血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2015年12月23日水曜日

脂質検査-1.中性脂肪-

中性脂肪とは、人間の体を動かすエネルギー源となる物質で、別名トリグリセライド(TG:triglyceride)と呼ばれています。

体の中に存在する脂肪を総称して「体脂肪」と呼びますがが、体脂肪のほとんどは中性脂肪です。

中性脂肪は活動のエネルギー源として脂肪細胞の中に蓄えられますが、たまり過ぎるといわゆる肥満やメタボリックシンドロームの状態になり、生活習慣病にかかる可能性が高くなります。

中性脂肪とコレステロールはどちらも脂質の一種ですが、中性脂肪はエネルギー源で、余分な中性脂肪は、肝臓などに蓄えられます。

コレステロールは、細胞膜を作ることや筋肉を作るホルモンの原材料となります。

【検査目的】

狭心症、心筋梗塞、脳卒中などの動脈硬化性疾患を予防するために調べます。

中性脂肪の値が高い場合には動脈硬化の危険度が高く、低い場合には栄養障害やそれを引き起こす病気が考えられます。

【基準値】

30 ~149mg/dl

※検査をする機器や施設によって異なる場合があります※

【異常値】

29以下:低中性脂肪血症

150~299:軽度高中性脂肪血症

300~749:中等度高中性脂肪血症

750以上:高度高中性脂肪血症

【高くなる原因】

過食

過度の飲酒アルコール

遺伝的体質

【検査を受ける際の注意点】

食後30分程度してから上昇し始め、4~6時間後に最も高くなることから、検査は早朝空腹時に行ないます。

【おまけ】

巷では中性脂肪が高いとよくない!と言われますが、人が生きていく上で必要なエネルギー源であることからある程度の数値は必要になります。

血液中の中性脂肪が増えすぎると、動脈硬化の危険が高まりますが、日本人の場合は、心筋梗塞の人のコレステロール値はそれほど高くなく、中性脂肪が高値を示す例が多いといわれています。

0 件のコメント:

コメントを投稿