ファイザー社製とモデルナ製新型コロナワクチンの両者もメッセンジャーRNAタイプのワクチンで同じ種類に属しますが、モデルナワクチンにはある特有の副反応”モデルナアーム”が出現することで話題になっています。
モデルナアームは、一時的なアレルギー反応の一種で、痒みやヒリヒリした痛みを感じますが、1週間ほどで自然に消えるので心配はありません。
モデルナアームは、接種後7日前後に起こります、海外では"COVID-arm(コビッドアーム)"とも呼ばれていますが、アメリカでモデルナワクチンの接種が始まった2021年1月にはすでに多数報告されています。
出現頻度は3~4%で、25~30人の接種につき1人ほど起こる計算となります。
起きるのはほとんどが女性(80%以上)で、若い年齢(中央値38歳)に明らかに多いことが分かっています。
人種による発症頻度の違いは未だはっきりしていませんが日本でも欧米と同程度の報告が確認されています。
接種した腕のみに出現し逆側の腕には見られず、おおよそ1週間程度で自然消退します。
またファイザー社製ワクチンでは1例も報告がなく、モデルナ社製ワクチンに特有の現象のようです。
モデルナアームは、遅延型アレルギー(IgG由来のアレルギー反応)の一種ではないかと考えられています。
現時点では、重症の即時型アレルギーであるアナフィラキシーとは関連がないとされていますので、仮に1回目の接種でモデルナアームが起きた人でも、2回目は予定通りのスケジュールで接種して問題ありません。
2回目の接種時も同様の症状が出ることが多く、皮膚症状の出現は1回目より少し早まることが多いですが、皮膚症状が重くなるということはないようです。
対処法としては、冷やしてかゆみを抑える、もし、痛みが酷く我慢できない時は、アセトアミノフェンやロキソニン、イブプロフェン等の非ステロイド性抗炎症薬の内服で軽くなることもあります。
ステロイドなどの抗炎症薬の塗り薬を使用する、などの対応をして自然に治まるのを待ちます。
症状が特に酷い、または数日経過しても症状が治まらない時は、皮膚科医に相談することをお勧めします。
またワクチン接種の2回目は逆の腕に接種することが一般的ですが、同じ腕に接種してはいけないということはありません。
2回目のワクチン接種時の問診時に、腕にどのような症状が出たかを医師に伝えて下さい、その意志の判断で1回目接種した反対側の腕に接種するように言われた場合はその指示に従って下さい。
【モデルナアーム】