血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2021年6月27日日曜日

新型コロナウイルスについて-31.新型コロナワクチン接種後に発熱や頭痛が…市販薬は飲んでいいの?-

 厚生労働省が開設したサイト「新型コロナワクチンQ&A」にも、「ワクチンを受けた後に熱が出たら、どうすれば良いですか」「ワクチンを受けた後の発熱や痛みに対し、市販の解熱鎮痛薬を飲んでもよいですか」といった項目が開設されていますので一度ご覧ください。

これらの疑問に対し、サイトでは「ワクチンによる発熱は接種後1~2日以内に起こることが多く、必要な場合は解熱鎮痛剤を服用するなどして、様子をみていただくことになります」などと回答されています。

市販の解熱鎮痛剤では、イブプロフェンやロキソプロフェンといった非ステロイド性抗炎症薬(Non-Steroidal Anti-Inflammatory Drugs:NSAIDs)やアセトアミノフェンなどがあり、厚労省のサイトでは「ワクチン接種後の発熱や痛みなどにご使用いただけます」と記載されています。

アセトアミノフェンは妊娠中・授乳中の女性も使うことが可能です。

ただし、咳やのどの痛み、味覚・嗅覚がなくなる、息切れなどのワクチン接種後の副反応としては通常、起こりにくい症状が見られる場合や、薬によるアレルギー症状やぜんそくが起きた経験がある人、妊娠中・授乳中の女性や病気の治療中の人は、市販薬を服用する前にかかりつけ医によく相談されることです。

しかしワクチン接種後発熱や頭痛が起きることがあるからと言って、発熱や頭痛といった副反応の症状が出る前に予防的に解熱鎮痛薬を繰り返し飲むのは現時点で推奨されてないので予防のための服用はしないほうが良いでしょう。

ワクチン接種よる発熱か、新型コロナウイルス感染症かを見分けるには、発熱以外に、咳や咽頭痛、味覚・嗅覚の消失、息切れ等の症状がないかどうかが、手がかりとなります。

※ワクチンによる副反応の発熱では、一般的にはこれらの症状はみられません※

ワクチン接種後、2日間以上熱が続く場合や、症状が重い場合、ワクチンでは起こりにくい上記の症状がみられる場合には、自己判断で薬を服用せずに医療機関を受診することをお勧めします。

ワクチン接種後の発熱等に使用可能な薬剤の代表的な製品を一部紹介しておきますので参考にしてください。

○イブプロフェン系薬剤

・ブルフェン

・イブ

・エスタック

・ナロンメディカル

○ロキソプロフェン系薬剤

・ロキソニン

・バファリンEX

・エキセドリンLOX

・セレコックス

・ナスキサシン

○アセトアミノフェン系薬剤

※アセトアミノフェンは比較的、副作用が少ないですが、人によって肝機能障害を起こすことがあるため、市販のアセトアミノフェンは用量が低く抑えられているのだと思います※

・カロナール

・タイレノールA

・バファリンルナ

・ノーシン

・セデス

2021年6月20日日曜日

新型コロナウイルスについて-30.現在使用中の新型コロナワクチンは、変異株の感染予防となるのか??-

 多くの専門家は、幾つかの有効なワクチンが集団免疫の達成を助ける可能性があることに希望を抱いていましたが、これが打ち砕かれそうです。

ワクチン接種と過去の感染が組み合わさることで、他人への感染をほぼゼロにできる可能性があると期待していましたが、これが幻想となる可能性が高くなってきています。

2021年2月の南アフリカでのワクチン臨床試験データは、感染力の強い変異株がワクチンの効果を弱める可能性があるだけでなく、感染したことのある人の自然免疫をもくぐり抜ける恐れがあることが指摘されました。

南アフリカ型やブラジル型の新たな変異株を巡ってここ数週間に出てきたデータは、楽観的な見方を打ち砕いたと報じられています。

専門家らの考え方としては、新型コロナウイルスは一定の地域や季節に一定の罹患率で広がり続けるウイルスとして地域社会に残るだけでなく、今後何年も発症者や死者の多大な犠牲を招く可能性が大きいとの見方に変化しつつあります。

従ってワクチン接種が始まっても今後も、特に高リスクの人々は、習慣としてのマスク着用や、感染急増時の混雑回避などの対策が今後も必要となりそうです。

このことは米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長もワクチン接種後であっても、変異株が出てきているのならば「自分はこれからもマスクを着用したい」といみじくも語っています。

要するに小さな変異株が出現するだけで、これが次の流行急増を誘発し、いつ生活が正常化するかの見通しをがらりと変えてしまうということになりかねないということです。

新しく出現した新型コロナウイルスに関しては、人の免疫システムがどのように戦うのかが解明されていないことから今後も色々な問題か発生しても不思議ではありません。

しかし、予防接種により多くの国で、感染率の低下、優先接種された人々の重症化や入院が劇的に低下した例も報告されています。

2021年6月13日日曜日

新型コロナウイルスについて-29.イベルメクチンは新型コロナウルス感染治療に有効なのか?-

 新型コロナの変異株の蔓延で感染爆発が起きていたインドで、2021年5月を過ぎてから、その状況に変化が生じています。

インドの各州が抗寄生虫病の特効薬「イベルメクチン」の本格投与に踏み切ってから、感染者数・死亡者数ともに減少し続けています。

イベルメクチンは、大村智・北里大特別栄誉教授が発見、開発し、2015年にノーベル医学生理学賞を受賞した抗寄生虫薬です。

イベルメクチンは今、新型コロナコロナウイルスのパンデミックで再び世界中の注目を集めている。

試験管レベルの研究で、新型コロナウイルスがヒトの細胞内で増殖する際に、ウイルスのたんぱく質の核内移行を妨害し、増殖を抑制することが明らかにされています。

世界的に見てもその有効性が確認されています。

WHOはイベルメクチンは効果がないと言っていますが、これは信用できません。

その理由としては、WHOは以前、マスクは要らないという方針をとっていましたが、今は一転してマスクが重要だと言っています。

WHOの考え方はその時の政治的背景で左右されている可能性が高いです。

今のWHO言うことはあまり信用できません。

イベルメクチンの新型コロナへの効果が注目される端緒になったのはアフリカでした。

アフリカは医療体制が整っている国は少ないにも関わらず国によっては感染者数が思ったほど増えていない国があります。

内容としてはイベルメクチンを配った国は感染者が少なく、配っていない国は感染者が多かったという事実があります。

例をあげますとアフリカで「投与ありの国」の感染者数は、10万人当たり131人で、「投与なしの国」が925人となり、死亡者数は、投与国が10万人当たり2.1人で、投与していない国は28・4人と、13倍以上の開きがあります。

このデータからしてもイベルメクチンの有効性を推し量ることが出来るのではないでしょうか?

日本国内においての研究においても80%に効果があるというデータが得られています。

現在イタリア・イギリス・日本・フランス・アメリカなど、先進国も治験を開始していることからして、今後先進国の結果がオープンにされれば、イベルメクチンの使用に反対する一番の理由がなくなってしまうので、情勢は変化して効く使い方が明らかになってくると考えられています。

新型コロナウイルス感染者に対する有効な薬剤がない現在、副作用がほとんどなく、有効性の高いイベルメクチンの使用を国はもっと推し進めてほしいものです。

イベルメクチンの知名度はアビガンに比べて低いことと、本来は駆虫薬なので、新型コロナウイルスに効くという認識がほとんど持たれていません。

また新型コロナの治療なのにどうして虫下しの薬を飲ませるのかと、抵抗を抱いてしまう人も多いののが現実でしょう。

※日本ではイベルメクチンは厚生労働省の「新型コロナウイルス感染症COVID-19診断の手引き」に記載されている治療薬です※

2021年6月6日日曜日

新型コロナウイルスについて-28.新型コロナウイルスの国内製造ワクチンの現状-

 国内の主なワクチンの開発現状を簡単に解説します。

1.塩野義製薬 国立感染症研究所/UMNファーマ

コロナウイルスのタンパク質を遺伝子組み換え技術で作成(遺伝子組み換えワクチン)

※第Ⅰ/Ⅱ相試験を2020年12月から開始

2.第一三共 東大医学研究所

コロナウイルスのmRNAを使用(mRNAワクチン)

※第Ⅰ/Ⅱ相試験を2021年3月から開始

3.アンジェス 大阪大学/タカラバイオ

コロナウイルスのDNAを人に投与(DNAワクチン)

※2021年3月、第Ⅱ/Ⅲ相の参加者500人全員に接種が終わり、今後数カ月の経過観察をした後、2021年内に大規模な第Ⅲ相試験に入る予定

4.KMバイオロジクス 東大医科学研究所/国立感染症研究所

不活化したコロナウイルスを使用(不活性化ワクチン)

※第Ⅰ/Ⅱ相試験を開始(2021年3月)

いずれのワクチンもまだ第Ⅲ相試験が行われていないか、完了してないことから申請にはまだ先となります。

感染予防ワクチンは、有効性が高いことも必要ですが、安全性が更に必要となります。