オミクロン株は、2021年11月11日にボツワナで採取された検体から初めて発見され、その後南アフリカ共和国からも見つかっています。
その後南アフリカ共和国では新規感染者数が急増しています。
2021年12月3日時点でオミクロン株の症例が確認された国や地域は日本を含め36カ国になっています。
これまでに世界中で報告されているオミクロン株による症例のうち、重症度に関する情報が得られているものでは、約半数は無症状で、残り半数は軽症とのことです。
現時点では、重症化した症例や入院、死亡例は報告されていません。
今後ワクチン非接種者、高齢者にも感染が広がれば重症者が増えてくる可能性はあり得ることです。
オミクロン株は、30を超える変異を持ち、感染成立に関わるスパイク蛋白にも多くの変異があることから、ワクチンの効果を低下させ、再感染のリスクを高める可能性が懸念されています。
実際にこれまでにワクチン接種者でも感染例が報告されていますが、ワクチン接種による感染予防効果は時間とともに低下しますので、この報告だけでオミクロン株のワクチンへの影響を推し量ることはできません。
ワクチン接種者や回復者の血清のオミクロン株や疑似ウイルスに対する中和能力を評価する研究が必要ですが、この結果が得られるまでは数週間はかかるものと思われます。
2021年12月3日世界保健機関(WHO)の緊急事態対応を統括するマイク・ライアン氏は「オミクロン株」に対して、「既存のワクチンを改良する必要性を示す根拠はない」と述べていますが、現在の世界保健機関の言うことは説得力がありません。
2021年12月の時点ではオミクロン株は、デルタ株より感染力が強く、病原性も高い変異ウイルスなのか、感染力は強いものの、重症化の割合は低い変異ウイルスなのか全くわかっていません。
私たちができる対策は、三密を避ける・マスク着用・十分な手洗いなどこれまでと変わりません。
厚生労働省の専門家会合も、ワクチン接種の推進に加えて、マスクの着用、消毒や密を避けるといった基本的な対策を続けるよう呼びかけています。