血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2022年1月23日日曜日

新型コロナウイルス-53.オミクロン株が増殖する場所-

 従来の変異株は、肺組織で増殖することから肺炎を起こしやすくまた重症化しやすい特徴があります。


一方オミクロン株は、上気道で増殖しやすく肺では増殖しにくいことから鼻水や喉の痛みがあって飛沫感染しやすいですが重症化しにくいという特徴があります。


※糖尿病・高血圧などの基礎疾患のある人や高齢者は重症化しやすいとの報告もあります※


※新型コロナワクチン未接種者は、感染しやすく重症化しやすいとのデータも増えつつあります※


感染してから発症するまでの期間は、平均3日と従来の変異株の5日に比べて短くなってきています。


これは潜伏期が短い方が感染者が増加するスピードが速くなっている所以です。


オミクロン株は新型コロナワクチンを2回接種している人が持つ免疫や、過去に感染した人が持つ免疫からも逃れて感染が成立しやすいという特性もあります。


このことから、オミクロン株の感染の広がりやすさの一部は、これら特性によるものと考えられています。


オミクロン株は特殊な経路で感染するようになったわけではなく、これまでと同じ感染経路で、これまで以上に感染しやすくなっただけですので、これまでの感染対策が無効になったわけではありません


従って従来の感染対策は有効です。


・接触感染対策としては、ウイルスで汚染した物、感染した人の手などに触れることで自分の手などにウイルスが付着し、その汚染した手で目や鼻など粘膜に触れない。


・飛沫感染対策としては、会話などで発生する飛沫を浴びないようにする。


・エアロゾル感染対策としては、特に換気の悪い屋内での長居はしない。


・オミクロン株は上気道で増殖することからして、念入りなうがいは感染予防に役立つとも考えられます。


※以上に気をつけて、こまめで念入りな手洗い・マスク着用・3密を避ける基本的な感染対策をしていく必要があります※

2022年1月16日日曜日

新型コロナウイルス-52.フルロナとは-

 新型コロナウイルス感染症(COVID19)とインフルエンザに同時に感染することを言います。


インフルエンザのインフル(flu)とコロナの(corona)の合成語でフルロナ(flurona)と呼ばれています。


フルロナの感染事例は世界各地で報告されており、専門家は感染力の強いオミクロン変異株の拡散に伴い、フルロナも増加する公算が大きいと考えているようです。


一部の専門家はフルロナについては、過度に心配する必要はないと指摘していて、新型コロナ陽性者がインフルエンザに感染すれば免疫システムの負担が増すため、インフルエンザに感染しないに越したことはないが、同時感染の確率はそれほど高くないとコメントとしています。


更にフルロナがオミクロン株に取って代わることはないと説明しています。


ウィスコンシン大学の研究者が2021年5月に公表したメタ分析によると、新型コロナ陽性者の19%が同時に他の病原体(ウイルスや細菌、真菌)にも同時感染していたということが明らかにされています。


更に新型コロナ感染者の24%が引き続いて別の病原体に重感染したということをも明らかにしています。


それではインフルエンザは再び大流行する可能性があるのでしょうか?


殆どの国や地域では、で2021年昨シーズンのインフルエンザ患者は少数にとどまっています。


しかし2022年今シーズンはこれまでのところ、コロナ禍前に近い水準で推移しているようです。


この原因としては、一時期の新型コロナウイルス感染者の減少に伴い、社会的距離や衛生への意識が希薄になり、感染予防対策を怠ったことに加えて、2021年にインフルエンザウイルスにさらされず免疫がつかなかったためだと分析しています。


2021年1月時点で、フルロナはイスラエル・スペイン・ブラジル・米国でも発生しています。


当然日本国内においても今後発生する危険性は十分ありますから、対策としては新型コロナウイルスとインフルエンザウイルスへの感染予防対策を怠らないようにする必要があります。