血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2020年8月30日日曜日

新型コロナウイルスの検査につてい-2.抗原検査とは-

【何を調べる】

新型コロナウイルスの持つ特有のタンパク質を調べる検査で、ウイルスそのものを調べる検査ではありません。

【調べる目的】

現在新型コロナウイルスに感染しているか否かを調べる。

【検査に要する時間】

迅速検査で15分程度

【検査キット】

エスプラインSARS-CoV-2

【検査検体】

唾液で検査。

【受ける適切な時期】

新型コロナウイルス感染症 を疑う症状発症後 2 日目以降から9日目以内の者(発症日を 1 日目とする)。

※本キットで陰性となった場合は追加の PCR 検査等を必須とはしない※

※この時期に受けて陰性であれば新型コロナウイルス感染症ではないと言い切ることが出来ると言われています※

【感度・特異度】

感度は67%、特異度は100%

※PCR検査との比較検討結果※

【注意点】

検出に一定以上のウイルス量が必要であることから、現時点では、無症状者に対する使用、無症状者に対するスクリーニング検査目的の使用には適していない。



2020年8月23日日曜日

新型コロナウイルスの検査につてい-1.PCR検査-・抗原検査・抗体検査とは

新型コロナウイルスの検査法を正しく理解していただけるように解説していきます。

初回はPCR検査についてです。

【PCR検査とは】

PCR検査の正式名称は、Polymerase Chain Reaction; 核酸増幅法 といい、増やしたい対象のDNA断片を検査装置の中で選択的に増幅させ、ウイルスに感染しているかを調べる検査です。

【何を調べる】

新型コロナウイルスの遺伝子を調べる検査で、ウイルスそのものを調べる検査ではありません。


【調べる目的】

現在新型コロナウイルスに感染しているか否かを調べる。

【検査に要する時間】

4~6時間、最近では1時間で検査できる方法も開発されています。

【検査検体】

鼻の奥の粘膜を擦過して採取して検査するのと唾液からも検査可能。

※発症から9日以内であれば唾液からの検査も可能※
※唾液中の新型コロナウイルスは発症から10日を過ぎると減っていくからです※
※発症から数日間は、新型コロナウイルスは「のど」よりも唾液中の方に多く存在するというデータが確認されています※

【受ける適切な時期】

感染してから7~10日

【感度・特異度】

感度は70~90%、特異度は70~90%

【欠点】

PCR検査は難しく検査過程に々な試薬を混ぜる過程があり、かなりこの検査に熟練した臨床検査技師が行わないと、偽陽性反応の出現率が高くなることと、偽陰性も出現します。
結果が出るまでの時間が数時間と長い。

検査機器が高価。

【注意点】

今回のコロナウイルス感染症については、実際に感染していることの把握が難しいことから、実際の感染者に対してPCR検査がどれほど正しく診断できているかについての正確性の計算がまだできていません。