血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2022年8月7日日曜日

サル痘-4.従来の症状と異なる新たな症状-

 世界保健機関の報告ではこれまでに75ケ国から16000件以上の症例が報告されてます。


一方米疾病対策センター(CDC)によると、2022年7月29日時点の感染者数は5189人と報告されています。


欧米を中心にサル痘ウイルスの感染拡大がまることなく、2022年7月末時点で米国の感染者数はスペインを抜いて世界最多となり、スペイン、ブラジル、インドでは死亡者が出ています。


ロンドンの重大感染症センター(High Consequence Infectious Diseases :HCID)で最初に確認されたサル痘患者197例のデータを解析してその特徴や症状をイギリス医師会誌ブリティッシュ・メディカル・ジャーナル(British Medical Journal:BMJ)(2022; 378: e072410)に報告しています。

 【参考資料】

『2022年のアウトブレイク中のロンドン中心部のセンターにおけるヒトサル痘の臨床的特徴と新しい症状:説明的なケースシリーズ』


その結果ほぼ全例が男性間性交渉者(MSM)であることに加え、直腸痛や陰茎浮腫、孤立性の皮膚病変、扁桃浮腫、皮膚病変が全身症状に先行する症例など、これまでサル痘ウイルス感染の典型とされていなかった新たな臨床的特徴が確認されています。


アフリカにおける従来のサル痘はワクチン未接種の幼児を中心に発生していましたが、今回の症例は全例が男性で、年齢中央値は38歳(範囲21~67歳)、1例を除きゲイやバイセクシャルなどのMSMとの解析がなされています。


更に従来の流行と異なり、直腸痛と咽頭痛、陰茎浮腫が高頻度に認めらています。


皮膚粘膜病変の発生部位は性器(56.3%)、肛門周囲(41.6%)に偏っています。


これらのことからして従来の流行と異なり他疾患と誤認されやすい臨床像が多く含まれていて、サル痘の鑑別に支障をきたしています。

2022年7月31日日曜日

新型コロナウイルス-65.ケンタウロス-

 新型コロナウイルスのケンタウロスとは、新型コロナウイルスのオミクロン株の一種"BA.2.75"のことです


 新型コロナウイルスのオミクロン株の一種"BA.2.75"がインドを中心に増えています。


"BA.2.75"は2022年6月2日世界で初めてインドで確認されています。


世界の多くの地域では日本でもほぼ置き換わったオミクロン株の"BA.5"が主流で、"BA.2.75"の感染力や感染した場合に重症化しやすいかなどは現時点でははっきり分かっていません。


"BA.2.75"は、日本国内で2022年6月まで感染の中心となっていたオミクロン株の"BA.2"系統の変異ウイルスです。


欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control:OEDC)"BA.2.75"を「注目すべき変異株=VOI」に位置づけていますが、7月15日の報告では、感染力や免疫への影響、感染した場合の重症度はまだはっきりとはしていませんが、"BA.2"や"BA.5"よりも強い可能性はある程度想定されています。


"BA.2.75"は"BA.2"と"BA.5"の両方の特徴を持っていることから、ギリシャ神話に登場する上半身は人、下半身は馬の怪物、「ケンタウロス」と呼ばれています。


ケンタウロスという呼び方は世界保健機関が正式に命名したものではなく、研究者たちの間やSNS等で使用されるうちに普及した名称です。


日本だけでなく世界的に"BA.2.75"はケンタウロスと呼ばれていますが、名付け親は不明です。


"BA.2.75"は日本国内では、2022年7月時点で東京都や大阪府、神戸市ですでに確認されています。

以下に参考サイトを紹介しておきます。

『新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の変異株BA.2.75系統について』


2022年7月24日日曜日

帯状疱疹-2.帯状疱疹ウイルスとは-

 帯状疱疹は、水ぼうそうと同じウイルスの"水痘・帯状疱疹ウイルス"が引き起こす病気です。 


水ぼうそうになると、治った後もウイルスは症状を出さない状態で体内に潜み続けていることから、水ぼうそうになったことのある人なら、ウイルスが体内に潜み続けているため、帯状疱疹になる可能性があります。


初感染後の"水痘・帯状疱疹ウイルス"は、脊髄後根神経節に潜伏感染し宿主は長期間、無症状に過ごすし、加齢・過労・ストレスによって活動して帯状疱疹を引き起こします。


"水痘・帯状疱疹ウイルス"の保有者であれば誰でも帯状疱疹になる可能性があります。


日本人の殆どは幼少期に水ぼうそうに罹患しているため、日本の成人の90%以上の人がこのウイルスを保有しています。


活性化した"水痘・帯状疱疹ウイルス"は、潜伏している神経細胞の奥から体内の神経を経由して体表に出てこようとすることからまず神経が痛み(神経の炎症)、その皮膚の炎症が発症するという順序で帯状疱疹は進行します。


1度目の発症を水ぼうそう(水痘)と呼び、2度目の発症を帯状疱疹と呼びます。


帯状疱疹は1度発症すると、"水痘・帯状疱疹ウイルス"に対する強い抗体ができますので、再発することはほとんどありませんが、中には数年後に再発することもあります。


この原因は、免疫力の低下と関係があります。


帯状疱疹は、他の人に帯状疱疹として感染ことはありません。 


帯状疱疹の患者から、水ぼうそうにかかったことのない乳幼児などに、水ぼうそうとして感染することがあります。

2022年7月17日日曜日

帯状疱疹-1.増加傾向にある-

 50歳を過ぎると発症率が上がる病気で、日本人が一生涯のうちで、大体3人に1人が経験するという非常に多くみられます。


2021年に入ってから、皮膚科では帯状疱疹にかかる人が多くなっていると指摘されています。


その原因としては、新型コロナウイルスに感染し発症で体力が落ちることや、新型コロナウイルス流行によるストレスが増えたと考えられています。


外出制限や在宅勤務で運動量が減れば体も弱り抵抗力が低下する可能性があり、帯状疱疹を発症するリスクをともなっています。


従来は加齢などで発症が増える傾向にありましたが、近年は若年層でも目立ち、コロナ禍で拍車がかかっている恐れがあります。


生活スタイルが激変することもストレスになり、生活リズムを崩して睡眠不足になったりしても、免疫力が低下することから発症します。


人によっては痛みが長期間続くこともあり、医師らは早期治療とワクチン接種の重要性を呼び掛けています。


2022年7月10日日曜日

新型コロナウイルスについて-65.新型コロナウイルス再流行のおそれ-

 新型コロナウイルスの感染が全国各地で再び増えつつあります、新規感染者数は5月中旬から減少傾向が続いていましたが、ここ1週間平均を見ると、32都府県で前週より増加傾向にあります(6月30日時点)。


その原因はオミクロン株の変異株のひとつ「BA.5」への置き換わりが進んでいることと、一時期感染者が減少したために自粛ムードが緩んだことにあります。


従って油断するといっきに感染者が増える恐れがあります。


6月20日までの1週間にBA.5の疑い例は25・1%を占め、前週の13・6%から倍増しつつあります。


今まで流行の主流だったBA.2に代わり勢力を伸ばしつつあることが増加の要因となっています。


世界保健機関は、オミクロン株の「BA.4」と「BA.5」がヨーロッパやアメリカ大陸で主流となり世界で確認された新型コロナウイルスの新規感染者数がこの2週間で30%近く増えたと発表しています。


米国疾病対策センターは、2022年7月2日現在、アメリカで新たに報告された新型コロナウイルスの感染者のうち、オミクロン株の「BA.5」の割合は53.6%、「BA.4」の割合は16.5%で合わせて70%を超えたと発表しています。


欧州疾病予防管理センター(European Centre for Disease Prevention and Control:ECDC)はBA.5が、BA.2よりも12~13%感染者が増えやすいと報告しています。


さらにこれまでに体が免疫を獲得していても、BA.5系統には働きが悪くなると指摘されています。


2022年7月7日時点で全国の感染者数は47977人となっています。


これから人流が大幅に減るなど感染者数が大きく減少する要因がなければ、1か月後の来月25日でも一日およそ1万5000人と高い水準が続くという計算結果となることが発表されています。

呉れ呉れも機を緩めずに感染対策をして下さい。

2022年7月3日日曜日

2022~23年季節性インフルエンザ大流行の危惧

 2022年これから本格的な冬シーズンに入るオーストラリアで、直近2年はほとんど流行しなかった季節性インフルエンザの患者報告数が増えています。


すでに過去5年でもっとも多かった2017年のピーク時と並び、3月から報告が増え始め5月に入ると1週間あたり約5000人を超え、同月末には同約25000人に急増しています。


これは過去5年で最も流行した2017年8月中旬のピーク時とほぼ同じ水準となります。


流行の原因は、新型コロナウイルスへの対策が緩和されたことが影響しているとの見方もあり、専門家は、日本でも冬のインフルエンザ流行に備える必要があると、警戒をよびかけています。


日本国内においても2022年6月21、22日に東京都内の小学校で2年3ケ月ぶりとなるインフルエンザによる学年閉鎖がされています。


2022~23年にかけてのインフルエンザ流行期には、日本国内での大流行が危惧されています。


一般的にインフルエンザは、南半球で流行後北半球で同様に流行する傾向が強いことから、流行のなかった日本ではインフルエンザに対する免疫がない人が多いことから大流行の可能性が専門家の間で指摘されています。


【ご注意】


インフルエンザは冬場だけでなく、夏場の流行もあります。


数年前にも沖縄で流行がありました。


一昔前までは夏場にはインフルエンザキットは殆どなく、発熱患者にはインフルエンザ検査キットを使用できませんでしたが、現在は通年にわたりインフルエンザ検査キットは流通していますから、検査してインフルエンザと分かるようになってきています。


日本ワクチン学会は、2022年6月23日に『2022-23 シーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解』を学会ホームページで公開し今季インフルエンザワクチンの接種を強く推奨しています。


参考サイト

『2022-23 シーズンの季節性インフルエンザワクチンの接種に関する日本ワクチン学会の見解』

日本ワクチン学会

2022年6月26日日曜日

サル痘-3.間違った情報と正しい情報-

誤った情報がネット上に拡散していますので、呉れ呉れも惑わされないようにして下さい。


【誤った情報】


1.コロナワクチンの副反応


世界各国のSNSでは、最近のサル痘感染例が英アストラゼネカ製新型ウイルスワクチンの「副反応」だという誤った情報が広まっています。


その理由としては、同社製ワクチンがチンパンジーアデノウイルスを遺伝情報のベクター(運び手)として使用していることに関連していると推測されます。


サル痘を引き起こすのはアデノウイルスではなくポックスウイルスの一種であることなどから、この主張は誤りです。


サル痘の発見の経緯は、1958年研究に使われていたマカク属のサルから発見されたことからサル痘と命名されましたが、さる以外にも他の動物にも感染すます。


世界保健機関(WHO)は、サル痘の自然宿主はげっ歯類である可能性が高いと報告しています。


2.ファイザーがサル痘ワクチン製造


SNS上では、米食品医薬品局(FDA)が最近、米ファイザー製の新たなサル痘ワクチンを承認したとの投稿が広まっていますが、このような事実はありません。


米国内で唯一利用可能なサル痘ワクチンはデンマークの製薬企業ババリアン・ノルディック製で、2019年に承認されています。


ファイザー社は、同社製のサル痘ワクチンは存在しないと否定しています。


3.サル痘は帯状疱疹


SNS上では、カナダのCTVニュース(CTV News)の記事とされる画像が投稿され、カナダの当局が調査したサル痘感染例の95%が実は帯状疱疹だったとの情報が拡散されていますが、CTVニュースの親会社ベル・メディアの広報担当は画像に写っている記事はCTVニュースのものではなく、同局が「そのような記事を掲載したことはない」と否定しています。


サル痘も帯状疱疹も、水疱ができることから症状が類似する場合もありますが、原因となるウイルスはそれぞれ異なり、「全く別の感染症」です。


※呉れ呉れも誤った情報に振り回されることのないように、正しい知識を身に付けてください※


【正しい情報】


サル痘には天然痘のワクチンが有効とされています。


日本では1976年まで接種が行われていましたので、現在46歳以上の人は、そもそもサル痘にかかりにくい可能性が高いと指摘されています。


種痘中止後の世代(現在45歳以下)には天然痘やその仲間のウイルスに対する抗体がまったく認められませんが、種痘世代では調査時点で80%の人に抗体が認められています。


特に現在73歳以上の人たちは強い免疫を保持していたという調査結果があります。


これらのことからしてサル等に感染するリスクは若い世代に高いと指摘されています。

2022年6月19日日曜日

サル痘-2.流行状況-

 世界保健機関(WHO)は、2022年5月27日の総会で、動物由来のウイルス感染症「サル痘」が従来継続的に発生し、アフリカ以外で感染が広がっていることは「異例」として、警戒を発しています。


欧米を中心に36カ国以上で約2027人の患者が確認されたとし、今後の見通しは不透明としながらも、増加の恐れがあるとした(2022年6月15日時点)。


また世界保健機関は、疑い例を含めると3000人を超えると発表しています。


欧州疾病予防管理センター(ECDC)は2022年5月23日、患者の報告が相次ぐ「サル痘」について「欧州で複数の性交渉相手がいる人の間で拡散するリスクが高い」との評価を公表しています。


日本国内においては2022年6月17日時点では、患者の確認はされていません。


【参考サイト】


2022年6月12日日曜日

サル痘-1.概要-

 世界保健機関(WHO)は2022年6月8日、天然痘に似た症状が出るウイルス性疾患「サル痘」の発生状況について、世界の30ケ国で、1000件を超える患者を確認したと報告しています。


ではサル痘とはどのような感染症なのでしょうか。


サル痘(モンキーポックス:monkey pox)は、サル痘ウイルス感染による急性発疹性疾患で、ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のサル痘ウイルスによって引き起こされます。


実験動物として採集されたサルの一部が感染し発症していたことが最初の発見契機であったため、サル痘と呼ばれますが、本来のウイルス保有動物は土着のリスやネズミ(げっ歯類)などです。


もともと中央・西アフリカの熱帯雨林などで確認されていましたが、現在欧米で広がりつつあります。


サル痘には、コンゴ民主共和国には強毒な「コンゴ盆地型」サル痘ウイルスが分布していますが、西アフリカには比較的弱毒の「西アフリカ型」サル痘ウイルスが分布します。


1.コンゴ盆地型は、強毒で致死率は1~1%で、人から人への感染が多く報告されています。


2.西アフリカ型は、比較で弱毒で致死率は低く、人から人への感染も認められています、現在流行しているのはこのタイプです。


【潜伏期間と症状】

サル痘の潜伏期間は5~21日(通常7~14日)とされ、潜伏期間の後、発熱、頭痛、リンパ節腫脹、筋肉痛などが1~5日続き、その後発疹が出現します。


発疹は典型的には顔面から始まり、やがて体幹部へと広がります。


※重症例では天然痘と臨床的に区別できず、サル痘に特徴的な所見としてはリンパ節腫脹が患者に共通に認められる※


症状は発熱と発疹を主体とし、多くは2~4週間で自然に回復しますが、小児等で重症化、死亡した症例の報告もあります。


【感染ルート】

サル痘ウイルスの動物からヒトへの感染経路は、感染動物に咬まれること、あるいは感染動物の血液・体液・皮膚病変(発疹部位)との接触による感染が確認されています。


自然界ではげっ歯類が宿主と考えられていますが、自然界におけるサイクルは現時点では不明です。


ヒトからヒトへの感染は稀ですが、濃厚接触者の感染や、リネン類を介した医療従事者の感染の報告があり、患者の飛沫・体液・皮膚病変(発疹部位)を介した飛沫感染や接触感染があると考えられています。

 【治療】

治療としては対症療法が行われます。


一部の抗ウイルス薬について、実験室レベルおよび動物実験での活性が証明されており、サル痘の治療に利用できる可能性があるとされています。


天然痘のワクチンである痘そうワクチンがサル痘予防にも有効ですが、日本では1976年以降、痘そうワクチンの接種は行われていません。


サル痘ウイルス曝露後4日以内に痘そうワクチンを接種すると感染予防効果が、曝露後4~14日で接種した場合は重症化予防効果があるとされています。


【丘疹の参考】

1970年にギニアから発行された「天然痘撲滅記念切手」で、黒人の少年の背中に生じた天然痘丘疹がリアルに描かれていますので紹介します。



【参考サイト】

疾病対策予防センター(Centers for Disease Control and Prevention: CDC)

https://www.cdc.gov/poxvirus/monkeypox/about.html


世界保健機関


https://www.who.int/en/news-room/fact-sheets/detail/monkeypox


2022年5月29日日曜日

原因不明の小児急性肝炎-1.概要-

 ウイルス性肝炎は、A、B、C、D、E型などの肝炎ウイルスの感染によって起こります。


ウイルスは、HAV、HBV、HCV、HEVと呼ばれています。


※これらの肝炎ウイルスに関しては、当ブログでも解説しています※


A型、E型肝炎ウイルスは主に食べ物から感染し、B型、C型、D型肝炎ウイルスは主に血液によって感染します。


特にB型、C型肝炎ウイルスについては、感染すると慢性肝炎という持続的に肝臓に炎症を起こす病態に移行することがあり肝硬変となり最終的には肝がんへと移行するひとあります。


ウイルス性肝炎に感染したときに急性肝炎という激しい肝臓の炎症が起こることがあり、特に肝不全にまで至るほど重篤な病態を"劇症肝炎"と言います。


これらの重篤な劇症肝炎では、肝移植が必要になることもあります。


これらのA?E型の肝炎ウイルス以外にも肝炎を起こす病原体は知られています。


例えば、単純ヘルペスウイルス、水痘・帯状疱疹ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルスなどがあります。


そして、現在海外では原因不明の肝炎の症例が報告されています。


2022年4月5日、イギリスにおいてこれまで健康だった10歳未満の小児の間で、原因不明の急性肝炎患者が増加していることが報告されています。


これらの症例の多くは重度の急性肝炎を呈しており、AST、ALTという肝酵素の数値が500IU/L以上の上昇を認め(正常値は40IU/L未満)、多くの症例で黄疸がみられました。


また、一部の症例では、過去数週間に腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状を訴えていましたが、ほとんどの症例に発熱はありませんでした。


イギリスではこれまでに108症例の肝炎の小児が報告されており、このうち8人の小児が肝移植を受けたとのことです。


イギリスだけではなく、現在はアメリカのアラバマ州、スペインでも小児の原因不明の肝炎の症例が報告されています。


肝炎の原因は、現時点でははっきりしていません。


そのような中、検査した症例の77%がアデノウイルスが陽性であったという結果が得られていることから、アデノウイルスがこの肝炎の原因ではないかという仮説が立てらているようです。


日本国内においても同様の症状が出た症例が認められています。


世界保健機関(WHO)の報告によると、今月21日までに12カ国で169例が確認され、1人が死亡した。このうち、74例で夏風邪や結膜炎などの原因ウイルスである「アデノウイルス」が検出されている。症状は黄だんや肝障害の程度を表す肝酵素の数値の異常のほか、一部の症例では腹痛、下痢、嘔吐(おうと)などが報告されている。


 今回の症例は21日に自治体から国に報告があった。アデノウイルスは陰性で、肝移植はしていない。基礎疾患の有無は不明で、新型コロナウイルスは陰性だった。厚労省は症状や居住地、性別、年齢は明かしていない。


 WHOは23日、各国から情報を集めるために、原因不明の子どもの急性肝炎の暫定的な症例の中に「可能性例」を定義。16歳以下で、今年1月以降に確認された急性肝炎で、A~E型のウイルス性肝炎の症例は除外しています。


2022年5月22日日曜日

先天性梅毒増加

 先天性梅毒とは妊婦が梅毒トレポネーマに感染して治療を受けないと、梅毒トレポネーマが胎盤を通過して胎児に感染してしまいます。


新生児が梅毒トレポネーマ感染した状態で生まれた場合を先天梅毒と呼びます。


梅毒スピロヘータが胎盤を通過する妊娠16週から20週以前に母体の梅毒を十分に治療すれば、胎児への感染は予防可能です。


お母さんの梅毒トレポネーマがおなかの赤ちゃんに影響するのは、妊娠4ケ月以降です。

妊娠中の定期健診をきちんと受け、梅毒が発見されたらきちんと治療を受けることにより先天梅毒は防げます。


先天性梅毒の発生事例は、2013年以前は一桁にとどまっていましたが2014年以降二桁の患者が発生してます(2018年17人、2019年23人、2020年19人)。


先天性梅毒の増加は、若い女性の患者が増加しつつあることと、妊婦健診を受けない妊婦の増加が要因とされています。

2022年5月15日日曜日

不織布マスクマスクW折りで感染予防効果は上がる

 新型コロナウイルスの感染にはマスクの正しい付け方が大切です。


不織布マスクに付いているノーズワイヤを山折りにする人は多くおられると思いますが、ひと工夫してW折りにすることで顔との密着度が高まり、予防効果が上がります。


これはノーズワイヤをW折りにすることで鼻と?との隙間をふさぎ、感染リスクを減らすことができるということです。


要するにマスクをつける前に、鼻の形に合わせてノーズフィットを折り曲げW状にすることで、鼻の部分にすき間ができにくくなり予防効果が高くなるとともに、眼鏡が曇りにくくなります。


鼻出しマスク・あご掛けマスク・あご出しマスクは、予防効果がなくなりますからNGです。

参考動画

https://www.youtube.com/watch?v=KYWhIsgb7Gc

2022年5月8日日曜日

マスクの必要性について

 新型コロナウイルスの流行に伴い、世界中でマスクが着用され、義務化されている国も多く存在しています。


日本国内においては、強制着用はされていませんが着用が一律に推奨されたままの状態が続いています。


それではいつまでマスクは必要となるのでしょうか?


2022年4月20日日本医師会の中川俊男会長は、「ウィズコロナの状態でマスクを外す時期が日本に来るとは思っていない」と発言しています。


日本国内では新型コロナウイルスの感染拡大初期から、症状がなくてもマスクを着用する"ユニバーサルマスク"が推奨され、国民の多くが自主的に感染拡大防止に努めてきた事実があります。


中川俊男会長は国民の公衆衛生意識の高さが、感染者数や死者数を抑えるのに効果的だったと指摘し、「マスクを外すのは新型コロナが終息したときだ」と発言しています。


また日本政府も「マスクの着用が極めて重要であることは言うまでもない」と強調しています。


国立感染症研究所の脇田隆字(たかじ)所長は2022年4月27日の衆院厚生労働委員会で、「感染リスクが高くない場面では、着用は必ずしも必要ではない」との認識を示していますが、これからの季節は気温と湿度が高くなり熱中症リスクもあることから、「屋外で人との距離が十分ある場合は、マスクを外すことが推奨される」とも発言しています。


それに加えて「具体的にどのような場面でマスクを着けるか外すかまでは、直ちに提言できる状況にはない」とし、今後議論を進めていく必要性を強調しています。


一方海外に目を向けますと、英国は2022年1月下旬、オミクロン株対策として2021年12月に導入した公共施設でのマスク着用義務を撤廃し、同株の流行のピークが過ぎたことなどを考慮し、混雑した場所にいるときや普段会わない人と会うときなどは、引き続き着用が推奨されるとしています。


米国でも2022年3月下旬、ハワイ州を最後に全50州で着用義務が解除され、ほとんどの地域で、屋内でも着用が必須ではなくなっています。


米疾病対策センター(CDC)が2022年4月中旬にマスク着用義務の延長を決めましたが、フロリダ州の連邦地裁が「義務化は違法で無効」と判決を下したことから主要な航空・鉄道会社は乗客に着用を求めていません。


韓国でも見直しの動きがあり、屋内でのマスク着用義務は当面維持する一方、屋外については2022年4月2日から、スポーツ観戦時などを除き解除することを決めています。


日本においても一律のマスク推奨するのではなく、どのような場面で着用して、どのような場面では必要がないことを明確にし国民に理解しやすいように説明する必要があると思います。

2022年5月1日日曜日

百日咳について-2.百日咳抗原検査-

 2020年5月29日に承認され、2021年5月1日に保険収載されています。


販売名は、リボテスト百日咳です。


製造発売元 極東製薬工業 株式会社


【使用目的】


鼻咽頭拭い液中の百日咳菌抗原の検出


【測定原理】


鼻咽頭拭い液中の百日咳菌L7/L12 抗原を検出するイムノクロマト法です。


テストプレートは、サンプルパッド、コンジュゲートパッド、メンブレン、吸収パッドから構成されていて、コンジュゲートパッドには金コロイド標識抗百日咳菌L7/L12 モノクローナル抗体(マウス)が含まれています。


テストライン上には、抗百日咳菌L7/L12 モノクローナル抗体(マウス)が固相化されています。

 百日咳菌L7/L12 抗原を含む試料を試料滴下部に滴下すると、試料はサンプルパッドを通って、コンジュゲートパッドに移動し、試料溶液中の百日咳菌L7/L12 抗原が金コロイド標識抗体と反応して免疫複合体を形成され、この免疫複合体は毛細管現象によりメンブレン上を移動し、テストライン上の固相化抗体に捕捉されると、赤紫色のランが現れます。

また、百日咳菌L7/L12 抗原の有無に関わらず、金コロイド標識抗体はコントロールライン上に固相化されている抗マウス免疫グロブリンポリクローナル抗体に捕捉され、赤紫色のラインが現れます。


※リボテスト百日咳添付文書参照※


【測定時間】


15分


【判定】


肉眼で出現ラインを確認する。


陽性 コントロールラインとテストラインの両方に赤紫色のラインが確認される。


陰性 コントロールラインのみに赤紫色のラインが確認され、テストラインには確認されない。


判定不能 コントロールラインに赤紫色のラインが確認確認されないか不明瞭な場合。


※コントロールラインに赤紫色のラインが確認確認されず、テストラインにのみに赤紫色のラインが確認される場合も判定不能とします※


判定不能の場合は、再検査。


試料滴下後15分を過ぎてテストラインが出現した場合、陰性と判定する。



【PCRとの一致率】


陽性一致率 86.4%


陰性一致率 97.1%


陽性陰性一致率 95.9%

2022年4月24日日曜日

百日咳について-1.百日咳とは-

 百日咳は、主にグラム陰性桿菌の百日咳菌 (Bordetella pertussis) による呼吸器感染症の一種で、特有の痙攣性の咳発作を特徴とする急性気道感染症です。


主に1歳未満乳児が罹ると認識され、特に生後6ケ月未満では容易に重症化して死の危険も伴うなど、極めて重要な感染症とされています。


百日咳は世界的に見られる疾患で、乳幼児に限らずいずれの年齢でも感染します。


患者に占める成人の割合が2001年にはわずか2.8%でしたが、この10年間毎年増え続け、2010年(1~4月)には56%に達しまし、現在では半数以上が、おとなの患者なのです


【症状】


潜伏期間は通常7~10日で、次に普通の風邪症状を示すカタル期が1~2週間続き、さらに乾いた咳と発作性の咳嗽(がいそう)が特徴の痙咳期が3~6週間続きやがて回復します。


百日咳特有の咳は、短い連続した咳嗽(スタッカート)の後、息を吸い込むときに笛を吹くようなヒューという音(笛声 てきせい:ウープ)が出て、これが繰り返されます。


※ 咳が治まるまで約100日間(およそ3ケ月程度)続くことから、百日咳と呼ばれる※


※咳嗽(スタッカート)とは、顔をまっ赤にしてコンコンと激しく咳き込む発作※


※(笛声 てきせい:ウープ)とは、息もできないくらい咳き込んだあとヒューッと音を立てて大きく息を吸い込む発作※


咳嗽は夜間に多く、何かしらの誘発原因によって咳き込むと、息も詰まることから顔面浮腫や充血、そして最悪の場合は呼吸停止から突然死に至ることもまれにあります。


【検査法】


鼻咽頭を綿棒で拭いそのぬぐい液で遺伝子検査として、LAMP(loop-mediated isothermal amplification)法やPCR( polymerase chain reaction)法。


血液による血清抗体検査。


鼻咽頭を綿棒で拭いそのぬぐい液での抗原定性検査。


【治療法】


マクロライド系抗菌薬を投与します。


エリスロマイシン(EM)、クラリスロマイシン(CAM)、またはアジスロマイシン(AZM)が使用され、投与期間はそれぞれ14、7、5日間です。


【感染予防】


百日咳の防御はワクチン接種が基本となります。


全菌体を使用した単味の百日咳ワクチン(P)はジフテリアトキソイド(D)との二種混合(DP)、更に1968年からは破傷風トキソイド(T)も含めた三種混合(DTP)で接種が進められました。


日本国内における百日咳患者数は、全数届出が始まった2018~2020年の3年間に発生動向調査に届出された百日咳患者は31,909例となっています。


患者は, 2018年が11,190例(94%), 2019年が15,972例(95%), 2020年が2,671例(91%)、2022年(3月時点)132例となっています。


百日咳は、1年を通じて発生が見られますが、春から夏、秋にかけての発生が比較的多く、流行の周期は2~5年とされています。


2022年4月17日日曜日

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月)

 厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月版)を2022年3月11日に公開しました。

ここには、COVID-19の感染者数・病原性・感染性・検査・治療・変異株について、現在の状況とこれまでに得られた科学的知見を11の知識として見やすくまとめられています。


今一度確認されることをおすすめします。


内容は以下から確認してください。


https://corona.go.jp/proposal/pdf/chishiki_20220311.pdf


2022年4月10日日曜日

新型コロナウイルス-64.オミクロンXE-

 2022年1月19日イギリスでは「オミクロンXE」と呼ばれる、新たな変異株が出現しています。


イギリスの健康安全保障局によると、オミクロンXEは1月中旬にイギリスで初めて検出され、その後600件以上の症例が確認されています。


オミクロンXEと呼ばれるウイルスは、オミクロン株のうち「第6波」で広がった「BA.1」というタイプと、より感染力が高いとされるBA.2が組み合わさったタイプです。


ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質を含むほとんどの部分がBA.2、ほかの部分がBA.1となっています。


オミクロンXEは、従来のオミクロン株BA.1より感染力が強いステルスオミクロン株BA.2の要素を含む混合株とされています。


オミクロンXEは感染力が強いBA.2を約10%上回る可能性があると指摘されています。


WHOはオミクロンXEを感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがはっきり分からないとコメントしています。


感染の広がりやすさなどは、現時点でははっきり分かっておらず、専門家は注目して監視する必要があるとしています。

【2022年4月12日追加】

2022年4月9日時点では、日本国内ではオミクロンXEは確認されていませんでしたが、2022年4月11日、2022年3月36日に米国から到着した30代女性の空港検疫で、オミクロンXEが検出されたと厚生労働省が発表した。

日本で確認されたのは今回が初めてで日本国内での感染拡大は現時点で確認されていないと付け加えています


専門家は現時点ではBA.2の流行が主流になってきていますが、オミクロンXEであっても基本的な日常の感染対策は変わらないし、3回目のワクチン接種を引き続き進めてほしいという方針も変わらないとコメントしています。


2022年4月3日日曜日

新型コロナウイルス-63.新型コロナウイルスはエアロゾル感染する-

 国立感染症研究所は、新型コロナウイルスはエアロゾル感染しないとの立場を取ってきました。


国立感染症研究所は2022年1月13日に公表したオミクロン株についての報告書で、「現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず、従来通り感染経路は主に飛沫感染と接触感染と考えられた」と発表して、世界保健機関や米疾病対策センターなどと異なる説明をしていました。


要するに国立感染症研究所の考え方としては、エアロゾル感染はしなく飛沫感染と接触感染しかしないという立場でした。


しかし世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)などは2021年春、主な感染経路としてエアロゾル感染と飛沫感染を挙げ、接触感染は起きにくいとする報告書を発表していました。


そのことから日本国内の専門家からは、「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していました。


国立感染症研究所は2022年3月28日に公表した文書で、主な感染経路として、○エアロゾル感染○飛沫感染○接触感染の三つの感染経路があるとの見解を新たに示しました、


このことは感染者が呼吸をすると粒子が放出され、大きな声を出したり、歌ったりすると、放出される粒子の量が増える感染リスクが高くなる。


感染者との距離が近い(約1~2m以内)ほど感染する可能性が高く、距離が遠い(約1~2m以上)ほど感染する可能性は低くなると説明しています。


※気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言います※


※新型コロナウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子をエアロゾルといいます※


【参考資料】

https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/11053-covid19-78.html


新型コロナウイルスはエアロゾル感染するということは、取りも直さず新型コロナウイルスを含むエアロゾルで空間が汚染されているから換気が必要ということになります。


2022年3月27日日曜日

新型コロナウイルス-62.田辺製薬開発の新型コロナワクチン世界保健機関不承認-

 田辺三菱製薬株式会社と関連子会社メディカゴ社が開発した植物由来のウイルス様粒子ワクチンコビフェンが、2022年2月24日カナダにおいて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防ワクチンとして承認されました。


このワクチンはデルタ株、ガンマ株に対する有効性はそれぞれ75.3%、88.6%で、このワクチン投与に関連する重篤な副反応は見られていません。


日本においても、第1/2相臨床試験を2021年10月から実施中であり、カナダ申請に用いたデータに日本の臨床試験結果を加えて、2022年度第2四半期の承認申請をめざしています。


このワクチンの承認を世界保健機関に申請したところ、タバコ会社が関与してるとして不承認としました。


世界保健機関の言い分は、『世界保健機関はタバコと兵器産業への関与には厳しい方針をとっている』とのことです。


このワクチンに米国のタバコ大手のフィリップモリスが出資しているのが問題だそうです。


※田辺三菱製薬株式会社のカナダ子会社のメディカゴ社は、田辺三菱が78.68%、タバコ大手のフィリップモリスが21.32%出資※


ワクチンのデータを検討せずに『世界保健機関はタバコと兵器産業への関与には厳しい方針をとっている』だけで不承認とするのは納得がいかないです。


兎に角今の世界保健機関は、本当に信頼できない国連の機関となってきています。


田辺三菱製薬株式会社と関連子会社メディカゴ社は、世界保健機関を相手にせずに日本や欧米で頑張って承認をとって欲しいものです。


2022年3月20日日曜日

新型コロナウイルス-61.デルタクロン株-

 デルタクロン株とは、デルタ株とオミクロン株の両方の特徴を併せ持つ新たなウイルスと言われています。


デルタ株の特徴は重症化リスクが高く、オミクロン株は感染力の強さの両者の特性を持つウイルスとされています。


2022年1月に地中海に浮かぶ島国のキプロス大学で発見されています。


一部の専門家はデルタミクロン株は、研究室で技術的ミスによりデルタ株とオミクロン株が誤って混ざりあったと考えられていますが、発見したキプロスの研究者は技術的ミスを否定しています。


反面一部の研究者はデルタクロン株のような変異ウイルスが出ても不思議はないとしています。


しかし、2022年3月15日南米ブラジルのケイロガ保健相は、新型コロナウイルスのデルタ株とオミクロン株の両方の特徴を併せ持つとされる「デルタクロン株」の感染を、ブラジル国内で2例確認したと発表し、世界保健機関(WHO)や海外の報道によると、デルタクロンはこれまでにフランス、デンマーク、オランダ、米国などで確認されています。


現時点ではデルタクロン株の感染力の強さなどは不明で、これまでに確認された国でのデルタクロン株の急速な拡大は確認されていません。


これからデルタクロン株について詳細が明らかにされていきますので、逐次紹介させていただきます。

2022年3月13日日曜日

新型コロナウイルス-60.オミクロン株BA2は人の免疫から逃れる特性を持っている-

 オミクロン株BA2は2021年12月に見つかって以来、オミクロン株BA1から置き換わりが急速に進んでいます。


BA.1に比べBA.2は感染リスクが有意に高く、免疫を逃避する性質も備えていることを、査読前論文公開サイトmedRxiv(2022年1月30日オンライン版)に発表されています。



この論文から「BA.2による感染リスクはBA.1に比べて高く、BA.2がSARS-CoV-2ワクチンの予防効果をさらに低下させる免疫逃避の性質を備えていることが読み取れます。

ワクチン接種完了者とブースター接種者では伝播リスクが低く、ブレークスルー感染したワクチン接種者からの伝播リスクは上昇しないと考えられています。

そのことからして新型コロナウイルスの感染予防にはワクチン接種が依然として重要であることが読み取れます。

2022年3月6日日曜日

新型コロナウイルス-59.なぜこんなに新型コロナウイルスの変異株が増加するのか??-

ウイルスは生き残り子孫を増やすために変異するのが基本なんです!!


要するにすべての生物は、子孫を残すために変異していき、生き残れるものだけが生き残っていくのです。


このことは、進化生物学的に考えると、ウイルスに変異体が現れるのは至極当たり前なのです。


ウイルスは常に変異し続けて、半日から1日で世代交代をし続けます。


要するに変異株が出現するスピードは極めて早いわけです。


当然新型コロナウイルスは変異することにより、人の免疫カから逃れたり、ワクチンから逃れるわけです。


変異の過程で免疫力から逃れる、あるいはワクチンから逃れる仕組みを見に付けたウイルスは、その変異株が大勢を占めて流行してきます。


ワクチンの防御システムを破る変異株が出てくれば、感染源のある地域では、その変異株が一気に蔓延する可能性があります。


ワクチンは、その地域にある感染源に一気にできる限り多くの人に接種して、変異株が出現する前に感染源をなくすことが、進化生物学的に考えると大切なのです。


感染力のより強い変異株は、より生き残りに長けていたので、あっと言う間に従来のものと置き換わってしまうわけです。


無数の変異のなかに1個でも免疫をかいくぐる仕組みを持った変異株は、ワクチンの抵抗性を獲得したウイルスとして、あっと言う間に地域にそして全国に拡散してしまいます。


最も大事なことは、ウイルスにそのような変異を起こす時間的なゆとりを与え無いことなんです。


変異してて流行をの時間を与えることは限りなく危険な行為だということになります。


進化はその突然変異を決して見逃しません!!、


そして瞬またたく間に抵抗性を持った変異株が蔓延してしまいます。


ウイルスは絶えず変異していて進化生物学的に考えると、ワクチン抵抗性を持ったウイルスはいつ出現しても不思議ではありません。


いったん変異株が現れると、ワクチン接種というウイルスに対しての選択圧から逃れたその変異株は、一気に蔓延してしまいます。


それはワクチンの開発そのワクチンに対する抵抗性ウイルスとの「鼬ごっこ」を繰り返し続けなくてはならなくなってしまいます。

2022年2月27日日曜日

新型コロナウイルス-58.マスクの有効性-

 各種マスク予防効果について記載しておきます、


1.N95マスク・・吸い込み飛沫量2% 吐き出し飛沫量1%


2.不織布マスク・・吸い込み飛沫量30% 吐き出し飛沫量20%


3.布マスク・・吸い込み飛沫量55~65% 吐き出し飛沫量18~34%


4.ウレタンマスク・・吸い込み飛沫量60~70% 吐き出し飛沫量50%


以上の結果からして、N95が一番良く次に不織布マスクという結果となっています。


布マスクもまんざら捨てたものではありませんが、やはりウレタンマスクは効果が低いということになります。


https://www.tut.ac.jp/docs/201015kisyakaiken.pdf

現在多くのマスクが市場には出回っていますが、不織布マスクでも布マスクよりも性能が劣っているものも見られます。


予防効果の高いマスクはやはり"息が吸いにくいマスク"ということになります、これは吸い込み飛沫量と吐き出し飛沫量性能がともに良いということになります。


予防効果の高いN95マスクでも、顔にぴったりと合ったマスクを着用した場合場合しか高い予防効果は得られません、多くの人が息苦しくなることから隙間を開けるなど正しい着用をしないと予防効果は低下してしまいます。


次にマスクの2枚重ねについてですが、アメリカ疾病管理予防センター(CDC)は2021年2月、マスクを2枚重ねると、1枚よりも新型コロナウイルス感染を防げるという研究結果を発表しています。


マスクを2枚重ねる場合、フィルター性能の高いマスクを最初に着用することがポイントとなります。


https://www.huffpost.com/entry/cdc-double-masking_n_602417bbc5b6d78d444bbc91


血液の鉄人は、不織布マスク1枚を顔とマスクの隙間をなくすようにつけることが良いと思っています。


最も大切な感染予防対策は、マスクを完全に信用することなく、マスクをしていても安心と思い込まずに十分な距離をとったり、接触時間を短くしたり、換気の悪い空間に長いしないなどの基本的感染予防対策を取る必要があります。