血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2021年12月5日日曜日

新型コロナウイルス-46.オミクロン株の現状-

 オミクロン株は、2021年11月11日にボツワナで採取された検体から初めて発見され、その後南アフリカ共和国からも見つかっています。


その後南アフリカ共和国では新規感染者数が急増しています。


2021年12月3日時点でオミクロン株の症例が確認された国や地域は日本を含め36カ国になっています。


これまでに世界中で報告されているオミクロン株による症例のうち、重症度に関する情報が得られているものでは、約半数は無症状で、残り半数は軽症とのことです。


現時点では、重症化した症例や入院、死亡例は報告されていません。


今後ワクチン非接種者、高齢者にも感染が広がれば重症者が増えてくる可能性はあり得ることです。


オミクロン株は、30を超える変異を持ち、感染成立に関わるスパイク蛋白にも多くの変異があることから、ワクチンの効果を低下させ、再感染のリスクを高める可能性が懸念されています。


実際にこれまでにワクチン接種者でも感染例が報告されていますが、ワクチン接種による感染予防効果は時間とともに低下しますので、この報告だけでオミクロン株のワクチンへの影響を推し量ることはできません。


ワクチン接種者や回復者の血清のオミクロン株や疑似ウイルスに対する中和能力を評価する研究が必要ですが、この結果が得られるまでは数週間はかかるものと思われます。


2021年12月3日世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は「オミクロン株」に対して、「既存のワクチンを改良する必要性を示す根拠はない」と述べていますが、現在の世界保健機関の言うことは説得力がありません。


2021年12月の時点ではオミクロン株は、デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか全くわかっていません。


私たちができる対策は、三密を避ける・マスク着用・十分な手洗いなどこれまでと変わりません。


厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。

2021年11月28日日曜日

新型コロナウイルス-45.南アフリカで見つかった新型コロナウイルスの変異株オミクロン-

 2021年11月26日世界保健機関は南アフリカで新たに見つかった新型コロナウイルスの変異株「B.1.1.529」に対して、懸念される変異株(Variant of Concern : VOC)に指定し、オミクロンと命名しました。


この変異株は2021年11月9日に南アフリカで初めて見つかり、同月24日に南アフリカによって世界保健機関に初めて報告されています。


オミクロン株は多数の変異があり、デルタ株など他の懸念される変異株(VOC)よりも再感染リスクが高いことを示す「暫定的な証拠」があり、感染拡大のペースも速い可能性があるとした。

従来のPCR検査で検出は可能ですがオミクロンの感染力・重症度・ワクチンに対する効果・治療などに関しての分析は今後数週間以上かかるとされています。


※懸念される変異株(VOC)は最も危険視される変異株の分類に属し、現在世界の主流株となっているデルタ株や、アルファ株やベータ株、ガンマ株が指定されています※


この変異株は南アフリカで急速に感染が拡大し、周辺国にも広がっていることから、感染力が強い可能性があり警戒が必要とされています。


ここでひとつ素朴な疑問がおこります。


世界保健機関は、新型コロナウイルスの変異株の命名方法として24文字のギリシャ文字を順番に使うと言っていながら今回はその順番を変えたことです。


一つ前の変異株はミュー株ですから本来ならこの変異株には、ミューの次のニューを使うはずですが、今回はなぜかニューとクサイのふたつを飛ばしてオミクロンを使いました。

これは何故なのでしょうか?


現在の世界保健機関のやることは全てといつて良いくらい一貫性がなく、信用できない国際機関となっています。


このことは多くの人が疑問に思っていることと思います。


【日本国内の動き】


2021年11月26日国立感染症研究所は、オミクロン株の警戒レベルを3段階中2番目に高い「注目すべき変異株(Variants of Interest:VOI)」に位置づけました。


日本国内では2021年11月26日までに国内や検疫で見つかってはいません。


このオミクロン株の性質は「十分な情報が得られていない」発表されていて監視態勢を強化しています。