血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2023年10月29日日曜日

性行為感染症検査-1.腟トリコモナス核酸およびマイコプラズマ・ジェニタリウム核酸を同時に検出する「コバス TV/MG」-

腟トリコモナス(Trichomonas vaginalis:TV)は、男性では尿道炎、女性では腟内のかゆみやただれを引き起こす原虫で、世界的に最も感染者数の多い性感染症の原因です。


症状が強いものから無症状まで多様な臨床像を呈し、無症状のパートナーからの性行為やオーラルセックスで感染によるものが少なくありません。


従来診断に用いられてきた培養法では、結果を得るまでに1週間以上を要することから、腟トリコモナスの感染に対する高感度かつ迅速な確定診断法の確立が強く望まれていました。


またマイコプラズマ・ジェニタリウム(Mycoplasma genitalium:MG)は、淋菌やクラミジアと並んで、女性では尿道炎、子宮頸管炎や骨盤内炎症性疾患を引き起こし、男性では主に尿道炎を引き起こす細菌で、マイコプラズマ・ジェニタリウムの検査については、これまで確立した診断法がなく、信頼性の高い体外診断用医薬品による診断方法の確立が求められていました。


この度TVおよびMG感染症の診断補助を目的として新規保険収載された同時核酸検出検査が承認されましたので紹介します。


【キット名】


コバス TV/MG(ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社)


【承認】


1922年6月


【測定方法】


リアルタイムPCR法


【使用機器】


全自動遺伝子検査装置 コバス 6800 システム および コバス 8800 システム


【検査の精度】


1.膣トリコモナス


・女性尿 感度 100% 特異度 96.9%


・女性膣擦過検体 感度 100% 特異度 97.5%


・男性尿 感度 100% 特異度 99.5%


2.マイコプラズマ・ジェニタリウム


・女性尿 感度 88.2% 特異度 98.7%


・女性膣擦過検体 感度 81.8% 特異度 99.7%


・男性尿 感度 89.3% 特異度 100%


マイコプラズマ・ジェニタリウムに関しては感度が低いように感じられますが、臨床検査剣士役として十分使用できるとの評価を受けています※

2023年10月22日日曜日

医学豆知識17.-インフルエンザと新型コロナウイルスとコロナウイルスの大流行に備えて下さい-

2023年インフルエンザの累積患者数(2023年10月上旬時点)は、49212人で定点あたり9.99となっています。


一方新型コロナウイルス感染症患者数は、25630人で定点あたり5.20となっていて流行は落ち着いているようです。


定点当たり報告数とは、感染症について、すべての定点医療機関からの報告数を定点数で割った値のことで、言いかえると1医療機関当たりの平均報告数のことです。


この定点あたりは、定点の指定医療機関が保健所に報告をした、1週間ごとのすべての全患者数から計算されます。


例えば、計算式でいうと「(1医療機関の報告患者数)÷(定点指定された医療機関数)=(定点当たり)」となります。定点あたりの数値が、


1以上だと「流行開始レベル」


10以上で「注意報レベル」


30以上で「警報レベル」となります。


定点あたり9.99とは、もはや注意報レベルとなります。


特に沖縄県は、30.85で警報レベルとなっています。


その他大分県18.00、愛媛県16.69,山口県19.22神奈川県18.84、東京都16.44.千葉県21.08など注意報レベルを超えています。


2023年は、昨年からの季節性インフルエンザの流行が収まらないうちに例年より早く季節性インフルエンザの流行が始まり、その上にシーズン本番の冬季に向け新型コロナウイルス感染症(COVID-19)との同時流行を心配する声が高まっています。


インフルエンザウイルスと新型コロナウイルスの同時感染がは危惧されています。


冬は換気が難しく、狭い空間に人が集まりやすくなるという環境要因も加味されて新型コロナウイルスの流行が加速するおそれは十分あります。


これからのシーズンは特に感染に注意てする必要があります。


感染予防対策としては、インフルエンザも新型コロナウイルス感染症も同じことで、


1.室内の湿度管理と適度な換気を行ない、十分な睡眠と栄養を取る予防する。


2.外出後の手洗いやうがいを十分にする。


3.人が密集する場所ではマスクを正しくする。


4.インフルエンザワクチンを接種する。


※100パーセントの予防効果がある訳ではありませんが、予防効果があることと、感染しても症状が軽くてすむ※


インフルエンザに感染したと思われる症状が出たときには、24~48時間以内にインフルエンザ検査を受ける。


24時間以内に検査を受けると感染していてもニセの陰性反応が出ます。


インフルエンザの治療薬は発熱後48時間以内に内服することにより、より良い効果が得られます。