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2021年5月2日日曜日

新型コロナウイルスについて-23.空間除菌グッズに騙されないように!!その2-

 某メーカーのサイトには「ウイルスを99%除去できる」などといった宣伝文句が書いてありますが、これは空間除菌グッズに空気中を漂うウイルスや細菌を不活化させる一定の働きがあるのは本当ですが、これは限られた、実験室の条件下でウイルスを除去出来るということにほかなりません。

日常生活で実際に使用される環境下でウイルスを除去出来る性能を持っていなければ何の役にも立ちません。

要するに消費者が、「ウイルスを99%除去できるから新型コロナの感染予防にも役に立つのだろう」と誤解するのは消費者の勝手ということになります。

消毒剤や治療薬は、試験管内や動物実験で良い効果が得られて、実際に使用すると全く効果がなく、逆に害が大きかったりすることはよくあります。

そのために世に出るまでには、大規模な臨床試験で効果や安全性を確認します。

このような大規模な臨床試験で効果や安全性を調べるには、多くの時間と多くの費用がかかります。

そのことから、「効果がありそう」という誤解を維持させ続けたまま「雑貨」で売り続けているのです。

感染を予防する可能性を否定出来なくても、空間除菌をやることはやらないよりはましだと考える人もいますが、これは空間除菌に害がなければの話です。

ウイルスに影響を及ぼす薬剤で、人体にはまったくの安全という化学物質はほぼ存在しません。

短時間で空気中のウイルスを不活化できる濃度の化学物質は、同時に人に有害である可能性が大なのです。

被害を防ぐために安全性を優先して濃度を薄くすると今度は効果がなくなってしまいます。

販売されている商品がそれぞれの使用条件下で、ウイルスを不活化できるが人体に害のない適正な濃度を維持できるとは限りません。

そもそもそんな適正な濃度があるのかどうかも疑問なのです。

空間除菌製剤による健康被害は実際発生しています。

咳、呼吸器、悪心のほか、重症度の高いものとして首からぶら下げるタイプの空間除菌製剤によって化学熱傷が起きたという事例が複数報告されています。

これらの被害に対して、製造販売しているメーカーは、『適切に使用すればこうした事故は起こらない』と言うかもしれませんが、本当に感染予防効果が明確であれはその言い訳は通用するかもしれませんが、効能があるのかどうかもわからないのに、使い方を間違えれば重大事故が起きうる製品を使うのは極めて非合理的です。

健康被害の起きるリスクの高い"雑貨"を念の為あるいは万が一のときのために使用するにはあまりにもリスクが大きすぎます。

空間除菌グッズには、医学的には感染予防効果が証明されていないこと、使い方によっては重大な健康被害が発生することを製造販売しているメーカーははっきりと告知する義務があると思います。

新型コロナウイルスの大流行で、人々は藁をもすがる思い出で製品を買って感染対策をせざるを得ない人々の弱みに付け込むことは許されるべきではないと思います。

国も指摘するだけでなく、取締をしてほしいものです。

少し長くなりましたが、ご容赦下さい。

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