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2019年11月11日月曜日

血液型について-3.AB型とO型の親からAB型の子供は生まれるのか??!!-

ABO式血液型は、例外なくメンデルの遺伝の法則に従つて遺伝するために親子鑑定に応用されてきました。

ところが"両親のいずれかがAB型の時には、0型の子供は生まれることはなく"、また"両親のいずれかが0型の時には、AB型は生まれない"との原則に例外があることが1966年に発見された。

1966年、大阪府赤十字血液センターの山口英夫博士(2019年死去)らは、0型とAB型の両親から家族3名全員がAB型の家系を発見しました。

このAB型の血清学的性質従来のAB型とは異なり、A型およびB型抗原は普通のAB型の反応よりかなり弱いものでこの遺伝学的背景は従来のメンデルの遺伝の法則によつては到底説明出来ませんでした。

その後、多くの研究者により同様の家系が発見されるに至つて、このメンデルの遺伝の法則に基づかない遺伝様式も説明可能となりました。

山口らは、この特殊な遺伝をする血液型を“Cis AB(シスAB)"と命名しました。

ABO式血液型の遺伝は、A遺伝子とB遺伝子は異なつた染色体に乗つて遺伝しますが、“CisAB"はA遺伝子とB遺伝子が同一染色体に乗つて遺伝するためにこのような異例の遺伝様式をしたわけです。

普通のAB型は"trans AB(トランスAB)"と呼ばれ遺伝子型はA/Bと表記されますが、この特殊な遺伝子型をA2B3/0と表記します。

普通はAB型とO型の両親からは、A型とB型が生まれAB型は生まれません。

普通のAB型の遺伝の場合:A/BとO/O→A/OとB/OなりA型とB型が生まれAB型は生まれません。

CisABの遺伝の場合は、A2B3/0とO/O→A2B3/0とO/OとなりAB型が生まれます。

この“Cis AB"の発現頻度は00012%と非常に稀なために、遺伝様式がメンデルの遺伝によることがないことから親子鑑定にも大きな影響を与えたり、産婦人科による新生児の取り違え騒動に発展することがあるので注意が必要です。

血液の鉄人もCisABの家系を数家系見つけていますが、産婦人科による新生児の取り違えや家系騒動となった事例を経験しています。

この血液が発見された当時は、興味あることにこの“ClsAB"の家系は徳島県と石川県に多く見られていましたが、現在は人の往来が多様化されたためにこの傾向は見られなくなっています。

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