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2024年11月3日日曜日

前立腺癌について-4.S2,6PSAとS2,3PSAの違い-

 【S2,6PSAについて】


S2,6PSAは、前立腺特異抗原(PSA)というタンパク質の糖鎖構造の種類の一つでPSAは、前立腺に存在するタンパク質で、血液中にもわずかに存在し前立腺癌になると、このPSAの値が上昇することが知られています。


【S2,6PSAとS2,3PSAの違い】


S2,6PSA:主に健康な前立腺や良性の前立腺肥大症で多く見られるPSAの糖鎖構造です。


S2,3PSA:主に前立腺癌で多く見られるPSAの糖鎖構造です。


要するにS2,6PSAは「良性のPSA」、S2,3PSAは「悪性のPSA」と捉えることができます。


【S2,6PSA検査を受けるの意義】


1.前立腺癌の診断補助


S2,6PSAとS2,3PSAの割合を比較することで、前立腺癌の可能性をより正確に評価することができます。


2.不必要な針生検の減少


S2,6PSAの割合が高い場合、前立腺癌の可能性が低いと判断でき、不必要な針生検を避けることができる場合があります。


S2,6PSA検査を受ける場合


1.PSA検査で異常が見られた場合


PSAの値が基準値を超えている場合や、年齢や症状から前立腺癌が疑われる場合に、S2,6PSA検査が勧められることがあります。


2.前立腺癌のリスクが高い場合


家族に前立腺癌の患者がいるなど、前立腺癌のリスクが高いと判断される場合にも、S2,6PSA検査を受けることがあります。


【S2,6PSA検査を受ける際の注意点】


1.絶対的な診断方法ではない


S2,6PSA検査は、前立腺癌の診断補助であり、最終的な診断は、病理組織検査など他の検査結果を総合的に判断して行われます。


2.保険適用について


S2,6PSA検査は、保険適用となる場合と、自費となる場合があります。検査を受ける前に、医療機関にご確認ください。


【まとめ】


S2,6PSA検査は、S2,3PSA検査と合わせて、前立腺癌の診断精度を向上させるために用いられる検査です。


PSA検査の結果が気になる場合は、医師にご相談ください。