血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2017年4月12日水曜日

SH外来について

最近開設されたSH外来について紹介いたします。

当ブログを読まれる前に以下の注意をよくお読み下さい!!

【ご注意】

利用される場合は、以下をよく読まれて不明な点があれば直接該当施設にお問い合わせ下さい。

今回はSH外来とはどのような診療科であるかを血液の鉄人の知る限りで紹介しているだけですから、誤った箇所もある可能性も否定できません。

該当施設の説明と、当サイトの説明で食い違いがあれば、申し訳ありませんが該当施設の説が正しいとご理解頂きご容赦下さい。

受診される場合は必ず事前に該当施設にお問い合わせ下さい。

【SH外来とは】

SH外来とは"セクシャル・ヘルス外来"のことです。

【何処にオープンされたのか】

2017年1月より国立国際医療研究センター内にSH外来がオープンしました。

【ここでは何をするのか】

ゲイ・バイセクシュアル男性を対象に性感染症の検査と治療を行う専門外来です。

【外来の目的】

最もHIV感染の可能性が高いと考えられている肛門の性感染症とHIV感染の関連を明らかにするために、定期的に(概ね3ヶ月毎)HIV、梅毒、肛門の淋菌とクラミジア感染症の検査を受け目事のできる人が受診できます。

特に肛門の性感染症検査は、現在保険適応外ですから一般的には受けられませんが、この外来では研究という名目で無料で受けることが出来ます。

【受診できる条件】

1.日本語が理解できる国内在住者の16歳以上(対象年齢の上限はなし)の肛門性交を行っているゲイ・バイセクシュアル男性でHIV陰性の方または感染しているかどうか不明の方が対象となりますが、定期的に通院して研究参加に同意した人が対象となります。

※16歳以上の人は、親の同意無しでも本人の同意だけで受診できます※

2.検査項目は、HIV感染症、梅毒、肛門のクラミジア、肛門の淋菌感染症。

1)HIV第4世代抗原・抗体検査(無料)

2)梅毒検査 RPR定量と梅毒TPHA定量(無料)

3)肛門の淋菌とクラミジア同時検査 遺伝子診断法(無料)

4)上記以外の検査もオプション検査として受けることは可能ですが、これは有料となります。

【受診日】

月曜日と木曜日 8:30~15:00

【受診できる期間】

 2021年3月まで

※永続的にはに設置されませんので受診終了年月には注意して下さい※

【受診方法】

 初診受付にて保険証を提示後、「SH(エスエイチ)外来希望」と申し込む

【実施医療機関】

 国立研究開発法人 国立国際医療研究センターSH(Sexual Health)  外来

【問い合わせ先】

info_shc@acc.ncgm.go.jp

03-3202-7181(代)内線 4441 SH(エスエイチ)外来

【受診費用】

初診は2,820円、前回受診から概ね3ヶ月以内の受診は730円です。

SH外来は、紹介状は必要なく受診できますし、紹介状のない場合の特定医療費5400円は加算されません。

【結果を知る方法は】

後日結果を聞きに行くか、メールで受けとるか選択出来ます。

HIV検査については、希望により当日の結果説明が可能ですが、結果が出るまでに1時間30分程度かかります。

【治療が必要となった時には】

治療が必要な状態であった場合には、保険診療にて治療を受けることが可能ですし、他の診療科の受診が必要と判断される場合には、SH外来より他科へご紹介してもらえます。

またHIV陽性の場合は、当院の専門外来を紹介してもらえます。


 

2017年4月3日月曜日

結核-6.検査その4-クォンティフェロンTbゴールド(QFT)-

【クォンティフェロンTbゴールド(QuantiFERON®-TB Gold:QFT)とは】

結核菌に対する特異性が高い検査で、BCGには反応しないことが特徴です。

特異性が高いということは、偽陽性が少ないため、この検査が陽性であれば結核に感染している可能性が高いことになります。

【検査の原理】

患者の血液を結核菌特異抗原(ESAT-6とCFP-10)とともに20時間程度培養し特異抗原により刺激を受けたTリンパ球によって産生されるインターフェロン-ガンマー(IFN-γ)という生理活性物質の量を酵素免疫測定法により測定し、結核の感染を判定する方法です。

【結核菌に感染して検査が陽性となる期間】

概ね8週間と言われています。

家族内のように濃厚な接触がある場合には、4週間でも陽性となることがあります。

【感度と特異度】

感度・・・・93.7%

特異度・・・93.8%

【偽陰性の起こる要因】

・HIV感染などに感染し免疫機能に影響を受けている場合。

・糖尿病・白血病・リンパ種・悪性腫瘍などで免疫低下がある場合。

・免疫抑制剤の使用によって免疫が抑制されている場合。

【偽陽性の起こる原因】

検査様血液に5%以上の溶血がある場合。

【結果の計算方法】

1)測定値A(IU/mL)=TB抗原血漿のIFN-ガンマーA濃度(IU/mL)-陰性コントロール血漿のIFN-ガンマー濃度(IU/mL)

2)測定値M(IU/mL)=陽性コントロールのIFN-カンマー濃度(IU/mL)-陰性コントロール血漿のIFN-ガンマー濃度(IU/mL)

【判定】

・測定値Mの値不問で測定値Aの値が0.35以上・・・陽性(結核菌感染を疑う)

・測定値Mの値が0.5以上で測定値Aの値が0.1以上~0.35未満・・・判定保留

・測定値Mの値が0.5以上で測定値Aの値が0.1未満・・・陰性(結核菌感染無し)

・測定値Mの値が0.5未満で測定値Aの値が0.35未満・・・判定不可(免疫不全が考えられることからこの検査での判定は不可)

【この検査の欠点】

既に結核菌に感染し治癒している患者では過去の感染と最近の感染の区別が困難な場合があります。

6歳未満の乳幼児では反応性が低い場合が見られます。