現在、日本の感染症動向は極めて異例な局面を迎えています。
2026年2月現在、日本では1シーズンに2度目の大きな流行(二峰性流行)が発生しており、特にインフルエンザB型が急増しているため、厳重な警戒が呼びかけられています。
2025年秋から始まったA型の早期流行が収束を見せぬまま、1月末より**インフルエンザB型(ビクトリア系統)**が急増し、1シーズンに2度の警報レベルに達するという、疫学的に見て非常にリスクの高い状況にあります。
1. 医学的分析:B型を「軽症」と侮るリスク
「B型はA型より軽い」という認識は、医学的に明確な誤解で今シーズンの流行株を分析すると、以下のリスクが浮き彫りになっています。
◎遷延化する発熱と消化器症状: B型はA型に比べ、高熱が長引く傾向がありまた、ウイルスが消化管粘膜に親和性を持つため、腹痛、下痢、嘔吐といった症状を伴いやすく、特に小児や高齢者では脱水症状への警戒が必要です。
◎「山形系統」の消失と免疫の空白: パンデミック以降、世界的に「山形系統」が検出されず、現在は「ビクトリア系統」単独の流行となってこの数年、B型の大きな曝露がなかったことで、社会全体の集団免疫(Herd Immunity)が低下しており、これが爆発的な感染拡大(感受性人口の増大)を招いています。
◎重複感染と「二度目」の感染: A型とB型は免疫学的に独立して今季すでにA型に罹患した人でも、B型に対する防御免疫は獲得できておらず、**「今シーズン2回目の感染」**が続出しています。
2. 疫学的考察:なぜ「今」拡大しているのか
今回の「二峰性(ダブルピーク)」流行には、明確な社会的・生物学的背景があります。
◎ウイルス干渉の解除: 12月まで猛威を振るったA型(H3N2亜型)の勢いが弱まったことで、ウイルス同士の競合(ウイルス干渉)が解け、B型が「増殖しやすい空白地帯」を得た形です。
◎国際的メガイベントによる人流: イタリア・ミラノ五輪やWBCなど、大規模な国際交流がウイルスの「運び屋」となり、地域的な流行を世界規模のパンデミック・シフトへと押し上げています。
3. 【重要】今すぐ実践すべき防衛策
3月にかけてのピークアウトに向け、以下の対策を徹底してください。
◎抗ウイルス薬の早期投与: B型に対してもオセルタミビル(タミフル等)やバロキサビル(ゾフルーザ)は有効ですが、発症から48時間以内の服用が鉄則で「少しお腹が痛いだけの風邪」と自己判断せず早期受診を推奨します。
◎環境管理(湿度と換気): 乾燥した環境ではウイルスの飛散距離が伸びることから室内湿度は**50〜60%**を維持し、人混みでは医療用レベルの不織布マスクを正しく着用してください。
◎受験生・高齢者への配慮: 受験シーズンと重なるこの時期、家庭内への持ち込みを防ぐため、帰宅直後の手洗い・うがいだけでなく、共用部分(ドアノブやスイッチ)の消毒も有効です。
まとめ:
今シーズンのインフルエンザB型は、かつての「春先の風邪」とは性質が異なります。
免疫の空白を突くこの流行は、3月まで高い水準で推移すると予測されますので、ご自身と周囲の健康を守るため、今一度、感染対策の「基本」を徹底してください。
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