血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2021年1月24日日曜日

新型コロナウイルスについて-10.ネットで販売されている新型コロナウイルス抗体検査についてのご注意-

 現在ネットを見ると、新型コロナウイルス抗体検査キットは数多く販売されています。

これらの検査キットの説明文には「15分で自宅にいながらすぐに結果が陽性か陰性かがわかる」、「病院に検査しに行って逆に感染するリスクをなくせます」と、紹介されています。

そもそも抗体検査キットは、体内にウイルスの抗体があるかどうかを調べるもので、PCR検査のように感染の有無を診断するものではありません。

これら抗体検査キットは、研究用試薬で、感度や特異性がはっきりわかっていません。

厚生労働省も抗体検査キットについて、「研究用試薬で精度がわからない」として注意を呼びかけています。

また、2020年12月時点、厚生労働省によって医薬品として承認されている抗体検査キットは存在していません。

抗体検査キットで感染を正確にリアルタイムで知るのは無理なのです、なぜなら血液の中に感染を示す抗体があるなしの判定しかできません。

感染して、まだ症状が出始めた時、そういう感染初期の早い時期にはまだ抗体はてきていませんし、仮にできていても量が少ないことから検査は陽性にはなりません。

こたこのキットで検出された抗体の種類は、

1.感染したことを示す感染抗体

2.感染を防ぐ感染予防抗体(中和抗体)

の区別をすることができません。

抗体検査で感染を正確にリアルタイムに知ろうということは、不可能なのです。

現在巷で売られている抗体検査キットは、信頼性はないと考えて利用することを控えるべきです。

【追加】

新型コロナウイルスの抗体検査キットをウイルス感染の判定に利用できるとうたって販売したのは景品表示法に触れる恐れが強いとして、消費者庁は2020年12月25日、業者6社に表示の修正を求める行政指導を行った。

同庁は「抗体検査は感染歴の傾向を調べる疫学調査目的では利用されているが、感染判定には適さない」と強調し、販売している6社の商品は認可を得ていないことなどを説明しておらず、消費者が誤解する恐れが強いとした。

※これらのキットいずれも中国製で、抗体の有無をきちんと判定できる保証もないという※

感染拡大を受け、ネット上では安価な抗体検査や無認可のPCR検査、抗原検査のキットも多く販売されている。

同庁担当者は「偽陽性や偽陰性の判定で感染拡大や医療逼迫(ひっぱく)を加速させかねない。必要な場合に限り、医療機関で検査してほしい」と話している。

2021年1月17日日曜日

新型コロナウイルスについて-9.不織布マスク着用 広がる動き!!??-

 現実どのくらいの人が不織布マスクを着けているのでしょうか?

某TV局の街頭におけるにアンケート調査の結果、不織布マスクを着けている人は、半数近くと言う結果が得られています。

その考えられる理由のひとつとして2020年に発表されたスーパーコンピューター「富岳」のシミュレーションの結果が考えられています。

不織布のマスクは、せきをしても、飛沫がほとんど前には飛ばないのに比べて、布やポリエステル製のマスクの場合、細かい飛沫が前方に多く飛んでいることがよく分かります。

不織布マスクは、吐き出した飛沫の80%カット、吸い込んだ飛沫の70%カットされていて、布やポリエステル製より、飛沫を抑えられるという結果が得られています。

この結果が発表されて以後、さまざまな施設で不織布マスクの着用が呼びかけられているようです。

現実多くの施設において不織布マスクへの着け替えを利用客に依頼している事が見受けられています。

専門家は、布やポリエステル製のマスクも、効果が大幅に低くなるわけではないと指摘しており、不織布マスクに殊更拘必要はないと指摘しています。

事実日本感染症学会専門医は、"飛沫を広げない効果は、不織布と布マスクはほぼ同等"と発言しています。

若干ウレタン(ポリエステル)素材は劣るような印象があることからして、あまり会話がないといったような場面での着用は問題ないということです。

その時その時の状況下でマスクの素材を選択することは、間違いではありません。

特に不織布マスクにこだわる必要は無いということになります。

2021年1月9日土曜日

新型コロナウイルスについて-8.新型コロナウイルスワクチンで引き起こされるアレルギー反応に注意!!-

 2021年1月6日米国疾病管理センター(Centers for Disease Control and Prevention:CDC)の発行している2021年1月6日付週報に、新型コロナウイルスのワクチンについて、接種後に起きる急性の重いアレルギー症状への対策を十分に取るよう、医療関係者らに注意を呼びかけています。

※米国疾病管理センター週刊疫学情報MMWR(Morbidity and Mortality Weekly Report)は、米国疾病管理予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)が毎週報告している感染症情報です※


米国疾病管理センターの集計によると、2020年12月23日までに米国で米製薬大手ファイザーのワクチンを1回接種したおよそ190万人のうち、重いアレルギー症状である「アナフィラキシー反応」が21人におきており、そのうち20人は回復していますが1人の容体は確認できていないとのことです。

一般的に「アナフィラキシー反応」がワクチンの接種後に起きる割合は、一般的には100万人に1人という統計がありますが、今回の集計時点ではおよそ9万人に1人と発生頻度がかなり高くなっています。

米国疾病管理センターは、接種会場でアナフィラキシーを抑える注射薬を用意し、アレルギー体質の人への注意喚起を徹底することを提起しています。

それ以外の副反応としては、炎症などを含め全体のおよそ0.2%にあたる4393人に起きています。

米国疾病管理センターは同社のワクチンについて、「接種の利益は、副作用のリスクを上回っている」との考え方示しています。


2021年1月3日日曜日

新型コロナウイルスについて-7.新型コロナワクチンの接種対応について-

 2021年1月3日現在、まだ接種開始時期の目処はたっていなく、早ければ2021年3月に始まる可能性があると報道されています。

新型コロナウイルスのワクチンについて、厚生労働省は

・来年2月下旬をめどに医療従事者に接種。

・3月下旬をめどに高齢者への接種を始める体制を確保し、その後、基礎疾患のある人などに優先して接種を行う方針です。

ワクチン接種対象は以下の通りとされています、

ワクチン優先接種順位は以下のようです。

1)医療従事者・・約400万人

2)65歳上の高齢者・・約3600万人

3)基礎疾患のある人・・約820万人

4)高齢者施設等の従事者・・約200万人

計・・・約5000万人

【基礎疾患とは】

・慢性の呼吸器の病気

・慢性の心臓病(高血圧を含む)

・慢性の腎臓病

・慢性の肝臓病(脂肪肝や慢性肝炎を除く)

・インスリンや飲み薬で治療中の糖尿病、またはほかの病気を併発している糖尿病

・血液の病気(鉄欠乏性貧血を除く)

・免疫の機能が低下する病気(治療中の悪性腫瘍を含む)

・病気の治療で、ステロイドなど免疫の機能を低下させる治療を受けている

・免疫の異常に伴う神経疾患や神経筋疾患

・神経疾患や神経筋疾患が原因で身体の機能が衰えた状態(呼吸障害など)

・染色体異常

・重症心身障害(重度の肢体不自由と重度の知的障害が重複した状態)

・睡眠時無呼吸症候群です。

※上記基礎疾患があり通院や入院している人が対象※

いずれにしても今後の厚生労働省の発表に注意することです。

2020年12月31日木曜日

新型コロナウイルスの変異について-2.国内初、南アフカ変異種検出!!-

 2020年12月28日厚生労働省は、南アフリカに滞在歴があった30代の女性から、空港検疫で南アフリカで流行してる新型コロナウイルスの変異種を確認したと発表した。

これは現在南アフリカで流行している新型コロナウイルスの変異種の国内最初の感染者です。

厚労省によると、30代女性は南アからカタールの首都ドーハを経由し、19日に成田空港に到着し、そのときには症状はなかった。

国立感染症研究所で詳しく調べた結果、南アフリカで流行している変異種が検出された。

従来種と比べ感染力が高い可能性があるりますが、現時点では詳細は不明という。

6人は10~40代の男女で、1~24日に羽田空港に到着した、24日に到着した40代男性は発熱などがあるが、残り5人は無症状。

また、空港検疫ではこのほか、英国滞在歴がある男女6人から、英国で流行中の変異種が確認された。30代女性を含めた7人に濃厚接触者はいないという。国内の変異種感染者は計15人となった。

イギリスや南アフリカで流行してる新型コロナウイルスの変異株の国内流行は 、避けられない状況となりつつあります。

【追加】

イギリス流行している変異株は「VOC 202012/01」と呼ばれてます。

南アフリカで流行している変異株は「501Y.V2」と命名され、南アフリカでの流行の割合80~90%に増加しています。

2020年12月23日、イギリスは、南アフリカからの渡航者との接触歴がある501Y.V2の2例を報告しています。

2020年12月27日日曜日

新型コロナウイルスの変異について-1.日本国内上陸-

 2020年12月13日、イングランド南部のケント州で新型コロナウイルスの変異種の感染者は急速に増え、入院患者数も急増している。

変異種の名称は「VUI-202012/01」と呼ばれています。

イギリスのボリス・ジョンソン首相は、2020年12月19日の記者会見で変異種について「致死率が高いことや、重症化しやすいことを示す証拠はないとし、ワクチンが変異種に対して効果が低いことを示す証拠も今のところない」と説明した。

さらに、ジョンソン首相は「かなり不確かではある」と前置きした上で、「変異種の感染力は、古い種よりも最大で70%高い可能性がある」と述べた。一方で、ジョンソン首相は「まだ分からないことがたくさんある」ことも強調している。

2020年12月20日イタリア政府は、英国で確認された感染力が非常に強い新型コロナウイルスの変異種がイタリアでも見つかったと発表しまた。

この変異種は、2020年12月26日時点で既にオランダ、デンマークやオーストラリアなど10ケ国・地域でも確認されていることも判明しています。

イギリスでの変異株の流行を受けてヨーロッパ各国は、旅客機や鉄道及び船を含めてイギリスからの旅行者の受け入れを一時的に停止する措置をこうじています。

新型コロナウイルスは小さな変異を繰り返しつつ変異することから、日本においても変異ウイルスが出現しても何ら不思議はありません。

仮に日本国内で変異したとしても、イギリスと同じ様になる可能性は低いと専門家は分析しています。

多少の変異を起こして今回開発されたワクチンは効果が認められると考えられていますが、さらなる大きな変異を引き起こせばワクチンの効果がなくなる危険性は指摘されています。

2020年12月5日、2020年12月18~21日にイギリスから帰国した10~60代の5人が新型コロナウイルスの変異株に感染していることが空港検疫で判明したと発表しました。

この5人の内4人は症状がなく、1人は倦怠感があるとのことです。

またこの5人との濃厚接触者は現時点では確認されていないとのことです。

厚生労働省が2020年12月26日にこの5人以外にも2020年12月16日にイギリスから帰国した30代の男性と渡航歴のない20代の女性家族の1人計2人の感染が判明した発表しています。

今後この変異ウイルスの日本国内での流行が危惧されています。

【予防対策】

変異株の予防対策も従来の新型コロナウイルスと同様です。