血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2020年5月17日日曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について-19.抗体検査が陽性となっても第三者に感染させないという保証はない!!-

世界的に新型コロナウイルス抗体検査を実施する傾向にありますが、抗体検査が陽性となっても人に感染させないという保証はありません。

その理由としては、見つける抗体の種類によって異なります。

1.見つける抗体が感染予防抗体すなわち中和抗体であれば、この抗体を持つ人は既に体内の新型コロナウウイルスを駆逐していることから人へ感染させることはなく、当人も治癒していると考えられます。

しかし持つ中和抗体の量が少ない場合は、感染防御は出来ず再感染したり、他人に感染させてしまうこともあります。

中和抗体の量が問題となります。

2.見つける抗体が感染予防抗体すなわち感染を示す抗体であれば、体内にウイルスが存在していて、自分も感染していて他人へ感染させる状態です。

これはHIV抗体と同じことです。

現にWHOも新型コロナウイルスに感染して回復した人など抗体を持つ人が2度目の感染を阻止できるという根拠は、現時点(220年4月26日)ではないという見解を示しています。

要するに見つける抗体が、感染予防に役立つ中和抗体か、感染を示す感染抗体かが重要なのです。

一部の国で抗体が確認された人々への「免疫証明書」の発行を検討していますが、完全な安全性の証明にはならず、感染拡大のリスクを高めるおそれがあるとWHOは警告しています。

2020年5月10日日曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について-18.新型コロナウイルスの生命力-

2020年4月23日米国土安全保障省の高官は、新型コロナウイルスは日光が当たる場所や高温・高湿度の環境下では、より短い時間で威力が弱まる傾向が示されたと発表しました。

政府の研究者らは、新型コロナウイルスが最も生存しやすいのは屋内の空気が乾燥した環境下で、気温と湿度が上がれば威力を失い、特に日光に弱いとの研究結果を報告されました。

インフルエンザなど他の呼吸器系疾患と同様に、新型コロナウイルスの感染力が夏季に弱まるとの期待を強める内容となっていますが、現実はシンガポールなどの温暖な場所でも強い感染力を発揮していることから一概には信用はできません。

暗くて湿度が低い環境では、新型コロナウイルスはステンレス鋼など通気性のない素材の上で、18時間かけて威力を半減させるが、高湿度の環境ではこの時間が6時間に減り、高湿度の環境で日光に当てれば、2分に短縮されるという結果が得られています。

空気中の新型コロナウイルスは、暗い室内で1時間かけて威力が半減したのに対し、日光に当てた場合は90秒に短縮されたことも明らかにしています。

この発表が信頼できるか否かは、今後の追試が必要となります。

新型コロナウイルスの感染予防は、やはり3密を避けて、うがい・丁寧な手洗い・マスク使用が大切なことは言うまでもありません。