血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2024年9月22日日曜日

2024年7月までの日本国内における梅毒患者の分析

 2024年7月までの梅毒患者数は6770人で、依然として大流行が続いています。

患者状況としては、男性は20代から全年齢層に患者が見られますが、女性は20代にピークが認められています。

【病態の分析(5438人 男3433人・女2005人)】

Ⅰ.男性 

1.同性間感染者 573人

早期顕症Ⅰ期梅毒 165人

早期顕症Ⅱ期梅毒 207人

無症候梅毒 192人

晩期顕症梅毒 9人

2.異性間感染者 2860人

早期顕症Ⅰ期梅毒 1829人

早期顕症Ⅱ期梅毒 651人

無症候梅毒 347人

晩期顕症梅毒 33人

Ⅱ.女性

1.異性間感染者 2005人

早期顕症Ⅰ期梅毒 489人

早期顕症Ⅱ期梅毒 822人

無症候梅毒 687人

晩期顕症梅毒 7人

【無症候梅毒の分析】

1.男性 539/3433 15.7%

2.女性 687/2005 34.3%

3.男女 1226/5438 22.5%

※女性が男性の2倍以上無症候梅毒が見られますが、これは女性が男性に比べて症状がわかりにくいことに由来します※

※いずれにして梅毒トレポネーマに感染しても典型的な症状の出ないことが上記のように多数存在することから、感染するような行為をしてしまった場合には、必ず適切な時期に梅毒検査を受ける必要があります※


2024年9月15日日曜日

レプリコンワクチンに対する懸念

 2024年10月を目途に接種開始予定といわれ、今、世間を騒がせている新型コロナウイルスの次世代型mRNAワクチンの「レプリコンワクチン」について解説します。


従来の新型コロナワクチンは、コロナウイルスのタンパク質を作るもとになる遺伝情報の一部(mRNA)を体内に入れることでウイルスの免疫を作るというものでしたが、今回開発されたレプリコンワクチンは、そのmRNAが体内で自己増殖するタイプに改変したものです。


新型コロナウイルスを構成するスパイクタンパク質が自己増殖するから少量の投与で効果が長続きするというメリットがあるとされていますが、このワクチンに安全性および倫理性に関する懸念が持たれています。


その理由としてこのワクチンの開発国であるアメリカや大規模治験を行なったベトナムでは認可が下りていないものを、今回日本が世界に先駆けて認可したことにより、色々の疑念が持たれています。


このワクチンに関しては以下の懸念があるとされています。


1.このワクチン接種者の飛沫から非接種者に感染する恐れがあり、これに対する臨床実験もなされていない。 


2.自己増殖に歯止めが効かなくなり、永久にスパイクタンパクのトゲトゲが生産され続ける恐れがある。 


3.そもそもmRNAが人体の遺伝情報に影響を及ぼさないという確証がない。 


以上のことからこの新しいワクチンの使用に反対する専門家が多く存在します。


現に日本看護倫理学会が異例とも言える緊急声明”を出しています。


※日本看護倫理学会は、いわば医療関係者の身内でもある団体が、このワクチンの接種に対して安全性および倫理性に関する懸念を表明したことからしてもこのワクチンに対する懸念が増幅されます。


『一般社団法人 日本看護倫理学会 レプリコンワクチンに対する緊急声明』


※レプリコンワクチンに関しては以下を参照してください※


『医事速報2024年09月15日号 レプリコンワクチンについての考察』







2024年9月9日月曜日

2つの肝臓病の新名称

 2023年に、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH:Non-Alcoholic Fatty Liver Disesase、ナッシュ)と非アルコール性脂肪肝疾患(MASH:metabolic dysfunction-associated steatohepatitis、マッシュ)という2つの肝臓病の名称が変更されることが発表されました。


名称が改変された理由としては、従来の名称である、非アルコール性脂肪肝疾患(NAFLD)と非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に以下の問題点があったからです。


1.患者への偏見


「非アルコール性」や「太っている」といった言葉が、患者に対して否定的な印象を与え、精神的な負担になる可能性がありました。


2.病態の複雑さ


これらの疾患は、単にアルコールや肥満が原因というわけではなく、代謝異常など様々な要因が複雑に絡み合っていることが明らかになってきました。


以上の問題点を踏まえ、新しい名称として下記のように命名されました。



1.非アルコール性脂肪肝(NASH:Non-Alcoholic Fatty Liver Disesase、ナッシュ)


 非アルコール性脂肪肝(NAFLD)は、アルコールをほとんど摂取しないにもかかわらず、肝臓に中性脂肪が蓄積される状態を指し、生活習慣が原因とされていることから、新名称は、『代謝機能障害関連脂肪肝炎(MASH:metabolic dysfunction-associated steatohepatitis、マッシュ)』


2.非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD:nonalcoholic fatty liver diseaseナッフルディー)


アルコールやウイルスなどを原因としない脂肪肝の総称で、英語の頭文字をとって「ナッフルディー」または「ナッフルド」と読みます。肥満や糖尿病、メタボリックシンドロームなどの生活習慣病を基盤に発症し、お酒をあまり飲まない人でもアルコール性肝障害の人のように肝疾患が進行することから、新名称は『代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD:Metabolic dysfunction associated steatotic liver diseaseマッスルディー)』

※脂肪肝というと、飲酒によるアルコール性脂肪肝を考えてしまいがちで、確かに飲酒による脂肪肝は多いのは事実ですが、特に飲酒歴もないのに肝臓に脂肪が貯まりすぎてしまう「非アルコール性脂肪性肝障害(NAFLD)」や「代謝異常に関連する脂肪性肝疾患(MASLD)」が近年増加しています※



2024年9月1日日曜日

世界的に性感染症が増加しています!!

日本だけでなく、世界的に性感染症が急増していると、世界保健機関(WHO)が2024年5月に発表した報告書によると、梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナスの4種類の性感染症に、世界で毎日約100万人が新たに感染しています。

ここで特に問題となるのは抗生物質に耐性を持つ、つまり治療薬の効かない淋菌も増加しているということです。

報告書によると、世界中で毎日、100万人以上の15歳から49歳の人々が梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナスの4つの感染症に新規感染している。

なかでも、梅毒の新規感染症例が急増しています。

2022年のHIVとウイルス性肝炎の新規感染者数は、微減にとどまりましたが、B型肝炎およびC型肝炎の新規感染者数は、それぞれ約120万人、約100万人に達しています。

HIVとウイルス性肝炎の新規感染が十分に減らないなか性感染症が増加しており、持続可能な開発目標(SDGs)の保健衛生目標の達成を脅かしているとWHOは警告しています。

WHOのテドロス・アダノム事務局長は報告書において、「公衆衛生の脅威となる伝染病を2030年までに終結させる手段はある。(中略)各国は各自の目標に向けてできる限りのことをしなければならない」との見解を示しています。

【参考資料】

新たな報告書は、HIVと肝炎の課題の中、性感染症の大幅な増加を警告している

2024年8月25日日曜日

世界保健機関エムポックスに対して国際的な公衆衛生上の緊急事態!!

ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスで、"コンゴ盆地型(クレードⅠ)"と"西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)"の2系統に分類されています。

コンゴ盆地型(クレードⅠ)による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)による感染例の死亡例は1%程度と報告されています。

2024年8月15日、スウェーデン保健当局は、アフリカで感染が拡大するエムポックス(サル痘)のウイルスでより重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者を国内で確認したと明らかにしました。

アフリカ外でクレード1の感染が確認されたのは初めてで、流行地域に滞在中、感染したとみています。

世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長は2024年8月14日、アフリカ中部で広がる感染症「エムポックス(サル痘)」について、約1年3か月ぶりに「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。

世界保健機関によりますと、エムポックスの新系統のウイルスが昨年見つかり、急拡大しコンゴ民主共和国では今年、15000人以上の感染と537人の死亡が報告され、新系統ウイルスはケニアやルワンダなど周辺国でも確認されています。

天然痘に似たエムポックスは元々アフリカの風土病でしたが、2022年以降に欧米などで感染が拡大しました。

日本国内では248人の感染が確認された。

世界保健機関は同年7月に緊急事態を宣言し、感染が落ち着いた昨年5月に解除していた。

エムポックスはリスやネズミなどの「げっ歯類」やサルなどがウイルスを保有しており、かまれると人に感染します。

人から人へは肌の接触や性行為などでうつり、発疹のほか発熱や頭痛、リンパ節の腫れなどの症状が出る。多くは発症後2~4週間で自然回復する。

感染者の体液や血液に触れたり、性的な接触をしたり、近距離での対面で飛沫に長時間さらされたりすることなどでも感染します。

ハイリスク層はMSM(Men who have Sex with Men、男性と性的接触を行う男性)とされる一方、女性や子供の感染事例もあり、妊婦や免疫不全者は重症となる場合があることが指摘されています。

タイの疾病管理当局は2024年8月22日、従来より致死性の高いコンゴ盆地型(クレードⅠ)の感染を、国内で確認したと発表しています。

これはアフリカ大陸以外での感染確認の2例目となりアジアでは初めてのことです。

日本国内での死亡者は2023年12月に、海外渡航歴のないエイズウイルス(HIV)感染者の30代男性がエムポックスで死亡しています。

国内の死者確認はこれが初めてです。

※このウイルスは西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)※

今後日本国内でも致死性の高いコンゴ盆地型(クレードⅠ)が入り込む危険性はあります。



2024年8月18日日曜日

エムポックス大流行の兆し!!

2024年8月14日、世界保健機関(WHO)のテドロス・アダノム事務局長はアフリカ中部で広がる感染症「エムポックス(サル痘)」について、約1年3か月ぶりに「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。 

世界保健機関によりますと、エムポックスの新系統のウイルスが2023年に見つかり、急拡大しコンゴ民主共和国では2024年、15600人以上の感染と537人の死亡が報告されています。

この新系統のウイルスはケニアやルワンダなど周辺国でも確認されています。

更に2024年8月15日、スウェーデン保健当局はアフリカで感染が拡大するエムポックス(サル痘)のウイルスで、より重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者を国内で確認したと明らかにしています。

アフリカ外でクレード1の感染が確認されたのは初めてで流行地域に滞在中に感染したと考えられています。

【エムポックスウイルスについて】

コンゴ盆地型(クレードⅠ)と西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)の2系統に分類される。

コンゴ盆地型(クレードⅠ)による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)による感染例の死亡例は1%程度と報告されている。

天然痘に似たエムポックスは元々アフリカの風土病でしたが、2022年以降に欧米などで感染が拡大しています。

世界保健機関は2022年7月に緊急事態を宣言し、感染が落ち着いた2023年5月に解除しています。

日本国内においては、2024年8月9日時点で248人の患者が確認されています。

2023年12月には、海外渡航歴のないHIV感染者の30代男性がエムポックスで死亡したていますが、国内の死者確認はこれが初めてです。

今後の流行に気をつける必要があります。



2024年8月11日日曜日

新しいエイズ治療薬レナカパビルについて-3.レナカパビル(注射剤)が、シスジェンダー女性に対するHIV予防の研究的使用において100%の有効性を示す-

ギリアド・サイエンシズ(本社:米カリフォルニア州フォスターシティ)は、2024年6月20日、第III相ピボタルPURPOSE 1試験の中間解析トップライン結果において、年2回投与のHIV-1カプシド阻害剤のレナカパビル(注射剤)が、シスジェンダー女性に対するHIV予防の研究的使用において100%の有効性を示したことを発表しました。

詳細は以下を参照してください。

レナカパビルの有用性について

2024年8月9日金曜日

地震お見舞い申し上げます。

 2024年8月8日に発生しました宮崎県沖の地震に際し、被災されました皆様方に心よりお見舞い申し上げます。


被害のほどが案じられ、損害の軽微と一日も早い復旧を心より願っております。


2024年8月4日日曜日

日本国内でのアメーバ赤痢の現状

 性感染症の中で梅毒の増加は世間を騒がせていますが、その裏で静かに増加しているのが赤痢アメーバ症です!!


発展途上国では汚染された食べ物を口にすることで感染することの多い病気ですが、衛生環境が維持されている先進国ではむしろ性行為での感染が増えているのが現実です。


治療の遅れで亡くなるケースもあります。治療は内服薬が第1選択で比較的簡単ですが、アメーバ赤痢は通常の大腸炎ときちんと鑑別して治療することが重要となります。


世界人口の10%が持つとされるアメーバ赤痢原虫には2種類あり、大腸炎や肝膿瘍の症状をもたらす病原種が90%、非病原種が10%と言われています。


「日本で流行しているのは病原種ですので、要注意です。以前は肛門をなめたり、肛門性交、口腔性交を行う男性同性愛者(MSM)の間の流行でしたが、いまは男女間でも風俗店などを中心に同様な性行為が行われ、増加しているとみられています」


現在の過患者数は氷山の一角で、実際の患者数は昨年約1.5万人の新規患者数が報告された梅毒を上回るとの見方もあります。性感染症検査場の保存血清を調べた2020年報告の研究では、その時点で梅毒陽性率(2.11%)よりアメーバ赤痢症陽性率(2.64%)が高かったのです。なお、2014~17年の新規感染者数は年間1000例を超えたが2018年以降は大きく減少したとされていますが、これは検査試薬が製造中止になったためで、真の減少ではなく、その脅威は年々増しているとみられています。

前回紹介した抗原検査法によって、今後患者数は増加するおそれが指摘されています。

2024年7月28日日曜日

アメーバ赤痢抗原検査

 性感染症の中で梅毒の増加は世間を騒がせていますが、その裏で静かに増加しているのが赤痢アメーバ症です!!

発展途上国では汚染された食べ物を口にすることで感染することの多い病気ですが、衛生環境が維持されている先進国ではむしろ性行為での感染が増えているのが現実です。

潜伏期間は2~4週間で、典型的な症状は下痢、高熱、しぶり便、それに排便時の下腹部痛など大腸炎の症状を繰り返します。

診断の決め手となるのは、イチゴ状の粘血便です。

トイレットペーパーに血がつくため痔と間違える患者さんもいます。

2024年初からの新規感染者報告数は272人で、前年同期の255人を上回っています。

【検査法】

①顕微鏡下での病原体検査

② ELISA法またはイムノクロマト法による抗原検査

③ PCR 法による病原体遺伝子検査(一部の研究施設でしか利用できない)

④赤痢アメーバ抗体検査(2017年に検査薬製造中)

※現在の検査法※

糞便を直接または生理食塩水で溶解し、カード式の検査キットで判定する「糞便迅速抗原検査」が用いられます。

これは特別な機器は不要で、30分以内に感染の有無を判定できます。

この検査は、栄養型の表面タンパク(レクチン)に対するモノクローナル抗体を用いたイムノクロマト法で栄養型を検出するため、特異度が高く、偽陽性の頻度は極めて低い検査法です。

【参考資料】

赤痢アメーバQUIK CHEK


リミング(肛門を舐める)・肛門性交・肛門性交をした後にキスやフェラチオをするなどの行為でアメーバ赤痢は感染しますのでこれらの行為を慎む必要があります。

2024年7月21日日曜日

ご注意!! 新型コロナウイルスの第11波に突入!!

 新型コロナウイルスが再び、猛威を振るいはじめました。


全国約5000の定点医療機関から2024年7月8~14日に報告された感染者数は55072人で10週連続で増加し、感染「第11波」に入ったとの見方が強まっています。


現在流行の主流となっているのは、KP.3株です。


現在ま流行している『KP.3』は『BA.2』の子孫の子孫がさらに変異したものです。


「オミクロンKP.3株は親系統株であるオミクロンJN.1変異株と比較しても、より高い免疫逃避能を保持し、高い免疫逃避能を保持する」としています。


このような現状から、今後JN.1株系統である「KP.3株」を中心に対策していくことになると考えられます。


「KP.3株はこれまでの従来株よりも重症化しやすいウイルスである証拠は今のところありません」。


KP.3株が主流株の割合を増やしているのにも関わらず死亡者数の増加に至っているわけではありません。


少なくともこの夏の間、感染がどんどん広がっていく可能性が高くそれが最終的にどの規模になるのかは現時点では分かりません。


要するに新型コロナと共存する時代にはなりつつありますが、新型コロナは完全には収束していません。


これからも従来通りの感染予防対策が必要です。


2024年7月14日日曜日

新しいエイズ治療薬レナカパビルについて-2.新しいHIV予防薬レナカパビルがHIV感染予防役として使用できる可能性について-

 


この治療薬が今回の第III相臨床試験結果によって、新しいHIV予防薬レナカパビルとして期待されているわけです。


16歳から25歳の女性と少女2,134人を対象としてウガンダと南アフリカで行われた臨床試験は極めて高い予防効果が得られています。


2,000人以上の患者がレナカパビル注射による投与を行い、臨床試験期間中にHIVに感染した患者は一人もいなかった。



臨床試験の人口統計は16歳から25歳の若い女性に焦点を当てて行われましたが、この人口層は南部アフリカでHIVの影響が最も大きいとされています。


多くの研究者たちが、この薬による予防効果に驚愕しています。


従来のHIV予防の選択肢は処方通りに服用された場合非常に効果的であることはわかっていますが、PrEPのために半年ごとのレナカパビルは、経口PrEPピルを服用または保管する際に直面する可能性のあるスティグマや差別の解消に役立ち、半年ごとの投薬スケジュールによりPrEPの遵守率と持続性の向上に役立つ可能性があります」とベッカーは説明した。



レナカパビルは、毎日服用する2つの経口薬であるツルバダ (Truvada)とデシコビ(Descovy)と比較された。これらは、HIV予防のためのPrEP(曝露前予防内服)として成功を収めている。


ツルバダのグループでは、試験期間中に1,068人中16人の女性がHIVに感染し、デシコビのグループでは、2,136人中39人の女性がHIVに感染しましたが、レナカパビル注射による投与グループにおいては感染者はなかった。


日本においてもレナカパビルをHIV予防のためのPrEP(曝露前予防内服)として承認する動きが活発になってきていることから、意外と早く承認される可能性があります。


HIV予防における「最も重要な」進展の一つ

南アフリカのデズモンド・ツツHIVセンターの所長であるリンダ・ゲイル・ベッカー教授は、この注射が人々に「重要な新しい選択肢」を提供する可能性があると述べた。


【参考資料】

新しい年2回注射薬レナカパビル、HIV治療におけるこれまでで最大の進歩と称賛される


2024年7月7日日曜日

新しいエイズ治療薬レナカパビルについて-1.レナカパビルとはどのような薬-

HIVに関する医療は目を見張るものがありますが、日本国内のHIV報告件数は7年ぶりに増加しています。


現在HIV感染を早期に発見し、早期に適切な治療を続けていればエイズの発症を防ぐことができ、これまで以上に長く健康的な社会生活を送れるようになってきています。


HIV感染を未然に防ぐ対策と果ては、当然のことながらコンドームによる予防がありますが、PrEP(曝露前予防内服)の効果は世界に認められ使用していますが、日本国内でおいては未だに保険適応が認められていません。


しかし現実としてゲイの間では、PrEPを利用している人が多く存在していることは周知の事実です。


今回新しいHIV感染症の予防薬のレナカパビルが、臨床試験においてHIV予防で100%の有効性を示したとの報告があり期待されています。


それではレナカパビルとは、どのような薬なのでしょうか?


米国リフォルニア州フォスターシティに本社を置く世界第2位の大手製薬会社であるギリアド・サイエンシズが開発したHIV感染症の予防薬です。


このレナカパビルは、年2回投与のHIV予防薬で経口投与と皮下投与の両方に対応しています。


従来からあるHIV予防薬であるツルバダは、1日1回服用する必要がありますが新しいレナカパビルは年2回の服用か皮下注射で予防効果が発揮されるという画期的なHIV予防薬です。


レナカパビルはレナカパビルナトリウムで、HIV-1のカプシドタンパク単量体間の界面に直接結合して、HIV-1のカプシド機能を多段階で選択的に阻害する抗ウイルス薬です。


他の抗レトロウイルス薬との併用により、多くの治療歴を有する多剤耐性HIV感染者に対するHIV治療薬として使用されます。


多剤耐性HIV-1感染症治療薬・レナカパビルは、2023年6月2日日本で承認申請され、


2023年8月1日に日本国内で多剤耐性HIV-1感染症の治療薬として製造販売承認を取得しました。


レナカパビルはHIV-1感染症に対する初のクラスとなる「カプシド阻害薬」に分類される薬剤で唯一の年2回投与の治療選択肢となります。


このレナカパビルがどのようにして、HIV予防に寄与するかは次回詳しく述べたいと思います。

 

2024年6月30日日曜日

先天性梅毒の怖さ

先天性梅毒とは、梅毒トレポネーマに感染して治療を受けなかった女性が妊娠中に胎盤を介して赤ちゃんに梅毒トレポネーマを感染させてしまうことです。


妊娠中の梅毒感染は特に危険で、死産や早産につながったり、生まれた赤ちゃんに神経や骨の異常をきたしたりする可能性が極めて高くなります。


先天性梅毒は、生後数ヶ月以内に現れる「早期先天梅毒」と、生後2年以降に現れる「晩期先天梅毒」に分類されます。


・早期先天梅毒は、水疱、丘疹、赤銅色の発疹など特徴的な皮膚の症状、リンパ節腫脹、肝脾腫などを起こします。


・晩期先天梅毒は、実質性角膜炎、難聴、歯のエナメル質の形成不全(ハッチンソン歯)などを引き起こします。


先天梅毒は2022年では年間で20例の報告数がありましたが2023年では7月5日の時点で既に20例の報告数となっています。


特に最近の若い女性の梅毒患者増加によって先天梅毒の増加にも繋がっているということがわかるはずです。


生まれてくる子供には何の罪もありませんので、妊娠が判明すれば必ず妊婦健診を受けることです。


妊婦健診では梅毒検査を実施します。


この梅毒検査は、妊娠4~12週の妊娠初期と妊娠後期に受ける必要があります。


※最近では妊婦健診を受けない妊婦の増加による先天性梅毒が発生しています※


梅毒感染を早く知り、早期に治療することにより先天性梅毒は予防可能です。 

2024年6月23日日曜日

妊婦の梅毒患者増加!!

 妊娠した女性の症例数は2021年に187例だったものが、22年には267例、23年には383例と前年比1.4倍程度で増加し、2023年は女性症例に占める妊娠症例の割合が7.2%となり、数と割合のいずれも増加しています。


2019年 208人

2020年 185人

2021年 187人

2022年 267人

2023年 383人


妊娠初期に適切な治療を受ければ胎児への感染リスクを予防可能ですが、現在妊娠初期の妊婦健診を受けないことが増加した結果、梅毒の診断を受けたときの妊娠週数が中期以降であった症例の割合は、2022年以降減少したものの、依然として40%を超えていいます。


日本では、妊娠初期の妊婦健診で梅毒のスクリーニング検査が実施され、早期の発見につなげようとしていますが、しかしながら妊婦健診を受けない妊婦もいることから、別の機会で妊娠初期に検査を受けられる機会を提供することも重要だと考えられています。


また妊娠している女性で梅毒と診断された後、流産(2022年3例・2023年2例)や死産(同11例・9例)、人工妊娠中絶(同43例・28例)に至ったケースが報告されています。


現在の感染症発生動向調査では届出が義務化されていないことから、正確に把握できていない可能性があるのと、梅毒と流産・死産などのの関連も定かではないという現実があります。

【梅毒トレポネーマの感染防止と先天性梅毒の防止には】


以下のことを厳守する必要があります。

1.兎に角男女ともに梅毒に感染しすような行為をしてしまった場合、必ず適切な時期に検査を受ける。


2.結婚前にはお互い梅毒を含む性感染症検査を受ける。


3.妊婦健診時の梅毒検査は、妊娠初期と中期に必ず受ける。


2024年6月16日日曜日

HIV再流行の兆し!!

 梅毒、淋病、クラミジアなどの性感染症の増加もさることながら、その影でHIVの再流行が危惧されています。


『HIV検査体制の改善と効果的な受検勧奨のための研究-令和5年度 総括・分担研究報告書-』によりますと、2022年のHIVの検査実施数は42805件で陽性者数が72件だったのに対し、2023年は検査数が63120件で陽性者数は116件と1年で大きく増加しているという現実を突きつけられることになりました。


要するに新型コロナウイルスの流行でHIV検査数が減少しただけで、実質は水面下でHIVの流行は起こっていたことになります。


新型コロナウイルスの流行が収まり、HIV検査を受ける人が戻った結果、なんとHIV流行が起こっていたということなのです。


要するにHIV検査を受ける人が減少した結果、HIV感染者が減少していたという皮肉な話だったわけです。


現在HIVに感染しても早期発見早期治療によって死に至ることはなく、天寿を全うすることが可能となっています。


※エイズを発症してしまってからの治療効果は芳しくありません※


またコンドームを正しく要することにより感染はほぼ予防可能です。


更に『曝露前予防内服』『曝露後予防内服』の進歩による感染予防も高い効果を得ています。


HIVは性行為と血液を介して感染し、HIV感染者と一緒に食事やおしゃべりをしたりしても感染しませんし、蚊などの昆虫が媒介することもないし、唾液で感染することもありません。


要するにほぼ100%近く感染予防ができるわけです。


大切なことは一人ひとりが正しい感染予防を行い、危険な行為をしてしまったら必ず適切な時期にHIV検査を受けることです。


そうすることによりHIV流行を過度に恐れることはなく、正しく感染予防が可能となります。

2024年6月9日日曜日

先天性梅毒増加中!!

 2024年5月26日時点の梅毒患者総数は、5251人と依然として増加中です。

【先天性梅毒とは】

先天梅毒は、梅毒に罹患した妊婦から梅毒トレポネーマが胎児に経胎盤感染することで起きます。

梅毒トレポネーマに感染した胎児の多くは死亡しますが,母体が既療梅毒患者であったり,妊娠2~3ヵ月で梅毒患者となった場合には, 梅毒トレポネーマに感染した新生児が出産される場合があります。

【日本の先天性梅毒の患者の現状】

2024年1年間の先天性梅毒患者は、37人と過去最高となっていて、2024年第1四半期においても8人と、2023年の第1四半期に比べて2人の増加となっています。

【先天性梅毒の分類】

先天性梅毒は、以下のように分類されます。

1.早期先天梅毒・・・出産時すでに症状が現れていたり,出産直後に現れる。

2.晩発性先天梅毒・・・学童期,思春期に入って発病する。

【先天性梅毒の増加してい原因】

1.梅毒が大流行して妊娠適齢期の女性の患者が増加している。

2.妊娠しても妊婦健診を受けない。

※更に妊婦の4人に1人は妊婦健診を適切に受けていない事も明らかになっています※

生まれてくる子供への感染防止のためにも妊婦健診は必ず受けおく必要があります。

【先天性梅毒は防げるのか?】

妊娠中に適切な治療を受ければ、99%以上の割合で、先天性梅毒を予防することができます。

先天性梅毒を防ぐためには、妊娠初期(妊娠4ヶ月まで)に、梅毒血清反応を妊婦健診の中で行うことが必須となっています。

※最近の梅毒の流行によって現在は、妊娠後期にも梅毒検査を受けることが推奨されています※

【先天性梅毒は防げるのか?】

妊娠中に適切な治療を受ければ、99%以上の割合で、先天性梅毒を予防することができます。


先天性梅毒を防ぐためには、妊娠初期(妊娠4ヶ月まで)に、梅毒血清反応を妊婦健診の中で行うことが必須となっています。

2024年6月2日日曜日

日本国内における2024年第1四半期における梅毒患者の状況

 梅毒患者数は3053人で、やはり流行は続いています。

このままで行くと2024年1年間では12000人を超える可能があります。

分析可能であった2495人に付いての梅毒の病期は以下のとおりです。

1.男性同性愛者の梅毒患者の病期(239人)

・早期顕症1 74人

・早期顕症Ⅱ 78人

・無症候  80人

・晩期顕症 7人

2.男性異性間の梅毒患者の病期(1325人)

・早期顕症1 862人

・早期顕症Ⅱ 281人

・無症候  171人

・晩期顕症 11人

3.女性異性間の梅毒患者の病期(931人)

・早期顕症1 228人

・早期顕症Ⅱ 376人

・無症候  323人

・晩期顕症 4人

4.無症候梅毒についてのまとめ

・男性同性愛者 80人(80/239  33.5%)

・男性異性間 281人(281/1325 21.2%)

・女性異性間 323人(323/931 34.7%)

◯総 計 684/2495 27.4% 

※梅毒トレポネーマに感染しても典型的な症状を呈さない無症候梅毒が、かなりの数で存在しています※

※無症候梅毒の増加は、感染していても症状が出ないことから感染に気づくことなく次々と感染を広げていくという悲惨な結果を招くことになっています※

1.以上のことからして今年も依然として梅毒が流行していて、収まる気配はありません

2.梅毒トレポネーマに感染しても梅毒特有の症状を呈さない無症候梅毒が多く存在していることから、危険な行為をしてしまったときには必ず適切な時期に梅毒検査を受ける必要があります。

3.梅毒は抗生物質で完治しますから、早期に発見して早期に治療することが求められています。

4.梅毒トレボネーマは、HIVの様にコンドームで完全に予防できないことから過信しないことです。

※※梅毒トレポネーマに感染するような行為をしてしまったときには、必ず適切な時期に梅毒検査を受けることが大切です※※


2024年5月26日日曜日

世界的に性感染症が増加している!!

 2024年4月に世界保健機関(WHO)が先日発表した報告書によりますと、日本だけでなく世界的に性感染症が急増していると指摘しています。

梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナスの4種類の性感染症に、世界で毎日約100万人が新たに感染していて、更に悪いことに抗生物質に耐性を持つ、つまり治療薬の効かない淋菌も増加しているという。

この報告書を読み解いてみますと、

1.15歳以上への性感染症が依然増加傾向にある

世界中で毎日、100万人以上の15歳から49歳の人々が梅毒、淋病、クラミジア、トリコモナスの4つの感染症に新規感染していて特に梅毒の新規感染症例が急増している。

この年齢層における梅毒の新規感染者は2022年に800万人に到達(20年から90万人増加)、梅毒関連の死亡者数は23万人であった。

最も増加したのは、南北アメリカとアフリカだった。

アメリカにおける感染状況は、世界的な傾向を映し出していると指摘され、アメリカ疾病対策センター(CDC)が今年初めに発表した報告書によると、2021年から2022年にかけて梅毒の総感染者数は17%以上増加し、20万7255人に到達し、これは1950年以来最大の感染者数を記録した。

また欧州疾病対策センター(ECDC)が3月に発表した最新の年次データ報告によると、2022年に欧州で性感染症が急増し、淋病感染者は前年比48%増、梅毒感染者は34%増、クラミジア感染者は16%増と危機的状況となっています。

こうした状況を受け、一部の国はすでに種々の感染対策対策を導入しています。

2.抗生物質が効かない淋菌が増加

抗生物質への耐性を持つ淋菌の増加も報告され2023年の時点で、淋菌の抗菌薬耐性サーベイランスが強化された87ヶ国のうち、9ヶ国が「治療の最終ライン」とされるセフトリアキソンに対する耐性レベルの上昇(5%から40%)を報告しています。

世界保健機関はこの状況を監視しており、感染拡大を抑えるために推奨治療法を更新しています。

【これらのことから】

1.性感染症は予防対策が重要ですから、コンドームの使用は感染リスクを低下させる効果がありますが、予防できない性感染症もあることを念頭に置く必要があります。

2.危険な行為をしてしまったときには必ず適切な時期に検査を受けて、早期治療を受けることが重要となります。

2024年5月19日日曜日

3大激痛とは

 世間でよく言われている三大疼痛について解説いたします。

一般的に以下の3つの病気の組み合わせを指します。

1.尿路結石

2.痛風

3.胆石症

これらの病気は、いずれも非常に激しい痛みを伴うことから、「三大激痛」とも呼ばれています。

1.尿路結石とは、腎臓や尿管に結石ができる病気で結石が尿路を塞ぐことで、激しい痛みや吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

2.痛風とは、血液中の尿酸値が高くなることで起こる病気で尿酸が結晶化して関節に沈着することで、激しい痛みや腫れなどの症状が現れます。

3.胆石症とは、胆嚢に結石ができる病気です結石が胆管を塞ぐことで、激しい痛みや吐き気、嘔吐などの症状が現れます。

これらの病気は、いずれも生活習慣が大きく影響します。

尿路結石は、水分不足や偏った食生活が原因で起こることが多くなります。

痛風は、プリン体の多い食事やアルコールの過剰摂取が原因で起こることが多くなります。

胆石症は、肥満や脂質異常症などが原因で起こることが多くなります。

三大疼痛は、いずれも非常に苦痛を伴う病気ですので、これらの病気にならないためには、日頃から生活習慣に気を配ることが大切です。

これ以外にも、以下の3大激痛と言われています。

・痛風、尿管結石、虫垂炎 

・膵炎、狭心症、くも膜下出血

・心筋梗塞、痛風、群発頭痛

・尿路結石、群発頭痛、心筋梗塞

・尿路結石、痛風、胆石症

※やはり痛風や結石は含まれていますねぇ※

2024年5月12日日曜日

新型コロナウイルスの新しい変異株"ピロラ"とは

新型コロナウイルス(COVID-19)のオミクロン株から新たに派生した変異株「BA.2.86(通称・ピロラ)」が7月下旬にデンマークで初めて確認され、イスラエル、米国、南アフリカ、英国において検出され、日本では2023年9月7日に東京都内で初めて確認されています。

初期の研究では、ピロラにはさまざまな変異が生じていますが、免疫回避能力は以前の変異株とさほど変わっていません。

これはワクチンでこれまでと同様の予防効果を期待でき、XBB変異株に自然感染したことがあれば、この新たな変異株に対する免疫力は高まっているとされています。

これほど多くの変異を経たにもかかわらず、ピロラの免疫回避力はさほど高くないのは、おそらく現在はもう見なくなった有名な古株である初期のオミクロン株「BA.2」から進化したと考えられています。

しかしながら現在米国内でこの新しい変異株「BA.2.86(通称ピロラ)」が急速に広がっていきています。

この変異株は米国内で3番目に多い変異株となっています。

CDCや製薬会社はピロラやその派生型に対してもある程度の防御効果があると説明しています。

ピロラは免疫回避能が高くワクチン接種や過去の感染による免疫をすり抜ける能力が高いことが分かっています。

更に感染力が高く、BA.2よりも感染力が10%以上高いと推定されています。

重症化リスクについては現時点では不明です。

主な症状としては、発熱・喉の痛み・咳・鼻水・頭痛・倦怠感・筋肉痛等となっています。

日本においても数例か検出されています。

予防あ対策は、従来の新型コロナウイスと同じです。

※現時点では、新型コロナウイルス変異株「ピロラ」の名称の由来は、公式には発表されていません※

【参考資料】

『急速に広がる"ピロラ"COVID変異株BA2.86について知ってゆくべきこと、そしてワクチンが予防効果をもたらすかどうか』




2024年5月5日日曜日

ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)でHIVに感染!!

【お断り】

今回の記事は、ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)の、効果をウンヌンしたり否定しているわけではなく、感染の事実を伝えて施術者に注意を促すことを目的としています。


 ヴァンパイアフェイシャルは、血液療法の一種で1950年代に多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)の使用が始まり、現在では美容分野でも活用されるようになりました。

肌へ微細な傷をつけることで、傷を修復しようとする人体の自然治癒力の作用により、体内のコラーゲン生成を促進し、加齢とともに生じるシワやたるみ、毛穴の開き、ニキビ跡、妊娠線など、様々な肌の症状を改善する美容皮膚科治療の一つです。

PRP(多血小板血漿)注入療法は、ご自身の血液から専用の自己型注入剤を作り、血小板と白血球の放出する成長因子によって、シワ・たるみなどの老化症状を改善させる新しい美容再生治療です。

※多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)とは、再生医療の一種であるPRP(Platelet-Rich Plasma)療法で用いられる血小板が豊富に含まれた液体の血液製剤です※

※ヴァンパイアフェイシャルは、施術後に顔に赤みが出ることに由来して名付けられました。※

自身の血液から採取したPRPを使用するため、自然な方法で肌の再生を促すことができます。

ダーマペンと呼ばれる特殊な機器を使って、肌に微細な穴を開けることで、PRPの浸透を促進します。

※ダーマペンと呼ばれる先端にマイクロ針の付いたマシンで肌に微細な穴を空け、その穴にPRPを入れて肌の再生を促す治療です。

主な適応症は、アクネ、アクネ跡、シワ、たるみ、毛穴の開き、肌質の改善などです。

肌の再生を促すことをうたう美容ケア「ヴァンパイアフェイシャル」によって、少なくとも3人の女性のHIV感染が判明しています。

【感染の原因】

本来自分自身の血小板を使用することから血液そのものからの感染は考えられません。

しかし、施術者の中にHIV感染者がいて、その施術者に使用したダーマペンや注射器の使い回しや滅菌の不備が原因でHIVに感染したと考えられています。

しかも今回のHIV感染は無許可のスパで発生しています。

【注意】

1.血液を使う美容術は、HIVやHBVなどの血液を介して感染する感染症に感染するリスクが有る。

2.使用する器具が使い捨てや滅菌が不十分であるとこれらの器具から感染する。

3.無許可のスパで受けずに医療機関で受ける。

【参考文献】

CDC週報







2024年4月28日日曜日

日本における梅毒患者増加が突出!!

 日本の梅毒患者数は、新型コロナウイルスのパンデミック発生の2020年にいったん減少しましたが、その後は再び急増する傾向にあり、その増加率が中国、オーストラリア、ニュージーランド、日本4カ国の中で日本が突出して高かった。

【参考資料】

『新型コロナウイルス感染症パンデミック後の日本における梅毒の急速な再発:記述的研究』

2020~21年にかけたは、ニュージーランドは減少、中国・オーストラリアで微増、日本は36%と増大してます。


調査の結果では、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生した2020年には全4カ国で前年と比べて梅毒の年間患者数が減少し、減少率は日本で11.7%、中国で11.0%、ニュージーランドで28.9%、オーストラリアで11.0%だった。


しかしながら翌年の2021年になると梅毒患者数は、ニュージーランドで前年と比べて12.6%減少したものの他の3カ国では増加に転じ、 増加率は中国の2.8%、オーストラリアの4.8%と増加したのに比べ、日本では36.0%と突出して増加してています。


2022年はオーストラリアの6.3倍の66.2%増で13281人に、2022年の梅毒患者数は、中国で前年と比べて7.4%減少した一方で日本とオーストラリアでは増加が続き、 日本における増加率はオーストラリアの約6.3倍と大幅に増明かしています。


2022年の日本の梅毒患者数は、現行の感染症サーベイランスが開始された1999年以降で最多の13258人に上った。


日本における梅毒患者の年齢別・性別の発生傾向は、パンデミック前後で変化がなく、男性で20~40歳代、女性で20歳代が最も多かった。


男性間性交渉者および異性愛者のいずれでもパンデミック後に梅毒患者が増加しましたが、前年からの増加率は異性愛者で高い傾向にあります。


このように梅毒患者がは急激に増加したのは、外出自粛による検査・受診減少、感染症への「慣れ」の可能性が指摘されています。


しかしながら日本で新型コロナウイルスパンデミック後に梅毒患者が急増した理由は明らかになっていません。


持っても考えられる理由としては、パンデミック下で検査を受ける・異常が見られても受診を見変えた結果、梅毒トレポネーマ感染の発見が遅れ、適切な治療が行われず感染拡大につながった 可能性が大きいと専門家は指摘しています。


梅毒が大流行しているということは、同じ性感染症のHIVも密かに流行していると考えるべ気でしょう!!


不安な行為をしてしまった時には必ず適切な時期に梅毒検査やHIV検査(その他の性感染症も)を受ける必要があります。