ポックスウイルス科オルソポックスウイルス属のエムポックスウイルスで、"コンゴ盆地型(クレードⅠ)"と"西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)"の2系統に分類されています。
コンゴ盆地型(クレードⅠ)による感染例の死亡率は10%程度であるのに対し、西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)による感染例の死亡例は1%程度と報告されています。
2024年8月15日、スウェーデン保健当局は、アフリカで感染が拡大するエムポックス(サル痘)のウイルスでより重症化しやすいタイプの「クレード1」感染者を国内で確認したと明らかにしました。
アフリカ外でクレード1の感染が確認されたのは初めてで、流行地域に滞在中、感染したとみています。
世界保健機関のテドロス・アダノム事務局長は2024年8月14日、アフリカ中部で広がる感染症「エムポックス(サル痘)」について、約1年3か月ぶりに「国際的な公衆衛生上の緊急事態」を宣言しました。
世界保健機関によりますと、エムポックスの新系統のウイルスが昨年見つかり、急拡大しコンゴ民主共和国では今年、15000人以上の感染と537人の死亡が報告され、新系統ウイルスはケニアやルワンダなど周辺国でも確認されています。
天然痘に似たエムポックスは元々アフリカの風土病でしたが、2022年以降に欧米などで感染が拡大しました。
日本国内では248人の感染が確認された。
世界保健機関は同年7月に緊急事態を宣言し、感染が落ち着いた昨年5月に解除していた。
エムポックスはリスやネズミなどの「げっ歯類」やサルなどがウイルスを保有しており、かまれると人に感染します。
人から人へは肌の接触や性行為などでうつり、発疹のほか発熱や頭痛、リンパ節の腫れなどの症状が出る。多くは発症後2~4週間で自然回復する。
感染者の体液や血液に触れたり、性的な接触をしたり、近距離での対面で飛沫に長時間さらされたりすることなどでも感染します。
ハイリスク層はMSM(Men who have Sex with Men、男性と性的接触を行う男性)とされる一方、女性や子供の感染事例もあり、妊婦や免疫不全者は重症となる場合があることが指摘されています。
タイの疾病管理当局は2024年8月22日、従来より致死性の高いコンゴ盆地型(クレードⅠ)の感染を、国内で確認したと発表しています。
これはアフリカ大陸以外での感染確認の2例目となりアジアでは初めてのことです。
日本国内での死亡者は2023年12月に、海外渡航歴のないエイズウイルス(HIV)感染者の30代男性がエムポックスで死亡しています。
国内の死者確認はこれが初めてです。
※このウイルスは西アフリカ型(クレードⅡa及びⅡb)※
今後日本国内でも致死性の高いコンゴ盆地型(クレードⅠ)が入り込む危険性はあります。