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2019年8月2日金曜日

性行為感染症アラカルト-9.第3期梅毒-

第3期(または晩期梅毒とも言います)は、適切な治療を行わなかった患者が感染時点から5~30年をかけて徐々に進行し臓器の破壊性病変を引き起こしたものを言います。

治療を受けていない人の約3分の1に発生し、症状は軽いものから極めて重篤なものまで様々です。

そして神経梅毒・心血管梅毒・ゴム腫梅毒に分類されます。

神経梅毒は、早期神経梅毒と後期神経梅毒に分類されます。

一昔前に比べて現代の医療の発展により第3期(または晩期)の症例は極めて稀となっています。

【感染力】

この時期は第三者に梅毒トレポネーマを感染させることはありません。

【梅毒検査】

当然TP検査は陽性となりますが、STS検査は陰性か弱陽性となります。


2019年7月24日水曜日

性行為感染症アラカルト-8.潜伏梅毒-

潜伏梅毒とは、各種梅毒血清反応が陽性で、梅毒特有の臨床的症状が認められないものを言います。

【潜伏梅毒の梅毒検査】

1.STS検査が陽性で、TP検査が陰性の場合は生物学的僞陽性反応が疑われるので、再度日にちを開けて採血し検査をする必要があります。

2.STS検査とTP検査の両方が陽性の場合潜伏梅毒と考えれます。

3.TP検査のみ陽性の場合は、陳旧梅毒の可能性がありますが、再度確認検査をする必要があります。

【潜伏梅毒の頻度とその種類】

梅毒トレポネーマ感染後1年以内の潜伏梅毒はおよそ25%の患者で見られ、第2期梅毒の再発を起こすことから、"早期潜伏梅毒"と言います。

それ以降の梅毒を"後期潜伏梅毒"と言います。

これは第1期及び第2期梅毒の時点で適切な治療を行わなかった場合、3分の2以上の患者が潜伏梅毒に移行します。

潜伏梅毒に移行した患者の25%前後が4年以内(多くは1年以内)に第2期梅毒の症状が再燃します。

そして潜伏梅毒になった患者のおよそ3分の1が晩期梅毒に移行してしまいます。

梅毒トレポネーマの感染力は時間経過と共に衰え、感染成立後4年以降は性行為による感染はないといわれています。

しかし後期潜伏梅毒の時期では、母胎から胎児に感染し先天梅毒を発症する可能性はあることからして注意が必要となります。

【潜伏梅毒は治療しないでよいのか】

潜伏梅毒の患者は梅毒治療を行わなくても、70%は晩期梅毒には移行しないことが知られていますが、自然治癒は疑問視されています。

残りの30%の患者は晩期梅毒に移行します。

※現代医療では多くの人が梅毒以外の感染症で抗生物質の投与を受ける機会が多く、梅毒トレポネーマに感染しているにもかかわらず気づかずに他の疾患で抗生物質の投与を受け、その結果として潜伏梅毒の段階で治癒している可能性があります※

※このことから先進国で晩期梅毒がまれであることが説明出来ます※

2019年7月16日火曜日

性行為感染症アラカルト-7.第2期梅毒-

第2期梅毒の症状としては、第1期梅毒の症状が出た後の4~10週後に発熱や皮疹が出現します。

皮疹は第2期梅毒患者の70%に認められ、梅毒患者全体の90%以上に認められる代表的なものです。

皮疹は3~10mm程度の斑丘疹状紅斑を呈し、色はピンク・褐色・赤色で全身に発生し、一般的には痒みも痛みもありません。

この発疹はしばしば手のひらや足の裏に現れ、発疹はすぐ消えることもあれば、何ケ月も続くこともあります。

治療をしなくても、発疹はやがて消えますが、数週間、または数カ月経ってから再発することがあります。

頭皮に発疹ができると、髪の毛が斑状に抜け落ちていわゆる虫食い状態になります。

その他粘膜疹や扁平コンジロームも出来てきます。

扁平コンジロームは、外陰部や肛門などの粘膜や皮膚が接触する部分に好発し、ダイズ大の扁平隆起性の腫瘤で表面から浸出液が出ることが多く、この浸出液に多量の梅毒トレポネーマが含まれていることからこれに接触することにより簡単に感染してしまいます。

口の中には両側の軟口蓋に沿って広がる乳白色の粘膜斑が出来ます。

この粘膜斑はちょうど蝶が羽を広げているのに似ていることからも"バタフライ・アピアランス(butterfly appearance)"と呼ばれます。

またこの時期には全身のリンパ節が腫れますが、特に上腕骨の滑車上リンパ節の腫れは梅毒の特徴的な腫れです。

その他の症状としては、微熱・倦怠感・咽頭炎・食欲不振・体重減少・筋肉痛・関節痛などがあります。

この時期の血液検査では、感染者の半数以上に肝機能障害が現れ、アルカリホスファターゼが高値になりますが、血清ビリルビン値は上昇しないという特徴的な検査所見を呈します。

また、一部の患者には胃に浸潤性または潰瘍性病変を引き起こすことから、しばしば悪性リンパ腫と間違われることがあります。

肛門性交を行う人は直腸にも病変が見られます。

結膜炎・角膜炎・虹彩毛様体炎・網膜炎・視神経炎を発症することがありますが、これを放置すれば失明する危険性があります。

【検査】

この時期にはSTS検査やTPHA及びFAT-absなどのTP検査も陽性となります。

2019年7月9日火曜日

NAT検査とリアルタイムPCRの違いとは

よくNAT検査とリアルタイムPCRの違いを質問されますから、今回はこの違いについて解説致します。

1.NAT検査とは

NAT(Nucleic acid Amplification Test )とは、日本赤十字社が輸血用血液製剤の安全性確保の一環として実施している各種病原体の検査のひとつで、HBV、HCV、HIV-1/-2を同時に検査できる核酸増幅検査のことです。

検査は血液中のウイルス遺伝子を構成する核酸(DNAまたはRNA)の一部を約1億倍に増幅して検出する極めて感度と特異性の高い検査方法です。

検出感度は以下のとおりです。

・HBV 平均検出感度  3.2IU/mL
・HCV 平均検出感度 12.4IU/mL
・HIV-1 Group M 平均検出感度 41.8IU/mL
・HIV-1 Group O 平均検出感度 93.7 copies/mL
・HIV-2 平均検出感度 2.0 copies/mL

※血液センター専用の輸血用血液専用の検査ですから、HIV感染の判断検査と医療機関で受けることは出来ません※

2.リアルタイムPCR検査

以下の二種類があります。

1)コバス  taqMan HIV-1「オート」

【販売メーカ】

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社

 健康保険の名称は『HIV-1核酸増幅定量精密検査』です。

【検査成績の記録】

検出範囲は、40~1.0×10の七乗コピー/mLです。

以下の三種類に分けて記載されます。

1.測定上限を超えた場合・・・検査結果は【>1.0×1.0×10の七乗コピー/mL  検出  陽性】

2.測定範囲内・・・検査結果は【○○×1.0×10の○乗コピー/mL  検出  陽性】

3.測定限界未満でウイルスが存在する時・・・検査結果は【<○○×1.0×10の○乗コピー/mL  検出 陽性】

4.測定限界未満でウイルスが存在しない時・・・検査結果は【<○○×1.0×10の○乗コピー/mL  検出せず  陰性】

2) アキュジーン m-HIV-1

【販売メーカ】

アボット社が販売しています。

健康保険の名称は『HIV-1核酸増幅定量精密検査』です。

【最小検出感度】

検体量0.6ml→40コピー/ml

検体量0.5ml→75コピー/ml

検体量0.2ml→150コピー/ml

両方の検査とも自動機器を使用して全自動で検査を行います。

感度、特異性、検出可能なHIV-1はTaqMan HIV-1「オート」とアキュジーン m-HIV-1は同じ。

日本での普及率は、日本国内では、TaqMan HIV-1「オート」が先行販売されたことから、後発販売となったアキュジーン m-HIV-1の普及率は低いのが現状です。

※TaqMan HIV-1「オート」とアキュジーン m-HIV-1は、共にHIV-2は検出できません※

2019年7月2日火曜日

性行為感染症アラカルト-6.第1期梅毒-

性行為感染症は減少傾向にあるのにもかかわらず、梅毒だけは2015年から急激に増加しています。

2019年6月16日現在2959人の患者が報告されています。

この数字は医療機関から保健所に届けられただけの数字ですから、実際この数倍の患者が存在していると推計されています。

何故梅毒が増加しているかについては、種々取り沙汰されていますが、その原因は未だはっきりしていません。

【梅毒とは】

梅毒トレポネーマによって引き起こされる性行為感染症です。

コンドームでの感染予防は完全ではありませんが、当然使用して感染予防をする必要があります。

性行為だけでなく、キスを含めたオーラルセックスでも簡単に感染してしまいます。

【第1期梅毒の症状】

梅毒トレポネーマに感染するとおよそ3週間後に、感染した部位に初期硬結・硬性下疳が出来るが、一般的に痛みなどはなく無症候状態で経過します。

陰部に病変があるときには、鼠径リンパ節が左右対称に腫れますが痛みはありません、これを"無痛性横痃(むつうせいおうげん)"と言います。

※"無痛性横痃(むつうせいおうげん)"は、一般的には"よこね"と言われています※

これらの症状は治療をしなくても自然に消滅しますが、体内には梅毒トレポネーマが存在し、第三者に感染させてしまいます。

この時期が特に感染力が強いことから、梅毒の流行阻止には第1期梅毒の症状が現れた時に治療を開始することが重要とされています。

最近の梅毒は、昔の梅毒に比べて典型的な第1期梅毒の症状を起こさないものが多く報告されています。

【第1期梅毒の検査方法】

この時期は、血液中に産生されたカルジオリピン抗体もTP抗体の量も少なく、STS検査もTP検査も陰性となるリスクが極めて高く検査の信頼性は低いです。

1.パーカーインキ法

硬性下疳の潰瘍の表面をこすって刺激したあとに出てくる分泌液には多量の梅毒トレポネーマが含まれていることから、分泌液をパーカーインクで染めて、光学顕微鏡で分泌液中の梅毒トレポネーマを検査する方法が一番手っ取り早い検査法ですが、最近ではこの方法で検査をする医師が少なくなってきています。

2.暗視野顕微鏡検査

また、暗視野顕微鏡で分泌液中の梅毒トレポネーマを調べる検査法もあります。

※パーカーインク法や暗視野顕微鏡検査は、医師や検査技師の技術や病変部位の梅毒トレポネーマの数に依存していることにくわえ、非病原性トレポネーマとの鑑別が難しく精度が低い検査法です※

3.IgM-FTA-abs検査

この時期信頼性の高い検査法は、IgM-FTA-absです。

梅毒トレポネーマに感染した初期には、IgM抗体が先に出来て、その後IgG抗体が出来ます。

このIgM抗体は、梅毒に感染後1週間程度で身体中にできることから、IgM-FTA-abs検査は梅毒に感染後1週間で受ければ 信頼出来る結果が得られます。

従って梅毒トレポネーマに感染後1ケ月を経過して、IgM-FTA-abs検査を受けると血液中のIgM抗体が減少していることから 偽陰性反応を起こすことがあります。

このIgM抗体は、梅毒に感染後1週間程度で身体中にできることから、IgM-FTA-abs検査は梅毒に感染後1週間で受ければ 信頼出来る結果が得られます。

そのことからして、早く感染の診断を下したい時に利用される検査法です。

よくIgM-FTA-absを受けるところがわからない、医師に検査を受けたいと言って医師がIgM-FTA-absの事を知らない、 この医療機関では検査をしていないなどと言われて受けることが出来ないという相談を受けますが、IgM-FTA-absは全国どこでも検査は受けられます。

自施設で検査をしていなくても全国どこでも検査専門の会社に検査を依頼して受けることは出来ます。

梅毒は皮膚科が専門診療科となりますから、皮膚科を受診することです。

皮膚科専門医は、IgM-FTA-absのことを正しく理解していますから問題なく受けることが出来ます。

2019年6月25日火曜日

性行為感染症アラカルト-5.咽頭淋菌感染症-

近年の性の多様化によるオーラルセックスの増加により淋菌が咽頭から検出される症例が増加しており、男女問わず性器淋菌感染者の約30%の咽頭から淋菌が検出されています。

咽頭に淋菌が感染していても炎症症状が自覚されない場合が多く、感染に気付くことが少ないのが現実です。

オーラルセックスで咽頭に淋菌が感染すれば咽頭炎などを起こし風邪などの症状がでることがありますが、ほとんどの場合自覚症状がありません。

咽頭の淋菌感染は治療後の性器感染の再発の原因となるので、感染機会がなく再発した場合には咽頭感染も疑うべきです。

オーラルセックスの増加により、淋菌が咽頭から検出される例が増加し、男性、女性ともに性器の淋菌感染症例の30%程度が咽頭淋菌陽性です。

性器から淋菌が検出された男性の12~29%に咽頭から淋菌が検出率されています。

また、性器から淋菌が検出された女性の33~70%に咽頭から淋菌検出率されています。

【咽頭淋菌感染症の現状】

性風俗産業で働いている人の咽頭からは淋菌が多く検出されています

しかしほとんどの症例において何の症状もなく、また咽頭が赤く腫れる・扁桃が腫れるなどといった症状も殆ど見られず、医師が診察しても見落とすし事例が多く発生しています
性風俗産業で働いている人は、性器への淋菌感染よりも咽頭への淋菌感染が多いという調査結果があります。

これらのことから風俗店でのキスを含めたオーラルセックスでの咽頭感染が多いと考えられています。

【淋菌の特殊な感染ルート】

性器に淋菌感染があった場合、排尿などで性器に触れた後十分に手洗いをしないで、眼をこすることで眼に感染することがあります。

淋菌がついた手指で眼をこすったりすると、そこから鼻涙管や下鼻道を通り、咽頭感染してしまうこともあります。

【咽頭淋菌の検査の盲点と誤り】

咽頭淋菌の検査にPCR法を受けてはいけないことは絶えず申し上げています。

何故なら遺伝子増幅法であるPCR法はナイセリア属と交差反応を示すため、咽頭に常在している非病原性のナイセリア属の細菌を淋菌と間違えて検出してしまい、淋菌に感染していなくても陽性となってしまうのです。

いわゆる"偽陽性反応(ニセの反応)"が起こるわけです、そのために淋菌の性器感染検査に使用される遺伝子増幅法であるPCR法は咽頭感染の検査には適していません。

よく咽頭に淋菌感染が認められて治療を幾らしても検査が陰性とならないということを聞きますが、これは検査に遺伝子増幅法であるPCR法をしたために淋菌でない非病原性のナイセリア属を検出していることからいくら抗生物質で治療してもPCR検査が陽性となっている結果です。

医師の中には咽頭淋菌の検査に遺伝子増幅法であるPCR法を使用できないことを知らない医師もいることは事実です。

咽頭淋菌検査が陽性となり、幾ら抗生物質を服用しても治癒しない症例を詳細に調べた結果、咽頭淋菌の検査をPCRで受けた人が殆どという調査結果があります。

PCR検査は性器淋菌感染には有用な検査法です。

※咽頭淋菌検査をPCRでしてしいけないことを理解していない医師が多いことも事実です※

※咽頭淋菌検査をPCR検査を受けてはいけません※

咽頭淋菌の検査

咽頭淋菌感染の検査は、ナイセリア属と交差反応をしめさないSDA法(Strand Displacement Amplification)または、TMA法(Transcription Mediated Amplificatio)による検査を行います。

咽頭に淋菌が感染しているかどうか、SDA法やTMA法検査を受けhttp://voxsangman.blogspot.jp/2012/06/10sda.html
http://voxsangman.blogspot.jp/2012/06/11tma.htmlないと分かりません。






2019年6月18日火曜日

性行為感染症アラカルト-4.淋菌感染症-

淋菌感染症は、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)の感染によって引き起こされる性行為感染症です。

淋菌は弱い菌で、患者の粘膜から離れると数時間で感染性を失い、日光、乾燥や温度の変化、消毒剤で簡単に死滅することから性交やオーラルセックス以外で感染することは極めて稀です。

【感染経路】

殆どがコンドームなしの性行為やオーラルセックスで感染します。

【感染場所】

男性の場合は尿道、女性の場合は膣。

最近の性の多様化から男女とも咽頭や肛門への感染も多く報告されています。

【潜伏期間】

2~9日の潜伏期を経て特に男性には症状が現れやすいですが、女性の場合は症状がない場合が多く認められます。

【淋菌の感染確率】

1回の性行為による感染伝播率は約30%と言われています。

【症状】

男性の多くの場合膿性の分泌物が尿道から排泄され、排尿時に疼痛を生ずる。

しかし最近では、男性の場合でも昔からの淋菌感染症特有の症状が現れることは少なくなり、尿道からの膿性の分泌物が出ることなく粘液性の分泌物であったり、排尿時の疼痛もなく無症状に経過することが多く報告されています。

女性では男性より症状が軽くて自覚されないまま経過することが多く、上行性に炎症が波及していくことがあり、骨盤炎症性疾患、卵管不妊症、子宮外妊娠、慢性骨盤痛を引き起こします。

その他、男女ともに咽頭や直腸の感染では症状が自覚されないことが多く、これらの部位も感染源となっています。

【検査】

市販キットとしては酵素免疫法(EIA法)・液相ハイブリダイゼーション法・PCR法・LCR 法があり、特にPCR法やLCR法は検出感度が非常に高く、分泌物と尿が検査の保険適用で検査を受けることができます。

酵素免疫法と液相ハイブリダイゼーション法は分泌物のみ保険適用となっている。

淋菌は死滅しやすい細菌で培養には特に注意が必要となります。

淋菌感染症では血清診断法は、信頼性が乏しく検査としての有用性は低い。

【治療】

スペクチノマイシン(筋注)、セフィキシム(経口)、オフロキサシン(経口)、ビブラマイシン(経口)などが一般的に使用されている。

セフトリアキソン(静注)も有効な抗生剤ですが、我が国では現在保険適用とはなっていない。

※特に淋菌性尿道炎に対する治療においては、抗生物質を内服するより注射薬の十分量を1回のみ投与し淋菌を確実に除菌する単回投与療法が推奨されています※

症状が全くなくなっても副作用が出ない限り抗生物質は医師に処方された分をきちんと服用しきることが大切で、途中で自己判断で服薬を中止すると再び淋菌が勢いを盛り返し完治しない可能性があります。

近年、ニューキノロン系薬に対して抵抗性を示す淋菌が増加してきています。

【日本人の感染実態】

男性の場合20歳代前半の年齢層に多く、10歳代後半の罹患率は20歳代後半より高い傾向が見られます。

女性においては男性に比べより若い世代に感染者が分布していて、男性と同様にその罹患率は年々上昇傾向にあります。

※女性の数が男性より極端に少ない理由としては、女性は自覚症状に乏しく受診の機会が少ないことも要因の一つと考えられています※

【感染予防】

コンドームを正しく使用することで感染予防が可能と言われています。

感染部位がコンドームに覆われない部位にあった場合にはその感染部位から感染してしまう可能性があることから、いくらコンドームを正しく使用しても感染予防はできません。

淋菌に一度感染しても免疫は得られず何度でも再感染します。

【HIV感染との関連性】

淋菌に感染して性器粘膜や尿道の粘膜がただれていることから、HIVの感染リスクが極めて高くなることが報告されています。