血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2024年6月23日日曜日

妊婦の梅毒患者増加!!

 妊娠した女性の症例数は2021年に187例だったものが、22年には267例、23年には383例と前年比1.4倍程度で増加し、2023年は女性症例に占める妊娠症例の割合が7.2%となり、数と割合のいずれも増加しています。


2019年 208人

2020年 185人

2021年 187人

2022年 267人

2023年 383人


妊娠初期に適切な治療を受ければ胎児への感染リスクを予防可能ですが、現在妊娠初期の妊婦健診を受けないことが増加した結果、梅毒の診断を受けたときの妊娠週数が中期以降であった症例の割合は、2022年以降減少したものの、依然として40%を超えていいます。


日本では、妊娠初期の妊婦健診で梅毒のスクリーニング検査が実施され、早期の発見につなげようとしていますが、しかしながら妊婦健診を受けない妊婦もいることから、別の機会で妊娠初期に検査を受けられる機会を提供することも重要だと考えられています。


また妊娠している女性で梅毒と診断された後、流産(2022年3例・2023年2例)や死産(同11例・9例)、人工妊娠中絶(同43例・28例)に至ったケースが報告されています。


現在の感染症発生動向調査では届出が義務化されていないことから、正確に把握できていない可能性があるのと、梅毒と流産・死産などのの関連も定かではないという現実があります。

【梅毒トレポネーマの感染防止と先天性梅毒の防止には】


以下のことを厳守する必要があります。

1.兎に角男女ともに梅毒に感染しすような行為をしてしまった場合、必ず適切な時期に検査を受ける。


2.結婚前にはお互い梅毒を含む性感染症検査を受ける。


3.妊婦健診時の梅毒検査は、妊娠初期と中期に必ず受ける。


2024年6月16日日曜日

HIV再流行の兆し!!

 梅毒、淋病、クラミジアなどの性感染症の増加もさることながら、その影でHIVの再流行が危惧されています。


『HIV検査体制の改善と効果的な受検勧奨のための研究-令和5年度 総括・分担研究報告書-』によりますと、2022年のHIVの検査実施数は42805件で陽性者数が72件だったのに対し、2023年は検査数が63120件で陽性者数は116件と1年で大きく増加しているという現実を突きつけられることになりました。


要するに新型コロナウイルスの流行でHIV検査数が減少しただけで、実質は水面下でHIVの流行は起こっていたことになります。


新型コロナウイルスの流行が収まり、HIV検査を受ける人が戻った結果、なんとHIV流行が起こっていたということなのです。


要するにHIV検査を受ける人が減少した結果、HIV感染者が減少していたという皮肉な話だったわけです。


現在HIVに感染しても早期発見早期治療によって死に至ることはなく、天寿を全うすることが可能となっています。


※エイズを発症してしまってからの治療効果は芳しくありません※


またコンドームを正しく要することにより感染はほぼ予防可能です。


更に『曝露前予防内服』『曝露後予防内服』の進歩による感染予防も高い効果を得ています。


HIVは性行為と血液を介して感染し、HIV感染者と一緒に食事やおしゃべりをしたりしても感染しませんし、蚊などの昆虫が媒介することもないし、唾液で感染することもありません。


要するにほぼ100%近く感染予防ができるわけです。


大切なことは一人ひとりが正しい感染予防を行い、危険な行為をしてしまったら必ず適切な時期にHIV検査を受けることです。


そうすることによりHIV流行を過度に恐れることはなく、正しく感染予防が可能となります。