血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2024年7月7日日曜日

新しいエイズ治療薬レナカパビルについて-1.レナカパビルとはどのような薬-

HIVに関する医療は目を見張るものがありますが、日本国内のHIV報告件数は7年ぶりに増加しています。


現在HIV感染を早期に発見し、早期に適切な治療を続けていればエイズの発症を防ぐことができ、これまで以上に長く健康的な社会生活を送れるようになってきています。


HIV感染を未然に防ぐ対策と果ては、当然のことながらコンドームによる予防がありますが、PrEP(曝露前予防内服)の効果は世界に認められ使用していますが、日本国内でおいては未だに保険適応が認められていません。


しかし現実としてゲイの間では、PrEPを利用している人が多く存在していることは周知の事実です。


今回新しいHIV感染症の予防薬のレナカパビルが、臨床試験においてHIV予防で100%の有効性を示したとの報告があり期待されています。


それではレナカパビルとは、どのような薬なのでしょうか?


米国リフォルニア州フォスターシティに本社を置く世界第2位の大手製薬会社であるギリアド・サイエンシズが開発したHIV感染症の予防薬です。


このレナカパビルは、年2回投与のHIV予防薬で経口投与と皮下投与の両方に対応しています。


従来からあるHIV予防薬であるツルバダは、1日1回服用する必要がありますが新しいレナカパビルは年2回の服用か皮下注射で予防効果が発揮されるという画期的なHIV予防薬です。


レナカパビルはレナカパビルナトリウムで、HIV-1のカプシドタンパク単量体間の界面に直接結合して、HIV-1のカプシド機能を多段階で選択的に阻害する抗ウイルス薬です。


他の抗レトロウイルス薬との併用により、多くの治療歴を有する多剤耐性HIV感染者に対するHIV治療薬として使用されます。


多剤耐性HIV-1感染症治療薬・レナカパビルは、2023年6月2日日本で承認申請され、


2023年8月1日に日本国内で多剤耐性HIV-1感染症の治療薬として製造販売承認を取得しました。


レナカパビルはHIV-1感染症に対する初のクラスとなる「カプシド阻害薬」に分類される薬剤で唯一の年2回投与の治療選択肢となります。


このレナカパビルがどのようにして、HIV予防に寄与するかは次回詳しく述べたいと思います。

 

2024年6月30日日曜日

先天性梅毒の怖さ

先天性梅毒とは、梅毒トレポネーマに感染して治療を受けなかった女性が妊娠中に胎盤を介して赤ちゃんに梅毒トレポネーマを感染させてしまうことです。


妊娠中の梅毒感染は特に危険で、死産や早産につながったり、生まれた赤ちゃんに神経や骨の異常をきたしたりする可能性が極めて高くなります。


先天性梅毒は、生後数ヶ月以内に現れる「早期先天梅毒」と、生後2年以降に現れる「晩期先天梅毒」に分類されます。


・早期先天梅毒は、水疱、丘疹、赤銅色の発疹など特徴的な皮膚の症状、リンパ節腫脹、肝脾腫などを起こします。


・晩期先天梅毒は、実質性角膜炎、難聴、歯のエナメル質の形成不全(ハッチンソン歯)などを引き起こします。


先天梅毒は2022年では年間で20例の報告数がありましたが2023年では7月5日の時点で既に20例の報告数となっています。


特に最近の若い女性の梅毒患者増加によって先天梅毒の増加にも繋がっているということがわかるはずです。


生まれてくる子供には何の罪もありませんので、妊娠が判明すれば必ず妊婦健診を受けることです。


妊婦健診では梅毒検査を実施します。


この梅毒検査は、妊娠4~12週の妊娠初期と妊娠後期に受ける必要があります。


※最近では妊婦健診を受けない妊婦の増加による先天性梅毒が発生しています※


梅毒感染を早く知り、早期に治療することにより先天性梅毒は予防可能です。