血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2023年2月5日日曜日

現在の梅毒流行の現状-10.2022年の梅毒ー

 2022年1年間の梅毒の新規感染者の累計は1万2966人でした。


2023年1月22日時点での患者数は、501人となっています。


2022年は10月5日までに届け出のあった梅毒の病期は、下記のとおりとなっています。


早期顕症梅毒Ⅰ期 3289人  


早期顕症梅毒Ⅱ期 2237人


潜伏梅毒 1317人


晩期顕症梅毒 59人


現在若い男女は梅毒に対するの識・情報不足が顕著であることから、梅毒トレポネーマに感染して初期症状があっても気づかないのが大半です。


初期症状が比較的わかりやすい性感染症ですが、正しい知識不足からそれすら知らないというのが現実です。


されにそれに拍車をかけて無症候梅毒が多いのも事実です。


また医師側にも性感染症を診ることが少ないという問題があるため、あまり深刻に考えていないこととから見逃しも多いようです。


これらが相まって発見の遅れと感染拡大につながっているのです。


特に問題なのは晩期顕症梅毒の段階で見つかった新規感染者が59人もいることです。


晩期梅毒とはゴム腫や進行性の大動脈拡張を主体とする心血管梅毒、進行麻痺といった神経梅毒に発展する段階です。


梅毒は抗生物質で完治することから晩期梅毒は、これほど発生することはありえないことです。


これは見逃さない限りここまで進行することはありえないはずです。


大切なことは危険な行為をしてしまったときには、適切な時期に必ず梅毒検査を受けることです。

2023年1月29日日曜日

現在の梅毒流行の現状-9.TP抗体が一度陽性となると梅毒が治癒しても一生TP検査が陽性となったままになる!!??-

 梅毒トレポネーマに感染するとおよそ4週間でカルジオリピンに対する抗体が陽性となり、6週間以降にはTP抗体が陽性となります。


梅毒トレポネーマに感染してTP抗体が体内に出来る前に治療を開始しないと、一旦TP抗体が体内に出来としまいますと、体内の梅毒トレポネーマが無くなってもTP抗体が消えることなく残るので、いつまでもTP検査が陽性なり続けます。


そのために梅毒治療の判定にはTP検査は使用できません。


従って治療の判定にはSTS検査を行います。


完治後のTP抗体陽性は感染の名残みたいなもので、人には感染させませんし、自身の臓器にも悪影響を与えることはありません。


昔梅毒に感染したという名残にほかなりません!!


しかしこのことを知らない医師も結構います、そのために必要のない治療を続けていることをよく見かけます。


また、老人が老人ホームなどに入所の際に梅毒検査を受けてTP検査のみが陽性(既に治癒した梅毒で自分自身も問題なくヒトにも感染させません)となり入所を断られている事例を多く見かけるのも事実です。


これも検査を解釈する医師の無知による弊害の一つです。


TP抗体を残さないためには、TP抗体ができる前か、TP抗体が出来て抗体価が低いうちに早期に治療を開始することです。


TP検査の意義がわからずTP検査が陰性になるまで治療を続ける誤った治療を実施する医師がいることは、残念なことです。


2022年1年間の梅毒の新規感染者の累計は1万2966人でした。


今後も流行は収まらなてと考えられています。


梅毒治療にはペニシリン系抗菌薬が有効で、日本国内ではアモキシシリンの経口投与や神経梅毒と診断された場合にはベンジルペニシリンカリウム点滴静注による治療が日本性感染症学会により推奨されています。


2021年9月には、梅毒の世界的な標準治療薬であるベンジルペニシリンベンザチン筋注製剤の国内での製造販売が承認されました。