日本では現在、例年よりも早い時期にインフルエンザの大きな流行が起きており、その主因としてサブクレードKが特定されています。
1. 流行の規模とスピード
🚨 異例の早期流行
今シーズン(2025-2026)のインフルエンザ流行は、過去20年で2番目に早い流行入りとなり、例年より約1ヶ月以上早く患者数が増加し、11月末の時点で全国的に警報レベルに達している都道府県が多数あります。
早いところでは9月から学級閉鎖が発生するなど、異例のスピードで感染が拡大しました。
📊 検出株のほとんどが「サブクレードK」
日本国内の医療機関や空港検疫で採取・解析されたデータから、インフルエンザ流行の中心的役割をサブクレードKが担っていることが明確に示されています。
国内のH3N2検出株: 9月以降、11月上旬までに国内で採取・解析されたインフルエンザA型(H3N2)ウイルス株のうち、**約96%**がサブクレードKであったことが報告されています(厚生労働省や東京大学医科学研究所などの解析)。
流行の中心: このデータから、現在日本で発生しているインフルエンザA型(H3N2)の症例の大半が、この変異株によるものであると判断されています。
2. サブクレードKの日本での特徴
✈️ 感染拡大の要因
海外からの持ち込み: 南半球(オーストラリアなど)で記録的な流行を起こしたサブクレードKが、海外からの観光客の増加や、国内外の人の移動の活発化(特に2025年は大阪・関西万博の開催なども影響)により、日本に持ち込まれ、急速に広がったと考えられています。
若年層での拡大: 特に若い世代でサブクレードKの割合が高いことが報告されており、学校や職場を通じて集団感染が起こり、流行を加速させている可能性があります。
🛡️ ワクチンと治療薬への影響
ワクチンとの「ズレ」: サブクレードKは、今年のワクチン株が選定された後に広がった変異株であるため、現行のワクチン株とは抗原性(ウイルスの見た目)にズレがあることが報告されています。
しかし、重症化を予防する一定程度の効果は保たれていると見なされており、接種が強く推奨されています。
治療薬の有効性: 厚生労働省は、サブクレードKに対しても**「通常の抗インフルエンザウイルス薬(タミフル、イナビルなど)が有効であると想定されている」**と発表しています。
主要な抗インフルエンザ薬に対する耐性が広い範囲で問題になっているという報告は現在のところありません。
3. 今後の対策(日本)
サブクレードKの流行下であっても、取るべき対策は従来のインフルエンザ対策と変わりません。
早期のワクチン接種: まだ接種していない方は、重症化予防のために速やかに接種を検討してください。
基本的な感染対策: こまめな手洗い、うがい、換気、そして人混みでのマスクの着用を徹底しましょう。
早期受診: 症状が出た場合は無理せず休み、発症から48時間以内の抗インフルエンザ薬の投与が効果的であるため、早めに医療機関を受診してください。
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