血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2022年10月9日日曜日

HIV被曝前予防について-2.曝露前予防の方法とは-

デイリーPrEPとして『エムトリシタビン・テノホビル ジソプロキシル(TDF/FTC、商品名ツルバダ)』または『エムトリシタビン・テノホビル アラフェナミド(TAF/FTC、デシコビ)』を1日1錠内服する方法と、


オンデマンドPrEPとして、性交渉前後の決められたタイミングにTDF/FTCを内服する方法があります。


 まとめますと、


【ディリー PrEP薬を服用するタイミング】


男性同性間の性行為、男女間の性行為、トランスジェンダーの人、薬物静注によるHIV感染リスクのある人、すべての方に有効性が確認されている方法です。


リスク行為のあるなしに関わらず毎日継続して服用する方法で、1日1回1錠、同じ時間に服用します。


【オンデマンド PrEP薬を服用するタイミング】


男性同性間の性行為のみに有効性が確認されています。


性行為の2時間~24時間前に2錠、最初の内服から24時間後に1錠、更に最初の内服から48時間後に1錠を内服し(2-1-1)、終了する方法です。


【重要事項】


PrEP開始にあたっては、医師によるHIVの検査、他の性感染症の感染の有無、副作用の有無などが必要です。


HIVに感染するリスクがなくなったり、コンドームの使用や他の予防方法を使いセーファーセックスあるいはセーフセックス(Safer sex, Safe sex)ができるのであれば、PrEPは必要ありません。


【PrEPを開始したにもかかわらずHIVに感染した事例はあるのか】


PrEP開始後にHIVに感染した人は、以下の2つのパターンが存在します。


第1パターン:PrEP開始時にすでにHIVに感染していたにもかかわらず、ウインドウピリオドであったために、感染していることに気付かずにPrEPを開始し、その後HIV感染が判明した事例。


第2ターン:PrEP開始後に正しく薬を服用しなかったり、勝手に服用をやめたためにHIV感染が判明した事例。

2022年10月2日日曜日

HIV被曝前予防について-1.HIV被曝前予防とは-

 今回はHIV被曝前予防についてついて数回に分けて紹介させていただきます。


【曝露前予防とは】


"Pre-Exposure Prophylaxis:PrEP"のことです。


※PrEPはプレップと読みます※


男性間性交渉者(Men who have Sex with Men:MSM)や性風俗産業従事者(Commercial Sex Worker:CSW)などHIVの感染リスクの高いHIV陰性者が、リスクのある性行為の前に抗HIV薬を服用することによって、自身のHIVへの感染を予防することです。


【曝露前予防の効果】


感染リスクを99%低減させる効果があると分析されています。


【外国における曝露前予防の現状】


2015年に世界保健機関(WHO)がHIV感染予防目的に曝露前予防を推奨して以降、2019年には44ケ国が曝露前予防の使用を承認しています。


曝露前予防はHIV感染予防に有効であることから多くの医療機関、政治家、研究者が曝露前予防の認知度を高める努力をしていますが、いまだに認知度が低いことは歪めません。


【日本国内における曝露前予防の現状】


日本では曝露前予防の導入が他国より遅れていて、個人輸入やクリニックでの自由診療で行われているのが現状です。

※自費診療ですから、1ケ月30万円を超える場合もありますので、事前に費用は問い合わされることをおすすめします※


要するに処方前の検査などは曖昧で、尚且つルールがない状態であったことから、2022年7月日本エイズ学会は『日本におけるHIV感染予防のための暴露前予防(PrEP)利用の手引き(案)』」を公式サイトで発表し、パブリックコメントを募っています。


近い将来、日本国内においてもルールが整備されていくと期待されていますが、諸外国に比べて極めて遅いことにはかわりありません。