1. 疫学的現状:2月に入り「B型」と「変異株」が急増
今シーズンの最大の特徴は、流行の「二段構え」とウイルスの入れ替わりです。
・流行の第2波(B型の台頭): 昨年末まではA型(H1N1/H3N2)が中心でしたが、1月後半から**B型(系統不明含む)**の報告数が急増してB型はA型に比べて流行のピークが遅く、春先まで続く傾向があります。
・注意報レベルの超過: 2026年第5週(2月初旬)時点で、多くの自治体で定点当たりの報告数が「警報レベル(30人)」や「注意報レベル(10人)」を大きく上回っており、一部地域では40人を超える爆発的な数値が観測されています。
2. 医学的・背景的要因:なぜ「爆発的」なのか
今回の再流行がこれほど激しいのには、以下の医学的理由が挙げられます。
① A型変異株「サブクレードK」の影響
今シーズン流行しているA型(H3N2)の一部に、**「サブクレードK」**と呼ばれる変異株が確認されています。
ワクチンの不一致: 従来のワクチン株と抗原性がわずかに異なるため、ワクチンを接種していても感染を防ぎきれない「ブレイクスルー感染」が起きやすくなっています。
免疫の回避: 過去の感染で得た免疫をすり抜ける能力が高まっており、これが爆発的な感染拡大の一因です。
② 「免疫の空白」と集団免疫の低下
コロナ禍の数年間、徹底した感染対策によりインフルエンザの流行が抑えられていました。
抗体保有率の低さ: 特に幼児や低学年の児童において、インフルエンザに一度も罹患したことがない、あるいは免疫が極めて弱い「免疫の空白」層が一定数存在します。
感受性人口の増大: 集団の中にウイルスに対して無防備な人が多いため、一度ウイルスが持ち込まれると学校や職場でのクラスター化が加速します。
③ 環境要因と体力の消耗
気候の影響: 昨年末の記録的な猛暑による夏バテや、その後の急激な寒暖差で自律神経が乱れ、多くの人の基礎免疫力が低下しているところに、乾燥した冬の空気がウイルスの生存を助けています。
3. A型とB型の「同時流行」のリスク
現在、最も注意すべきは**「A型に罹った直後にB型に罹る」**という二重感染のリスクです。
A型 (H3N2/H1N1) B型
主な症状 38度以上の高熱、関節痛、筋肉痛 発熱、消化器症状(腹痛・下痢)
流行時期 11月〜1月(ピークは早め) 2月〜4月(今まさに急増中)
感染力 非常に強い(変異しやすい) 強い(学校等で長引く傾向)
◎重要な注意点: A型に対する免疫ができても、型の異なるB型に対する免疫は別物で、一度治ったからと油断せず、再感染への警戒が必要となります。
今後の対策としてできること
現在はまさに流行のピークにあるため、改めて「基本の徹底」が医学的に最も有効です。
迅速検査のタイミング: 発熱直後は陰性に出やすいため、発症から12〜24時間経過してからの受診が推奨されます。
抗ウイルス薬の活用: ゾフルーザやタミフルなどは発症から48時間以内の服用が効果的です。
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