)」**は、腸内環境を整えて緩やかに症状を改善させるため、併用が推奨されます。


2. 水分補給の「質」と「温度」

下痢や腹痛がある時は、脱水症状が最も警戒すべき点ですが、飲み方にもコツがあります。

経口補水液(OS-1など): 単なる水やお茶ではなく、電解質を含む経口補水液を**「ちびちびと少量ずつ」**飲むのが鉄則です。

常温または温めて: 冷たい飲み物は腸を刺激して腹痛を誘発します。常温、あるいは人肌程度に温めたスープや白湯を摂るようにしてください。


3. 食事の段階的な進め方

お腹の痛みがある間は、無理に食べる必要はありません。食欲が出てきたら以下の順で進めます。

第1段階: 重湯(おもゆ)、くず湯、ゼリー飲料

第2段階: お粥、柔らかく煮たうどん(卵とじなど)

避けるべきもの: 食物繊維の多い野菜、脂っこいもの、柑橘系の果汁、カフェイン、乳製品(乳糖が下痢を助長することがあります)


4. 痛みが強い場合の「温熱療法」

医学的な処置ではありませんが、物理的にお腹を温めることは、腸の過剰な収縮(痙攣)を和らげ、痛みの緩和に有効です。

湯たんぽやカイロ(低温やけどに注意)でお腹を温めることで、副交感神経が優位になり、腹痛が和らぐケースが多く見られます。


⚠️ 受診を急ぐべき「危険なサイン」

腹痛が単なるインフルエンザの症状ではなく、別の合併症(虫垂炎や重度の胃腸炎など)の可能性もありますので以下の場合はすぐに医療機関に連絡してください。

◎お腹を触ると飛び上がるほど痛い、またはお腹が板のように硬い。

◎血便が出る。

◎水分が全く摂れず、尿が半日以上出ていない(脱水の危険)。

◎嘔吐が止まらず、ぐったりしている。


インフルエンザ治療薬(ゾフルーザ等)を早期に服用することで、ウイルス増殖が抑えられ、結果的に腹痛の期間が短縮されることも期待できます。


【ご注意】

これは情報提供のみを目的としています。医学的なアドバイスや診断については、専門家にご相談ください。

2026年2月8日日曜日

季節性インフルエンザ特集-18.インフルエンザ全国警報:なぜ「1医療機関あたり30人」が危険信号なのか?-

 2026年2月6日厚生労働省の最新発表(第5週:1月26日~2月1日分)によりますと、インフルエンザの感染者数が前週の約2倍に急増し、全国平均で30.03人に達しました。

※これは国が定める「警報レベル(30人)」を突破したことを意味します※


【特筆すべき異常事態】

過去10シーズンにおいて、一度警報レベルを下回った後に、同一シーズン内で再び警報レベルを上回るのは極めて異例で通常、インフルエンザは一つの大きな波で終わることが多いですが、今シーズンは特殊な動きを見せています。

単なる「流行」ではなく「警報」となった今、私たちが知っておくべきリスクと対策を専門的な視点で整理します。


1. 疫学的分析:なぜ「2倍」の増加が深刻なのか?

感染症の広がりにおいて、短期間で数値が倍増するのは**「指数関数的な増加」**の兆候です。

※「指数関数的な増加」とは、一言で言うと**「増えれば増えるほど、さらに増えるスピードが加速していく」**現象のことです※

※※「足し算」ではなく「掛け算」で増える・・通常の増加(線形増加)が「1, 2, 3, 4…」と一定のペースで増えるのに対し、指数関数的な増加は「1, 2, 4, 8, 16, 32…」と、前の値をベースに倍々で増えていきます※※

流行のスピード: 1週間で2倍になるペースは、インフルエンザウイルスがコミュニティ内で非常に効率的に伝播していることを示します。

地域的な偏り: 大分県(52.48人)や鹿児島県(49.60人)など、九州や東北の一部では基準を大幅に上回っており、局地的な「大流行」が全国へ波及する段階にあります。

学級閉鎖の影響: 全国6,415校での休校・閉鎖は、社会全体の活動量(人流)を抑制するほどの影響を及ぼし始めています。


2. 医学的視点:2026年のインフルエンザの特徴

現在の流行において特に注意すべき点は、**「混合感染」と「免疫の空白」**です。

多種ウイルスの同時流行: 新型コロナウイルス(COVID-19)の変異株や、マイコプラズマ肺炎など、他の呼吸器感染症と同時に流行するケースが増えています。

免疫の低下: 過去数年の徹底した感染対策により、社会全体のインフルエンザに対する自然免疫が低下している時期があります。そのため、一度流行が始まると重症化しやすく、広がりやすい傾向にあります。


◎私たちが今すぐ取るべき「3つの防衛策」◎

単なる「手洗い」だけでなく、現在の状況に合わせた具体的なアクションが必要です。

1. 早期受診と休養:発熱から12〜24時間以降の検査が最も正確ですからこの時期に検査を受け、無理な出勤・登校は感染拡大の最大の原因になりますので控えることです。

2. 湿度の管理:インフルエンザウイルスは乾燥した環境を好みますので室内湿度は**50〜60%**を維持しましょう。

3. 適切なマスク着用:混雑した電車内や医療機関では不織布マスクを付けることにより感染対策と喉の粘膜を保湿する効果も得られます。


【専門家からのアドバイス】 

1医療機関あたり30人という数値は、「いつどこで誰が感染してもおかしくない」状態ですから、特に高齢者や持病のある方、乳幼児がいるご家庭では数週間は不要不急の人混みを避けるなど、一段階上の警戒が必要です。


【今後の見通し】

現在、感染者数は「4週連続」で増加しており、ピークはまだ先にあると予測されますので、ワクチンの効果が出るまでには接種から約2週間程度かかるため、未接種の方は早めの検討をお勧めします。