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2011年11月14日月曜日

血液検査-1.肝臓機能検査-⑤アルカリホスファターゼ-

⑤アルカリホスファターゼ


アルカリホスファターゼ(ALP)は、アルカリ性の条件下でリン酸エステル化合物を加水分解する酵素です。

会社の健康診断に取り人入れられている肝機能検査のひとつです。

アルカリホスファターゼは、肝臓、腎臓、骨芽細胞、胎盤、小腸をはじめ、広く全身に存在していますが、その大部分は細胞膜上に局在していてその一部が血液中に放出されて、わずかに存在しています。

血液中に存在するアルカリホスファターゼのほとんどは肝臓型または骨型のアルカリホスファターゼです。

血液中のアルカリホスファターゼが上昇する場合には、これらの臓器の壊死や破壊に伴う修復活動として細胞再生が行われており、これに伴ってアルカリホスファターゼの合成亢進が行われ、血液中への放出が進んだものと考えられます。

肝臓やその他の臓器に損傷があった場合、いずれの場合もアルカリホスファターゼの値が上昇しますが、この検査は主として肝機能の指標の一つとして扱われることが多いです。
また、胆道の病気やがんの骨転移などで、この酵素の値が高くなります。

基準値

80~260 IU/L


Ⅰ.80以下の低値

遺伝性低アルカリホスファターゼ血症の可能性がありますが、遺伝性低アルカリホスファターゼ血症以外はまったく問題ありません。

Ⅱ.260~600

閉塞性黄疸(胆管がん、肝門部胆管がん、膵頭部がん、総胆管結石、ファーター乳頭がん)、転移性肝がんなど、肝内胆汁うっ滞、胆道感染、骨疾患(転移性骨腫瘍、骨折、骨軟化症など)、薬物性肝障害、アルコール性肝障害、脂肪肝、うっ血肝、急性肝炎、慢性肝炎、肝硬変、肝細胞がんなどが疑われます。

また生理的上昇として(成長期、妊娠、血液型B型・O型の分泌型など)も数値が上昇することがあります。

Ⅲ.600以上

顔が黄色くなるような明らかな黄疸がみられ、閉塞性黄疸(胆管がん、肝門部胆管がん、膵頭部がん、総胆管結石、ファーター乳頭がん)、肝占拠性病変(転移性肝がんなど)、肝内胆汁うっ滞、骨疾患(転移性骨腫瘍)等が疑われます。

また、肝膿瘍、悪性リンパ腫、白血病の浸潤、サルコイドーシス、粟粒結核、アミロイドーシス、甲状腺機能亢進症の可能性もあります。

※アルカリホスファターゼの検査は、がんの骨転移の検査に便利な検査で、がんが骨に転移した場合などには、アルカリホスファターの値が高度に上昇することが多く、がんの骨転移があるかどうかを調べるのに利用されます。

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