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2025年4月6日日曜日

感染症速報-4.日本国内において百日咳が患者が急上昇-

百日咳(pertussis, whooping cough)は、特有のけいれん性の咳発作(痙咳発作)を特徴とする急性気道感染症です。


乳児期早期から罹患する可能性があり、1歳以下の乳児、特に生後6カ月以下では死に至る危険性も高い感染症です。


百日咳の咳は、短い咳が連続して出るのが特徴で、息を吸うときに「ヒューヒュー」という音がします。


咳発作は連続した咳き込み(スタッカート)の後、息を吸うときに笛の音のようなヒューという音が出る(ウープ)発作の繰り返し(レプリーゼ)が約2~3週間持続し、咳が治まるまで約100日間(3ヵ月程度)続きます。


百日咳の病名は、咳が約100日間(3ヵ月程度)続くことに由来しています。


百日咳特有の咳を紹介した貴重なサイトを以下に記載しておきまのので、参考にして下さい。

『百日咳とはこんな咳』


国立健康危機管理研究機構は、3月23日までの1週間で全国の医療機関から458人の患者が報告されたとの速報値を公表しています。


2025年に入ってからの累積は4100人で、すでに昨年1年間の累積4054人を超え都道府県別では大阪府が最も多く、336人。東京都が299人、新潟県が258人と続きます。


百日咳にはワクチン接種が最も予防に有効とされています。


ワクチンの普及とともに感染者数は減少してはいますが、世界各国でいまだ多くの流行が発生しています。


日本国内での百日咳流行を受けて日本小児科学会は、2025年3月29日付で「百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加について」を公開し、日本国内でマクロライド系抗菌薬耐性菌の分離報告が増加していることについて注意喚起するとともに、現行の定期接種に加えて、任意接種での3種混合ワクチンの追加接種を推奨する旨を改めて周知しています。

【参考資料】


『百日咳患者数の増加およびマクロライド耐性株の分離頻度増加について 』

2025年3月30日日曜日

感染症速報-3.サポウイルスによる感染症-

 感染経路】


感染経路は汚染された食品や患者と接触した手を介して感染します。


【潜伏期間と症状】


12~48時間で、嘔吐・下痢・発熱などの症状がある胃腸炎を引き起こしますが、症状からはノロウイルスとサポウイルスの区別はできません。


【感染源】


牡蠣などの二枚貝が有名です。


ノロウイルスもサポウイルスも人間の体内でしか増殖できず、患者の糞便から排泄され、下水を通って海に流れ、牡蠣などの二枚貝に取り込まれて濃縮され汚染された貝を生で食べることで感染します。


貝類を食べていないのに感染するのは人から人への感染です。


サポウイルスに感染した人が感染源になったり、患者の吐物や下痢を処理した人が、手袋着用や手洗いが不十分なまま調理すると食品が汚染されて感染源になります。


サポウイルスは1年中存在するので夏でも発生しますが、冬に多い傾向があります。


【治療法】


ノロウイルスなどと同様で特効薬がないために脱水に対する対症療法が中心となります。


有効な治療法としては水分と電解質を補充するための経口補液です。


嘔吐や下痢があると水分だけでなく塩分が失われますので、市販のスポーツドリンクは、糖分が多く塩分が少ないので、あまりお勧めできません。


OS-1やアクアライトなど小児の脱水の治療に使えると記載されたものが良いです。


いずれにして感染したと考えられる症状が出たときには、素人処置をしないですぐに受診することです。


【正しい予防法】


・牡蠣などの2枚貝は十分に加熱する。


・生鮮食品は十分に洗浄する。


・トイレの後や調理前、食事前には流水による丁寧な手洗いをする。


・手洗い後のタオルの共用を避けて使い捨ての紙タオル使用する。


・患者の吐物や下痢を処理する時は、必ず使い捨て手袋を着用する。


・汚染された衣類は他の衣類と分けて洗濯しましょう。


・胃腸炎のウイルスにはアルコール消毒は効果がないので石鹸を使い流水でよく洗う。


・汚染された器具などは塩素系漂白剤を100倍から200倍程度に薄めて消毒をします。