【パニック値が出る主な原因】
パニック値が出る原因は、様々な疾患が考えられますが、代表的なものとしては、
1.腎機能障害: 腎臓の働きが低下し、老廃物が体内に蓄積することで、クレアチニンや尿素窒素などの値が上昇することがあります。
2.肝機能障害: 肝臓の働きが低下し、ビリルビンやAST(GOT)、ALT(GPT)などの値が上昇することがあります。
3.電解質異常: ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの電解質のバランスが崩れることで、心不全や神経症状を引き起こすことがあります。
4.感染症: 細菌やウイルス感染によって、炎症反応が強く起こり、CRPや白血球数などの値が上昇することがあります。
5.悪性腫瘍: 癌細胞が分泌する物質や、癌細胞による臓器の破壊によって、様々な検査値に異常が見られることがあります。
【パニック値に関する注意点】
パニック値が出たからといって、必ずしも重篤な状態とは限りません。
パニック値の原因は、一つとは限らず、複数の要因が複雑に絡み合っていることもあります。
パニック値の解釈は、医師の専門的な知識と経験に基づいて行われます。
【まとめ】
パニック値は、生命の危険が差し迫っている可能性を示す重要な指標ですから、パニック値が出た場合は、速やかに医師の診察を受けることが大切です。
血液検査パニック値の取り扱いをめぐっては、日本医療機能評価機構は2016年にパニック値の報告を徹底するよう注意喚起を行っています。
2017年に日本臨床検査医学会が実施したアンケートでは、医療機関で検査項目や閾値、緊急連絡体制、カルテ記録、臨床的対応および確認方法などが統一されていない実態が明らかにされています。
同学会は2021年12月に『臨床検査「パニック値」運用に関する提言書』を公表、今年(2024年)6月に改定するなどの取り組みを行っています。
※閾値とは"しきい値"と読み、数値的な境目、境界線となる値を意味する※
【参考資料】
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