血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2025年3月23日日曜日

感染症速報-2.サポウイルスとは-

 1977年に札幌の児童福祉施設で胃腸炎の集団感染があり初めて報告されました。


当時は"サッポロウイルス"呼ばれましたが、2002年の国際ウイルス学会で「サポウイルス」と正式に命名されました。


※"サポ"という名前は、発見された地名(札幌)に由来しています※


小児の散発的な感染性胃腸炎の原因と考えられてきましたが、近頃では食中毒などの集団感染の報告が増加傾向にあります。


サポウイルスは、カリシウイルス科に属するRNAウイルスで、主な感染経路は経口感染で、汚染された食品や水、あるいは感染者との接触によって感染します。


特に、牡蠣などの二枚貝を生で食べることで感染するリスクがあります。


主な症状としては、嘔吐、下痢、腹痛、発熱などが一般的な症状です。


※これらの症状は、ノロウイルスによる感染症とよく似ています※


潜伏期間は12~48時間で、発症している期間は一般的には1~2日、長い場合は一週間程度続くこともあります。


感染しやすい年齢層としては乳幼児に多く見られますが、近年では成人や高齢者の感染事例も報告されています。


【感染予防法】


1.手洗いの徹底。


2.食品を十分に加熱する(特に二枚貝は、生食を避ける)。


3.感染者の吐物や糞便をビニール袋にいれるなどの処理し、第三者に触れないようにする。


当然のことながらサポウイルスは、ノロウイルスと同様にアルコール消毒は無効ですので、石鹸でよく手を洗い流水で洗い流す必要があります。


【治療療法】


特効薬はなく、対症療法が中心となります。


脱水症状を防ぐために、水分と電解質の補給が重要です。


※※サポウイルスによる胃腸炎は、ノロウイルスによるものと症状が似ているため区別がしにくいのが現実です※※


20年程前からサポウイルスによる胃腸炎も知られるようになってきており、ロタウイルスでもアデノウイルスでもノロウイルスでもないウイルス性胃腸炎は原因はサポウイルスか原因あると指摘する専門家も多くいます。


要するにサポウイルスはノロウイルスに比べて、まだ、詳細な情報が不足しているのが現実です。

2025年3月16日日曜日

感染症速報-1.ヨーロッパでハシカ流行-

世界各国の感染症の情報をいち早くお知らせします。

2025年3月13日、世界保健機関と国連児童基金はロシアやヨーロッパを含む53カ国でハシカ(麻疹)の感染件数が2024年に127352件に上り、21万件を超えた1997年以降最悪となったと発表しました。


5歳未満の子どもの感染が全体の43%と多く「肺炎や腎不全を併発し、生命に関わるケースもある」と警告を発し予防接種の重要性を訴えています。


世界保健機関と国連児童基金の報告書によりますと、ヨーロッパ地域では1997年以降、ハシカは減少し、2018年から再流行し始め新型コロナウイルスの世界的流行を経て2024年に急増しました。


このハシカは半数以上が入院が必要な重症であったと報告されています。


今回のハシカ再流行の一因としては、新型コロナウイルスの流行によるハシカの予防接種率の低下を指摘しています。


新型コロナ感染者への対応で医療施設は逼迫し、ロックダウンも影響し定期予防接種を含む医療サービスが混乱したのも一因とされています。


今後日本国内においてもハシカが流行する危険性は否定できません。


【ハシカ(麻疹)について】

麻疹ウイルスの感染経路は、空気感染・飛沫感染・接触感染で、ヒトからヒトへ感染が伝播し、その感染力は非常に強いと言われています。


免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症し、一度感染して発症すると一生免疫が持続すると言われています。


現在の日本国内における麻疹患者数はかつてより著しく減少していますが、未だ年間約10~20万人と推計されています。


小児にとって麻疹は重症度の高い疾患で、近年は成人での発症も問題となっていることから、その対策は国民全体の健康を守るという点でも重要とされています。