血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2024年10月14日月曜日

前立腺癌について-1.前立腺癌とは-

【前立腺とは】 


前立腺は男性のみにある臓器で、精液の一部となる前立腺液をつくっています。


前立腺液には、PSA(前立腺特異抗原:prostate-specific antigen)というタンパク質が含まれてほとんどのPSAは前立腺から精液中に分泌されますが、ごく一部は血液中に取り込まれます。


【前立腺癌とは】


前立腺の細胞が何らかの原因で異常に増殖することにより起こる病気で、悪性腫瘍の1つで多くの場合比較的ゆっくり進行し、早期に発見して適切な治療を行えば、高い確率で治癒が望めます。


早期発見し適切な治療を受ければ、ステージⅠ・Ⅱで100%、ステージⅢで99.2%と良好な予後が期待されますが、気づかずに治療しないでステージⅣとなるとリンパ節や骨に転移し5年生存率は53.4%と著しく悪くなることから、早期発見が必要となります。


【前立腺癌患者数】


前立腺癌患者数は、2019年に日本全国で94,748人で日本人男性で最も罹患数が多い癌とされています。


2023年の男性の前立腺がんの罹患数は約9万8,600人です。


前立腺癌にかかる人数は、1年間で男性10万人中154人程度で、高齢になるほど高くなります。


前立腺癌はもともと欧米に多く、日本は欧米の1/10~1/20の罹患率とされていましたが近年では日本でも前立腺癌の罹患数が増加しています。


【日本人に前立腺癌が多くなった原因】


近年の食生活の欧米化に伴い、動物性脂肪を多く摂ることに比例して前立腺癌発症に何らかの影響を及ぼしていると考えられています。


また、PSA検査によって早い時期に癌を見つけることが可能となったことも前立腺癌患者の増加の一因になっていると考えられています。

続く

2024年10月6日日曜日

インフルエンザ4価ワクチンとは?

インフルエンザワクチンの4価ワクチンとは、その名の通り4種類のインフルエンザウイルスに対応したワクチンです。

※インフルエンザ4価ワクチンは、インフルエンザウイルスA型株(H1N1株とH3N2株)とB型株(山形系統株とビクトリア系統株)の4種類を培養して製造されているインフルエンザワクチン※

1.A型株

・A/ビクトリア/4897/2022(IVR-238)(H1N1)pdm09

・A/ダーウィン/9/2021(SAN-010)(H3N2)


2.B型株

・B/オーストリア/1359417/2021(BVR-26)(B/ビクトリア系統)

・B/プーケット/3073/2013(B/山形系統)


【なぜ4種類になったのか】

インフルエンザウイルスは、毎年少しずつ形を変えていきます(変異)。

このため、ワクチンに含まれるウイルス株も、流行が予想される種類に合わせて毎年更新されます。

4価ワクチンでは、A型インフルエンザウイルスが2種類(H1N1とH3N2)、B型インフルエンザウイルスが2種類(山形系統とビクトリア系統)の計4種類に対応することで、より幅広い種類のインフルエンザウイルスから身を守ることができるようになるわけです。。


【3価ワクチンとの違い】

3価ワクチンは、B型インフルエンザウイルスが1種類しか含まれていなかったために、流行するB型インフルエンザウイルスの種類によっては、効果が低くなる可能性がありました。

4価ワクチンは、B型インフルエンザウイルスが2種類含まれているため、より多くの種類のB型インフルエンザウイルスに対応でき、より効果が期待できるようになっています。


【4価ワクチンのメリット】

より幅広いインフルエンザに対応できる 4種類のインフルエンザウイルスに対応することで、より多くの種類のインフルエンザから身を守ることができます。

インフルエンザにかかってしまうと、高熱や咳、筋肉痛などの症状が出ることがありますが、特に高齢者や基礎疾患のある方は、重症化のリスクが高まります。

しかし4価ワクチンを接種することで、重症化を防ぐ効果が期待できます。

【4価ワクチンを受ける際の注意点】

副反応 他のワクチンと同様に、接種後に発熱や痛み、倦怠感などの副反応が出る場合があります。

度のワクチンもそうですが、インフルエンザワクチンは100%効果があるわけではありません。

ワクチンを接種しても、インフルエンザにかかってしまう可能性はゼロではありません。

【まとめ】

インフルエンザ4価ワクチンは、より多くの種類のインフルエンザウイルスに対応できるため、より効果的にインフルエンザ予防ができるワクチンです。

インフルエンザの流行前に接種することが推奨されています。

※インフルエンザワクチンにもメリットとデメリットがありますので、これらをよく理解した上に接種を受ける受けないは、ご自身で判断してください※