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2024年5月5日日曜日

ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)でHIVに感染!!

【お断り】

今回の記事は、ヴァンパイアフェイシャル(吸血鬼美顔術)の、効果をウンヌンしたり否定しているわけではなく、感染の事実を伝えて施術者に注意を促すことを目的としています。


 ヴァンパイアフェイシャルは、血液療法の一種で1950年代に多血小板血漿(PRP:Platelet-Rich Plasma)の使用が始まり、現在では美容分野でも活用されるようになりました。

肌へ微細な傷をつけることで、傷を修復しようとする人体の自然治癒力の作用により、体内のコラーゲン生成を促進し、加齢とともに生じるシワやたるみ、毛穴の開き、ニキビ跡、妊娠線など、様々な肌の症状を改善する美容皮膚科治療の一つです。

PRP(多血小板血漿)注入療法は、ご自身の血液から専用の自己型注入剤を作り、血小板と白血球の放出する成長因子によって、シワ・たるみなどの老化症状を改善させる新しい美容再生治療です。

※多血小板血漿(Platelet-Rich Plasma)とは、再生医療の一種であるPRP(Platelet-Rich Plasma)療法で用いられる血小板が豊富に含まれた液体の血液製剤です※

※ヴァンパイアフェイシャルは、施術後に顔に赤みが出ることに由来して名付けられました。※

自身の血液から採取したPRPを使用するため、自然な方法で肌の再生を促すことができます。

ダーマペンと呼ばれる特殊な機器を使って、肌に微細な穴を開けることで、PRPの浸透を促進します。

※ダーマペンと呼ばれる先端にマイクロ針の付いたマシンで肌に微細な穴を空け、その穴にPRPを入れて肌の再生を促す治療です。

主な適応症は、アクネ、アクネ跡、シワ、たるみ、毛穴の開き、肌質の改善などです。

肌の再生を促すことをうたう美容ケア「ヴァンパイアフェイシャル」によって、少なくとも3人の女性のHIV感染が判明しています。

【感染の原因】

本来自分自身の血小板を使用することから血液そのものからの感染は考えられません。

しかし、施術者の中にHIV感染者がいて、その施術者に使用したダーマペンや注射器の使い回しや滅菌の不備が原因でHIVに感染したと考えられています。

しかも今回のHIV感染は無許可のスパで発生しています。

【注意】

1.血液を使う美容術は、HIVやHBVなどの血液を介して感染する感染症に感染するリスクが有る。

2.使用する器具が使い捨てや滅菌が不十分であるとこれらの器具から感染する。

3.無許可のスパで受けずに医療機関で受ける。

【参考文献】

CDC週報







2024年4月28日日曜日

日本における梅毒患者増加が突出!!

 日本の梅毒患者数は、新型コロナウイルスのパンデミック発生の2020年にいったん減少しましたが、その後は再び急増する傾向にあり、その増加率が中国、オーストラリア、ニュージーランド、日本4カ国の中で日本が突出して高かった。

【参考資料】

『新型コロナウイルス感染症パンデミック後の日本における梅毒の急速な再発:記述的研究』

2020~21年にかけたは、ニュージーランドは減少、中国・オーストラリアで微増、日本は36%と増大してます。


調査の結果では、新型コロナウイルスによるパンデミックが発生した2020年には全4カ国で前年と比べて梅毒の年間患者数が減少し、減少率は日本で11.7%、中国で11.0%、ニュージーランドで28.9%、オーストラリアで11.0%だった。


しかしながら翌年の2021年になると梅毒患者数は、ニュージーランドで前年と比べて12.6%減少したものの他の3カ国では増加に転じ、 増加率は中国の2.8%、オーストラリアの4.8%と増加したのに比べ、日本では36.0%と突出して増加してています。


2022年はオーストラリアの6.3倍の66.2%増で13281人に、2022年の梅毒患者数は、中国で前年と比べて7.4%減少した一方で日本とオーストラリアでは増加が続き、 日本における増加率はオーストラリアの約6.3倍と大幅に増明かしています。


2022年の日本の梅毒患者数は、現行の感染症サーベイランスが開始された1999年以降で最多の13258人に上った。


日本における梅毒患者の年齢別・性別の発生傾向は、パンデミック前後で変化がなく、男性で20~40歳代、女性で20歳代が最も多かった。


男性間性交渉者および異性愛者のいずれでもパンデミック後に梅毒患者が増加しましたが、前年からの増加率は異性愛者で高い傾向にあります。


このように梅毒患者がは急激に増加したのは、外出自粛による検査・受診減少、感染症への「慣れ」の可能性が指摘されています。


しかしながら日本で新型コロナウイルスパンデミック後に梅毒患者が急増した理由は明らかになっていません。


持っても考えられる理由としては、パンデミック下で検査を受ける・異常が見られても受診を見変えた結果、梅毒トレポネーマ感染の発見が遅れ、適切な治療が行われず感染拡大につながった 可能性が大きいと専門家は指摘しています。


梅毒が大流行しているということは、同じ性感染症のHIVも密かに流行していると考えるべ気でしょう!!


不安な行為をしてしまった時には必ず適切な時期に梅毒検査やHIV検査(その他の性感染症も)を受ける必要があります。


2024年4月21日日曜日

2024年になっても相変わらず無症候性梅毒が多い!!

2024年4月7日現在の梅毒患者数は、3332人減少は見られません。

2024年第1四半期 2473人の梅毒患者の病期分析


男性同性愛者 232人

・早期第Ⅰ期 74人

・早期第Ⅱ期 78人

・無症候性 80人


男性異性間者 1314人

・早期第Ⅰ期 862人

・早期第Ⅱ期 281人

・無症候性 171人


女性異性間者 927人

・早期第Ⅰ期 228人

・早期第Ⅱ期 376人

・無症候性 323人


【無症候性梅毒の比率】

1.男性同性愛者 80人/232人:34.5%

2.男性異性間者 171人/1314人:13.0%

3.女性異性間者 323人/927人:34.9%

4.男女総計 483人/2473人:19.5%


※無症候性梅毒患者が多いことから以下の点に注意が必要となります※

1.梅毒トレポネーマに感染しても、梅毒特有の症状が出ないことから感染に気づかない。

2.梅毒トレポネーマ感染は検査を受けないとわからない。

3.感染に気づかないということは知らず知らずの内に感染を拡大している。

4.不安な行為をしてしまったときには必ず適切な時期に梅毒検査を受ける。





2024年4月14日日曜日

HIV新規感染者数が7年ぶりに増加!!

2023年1年間の新規HIV感染者数が960人となり、7年ぶりの増加となりました。


しかも感染ルートの66%が“同性間の性行為”でした。


さらに感染者のおよそ30%がエイズを発症していました。


感染経路の分析の結果、同性間の性行為による感染が66%、異性間の性行為による感染が14%でした。


感染者数の増加については、新型コロナウイルスの影響で検査数が少ない状況が続いた後一転してHIV検査が開始されたことに起因していると厚生労働省が指摘しています。


実際、2023年の検査数は2022年より約33000件多い約106000件と増加しています。


この検査者の増加が、新規HIV感染者数を押し上げたものと考えられています。


要するに新型コロナウイルス流行時には、保健所での検査が十分行えなかったことから、感染者数は見かけ上減少していたということだけだったわけです。


新型コロナウイルス流行時においても梅毒患者数は大幅に増加していたことから、HIV感染者数も我々が知らないだけで実際は増加していたことになりえます。


新型コロナウイルスの感染が収まり、人と人との接触数増加に伴い、多くの感染症が増加に転じていることから、当然のことながらHIVも同様の傾向であろうと想定していましたが想定通りとなったことになります。


既にエイズを発症している人が、30%多い水準にあることからして、これはHIV検査が十分にできておらずエイズを発症していないHIV感染者が多い可能性を示唆しています。


このことは第三者への感染のリスクが高くなることからに、感染するような行為をしてしまった人は必ず検査を受けることです。


HIVの治療は早期発見・早期治療が大事なので、不安に感じたら一度検査を受けることが大切です。


 

2024年4月7日日曜日

はしか(麻疹)大流行の恐れ!!

はしか(麻疹)は、毎年春から初夏にかけて流行が見られます。

はしかは感染力が極めて強く、飛沫や接触による感染だけでなく、空気感染も起きるため、免疫がない場合、感染者と同じ室内にいただけで、ほぼ確実に感染するといわれています。

患者1人から何人に感染を広げるかを示す『基本再生産数』は、季節性インフルエンザが1~2人なのに対して、はしかは12~18人となっています。

はしかは感染力が強く、空気感染もするので、手洗い、マスクのみで予防はできません。

それでははしかはどのように予防するのでしょうか?

それははしかの予防接種を受けることです。

はしかの過去の推移をは、2007年と2008年に10~20代を中心に大きな流行がみられましたが、2008年より5年間、中学1年相当、高校3年相当の年代に2回目のはしかワクチン接種を受ける機会を設けたことなどで、2009年以降は10~20代の患者数は激減しました。

はしかの患者に接触した場合、72時間以内にはしかワクチンの接種をすることで、はしかの発症を予防できる可能性があります。

日本では、子供を中心にはしかワクチンの接種を進めた結果、2015年に、WHOから土着のウイルスがいない"はしか排除状態"になったと認定され、国内で報告されるのは海外から入国したり、帰国したりした人が感染していたケースとなっています。

はしかの国内流行にそなえて厚生労働省は、母子手帳などで自分がはしかのワクチン接種を2回完了しているかどうかを確認し、接種を受けていない場合ははしかワクチンの接種を検討してほしいと呼びかけていますが、現実医療機関では既にワクチンの不足が報告されています。

ご自身が麻疹に感染したことがあるかわからない、また免疫が獲得できているかわからない場合、採血で抗体検査を受けることで確認することができますが、自費診療で数千円かかります。

【はしかの予防接種を受けていない世代】

1.1977年9月30日以前に生まれた人・・1回も接種していない可能性が高い年代。

2.1972年10月1日~1990年4月1日生まれの人・・定期接種としては1回しか接種していない年代。

3.1990年4月2日~2000年4月1日生まれの人・・接種率が低かったため,対象時期に2回目の接種を受けていない人が多い。

4.2000年4月2日以降に生まれた人・・定期接種として2回接種を受けている年代。

※今までにはしかにかかった人・・免疫があり予防接種不要。※

2024年3月31日日曜日

紅麹とベニコウジ色素の違い

小林製薬の紅麹サプリで多くの健康被害が報告されていることに鑑みこの記事を掲載します。


紅麹は赤カビによる米や米麹の発酵過程によって生産される食品であり、菌や発酵物として健康補助食品や調味料として広く利用されています。 


一方ベニコウジ色素は、ベニコウジカビ属菌糸状菌の培養液から得られた特定の成分です。


種々の食品に表示されている"ベニコウジ色素"や"着色料(紅麹)"の文字が気になるようですが、これらは食品添加物で、小林製薬の紅麹(食品添加物ではなく食品原料)とは違うものです。


ベニコウジ色素は、食品添加物の既存添加物として様々な食品に使用が認められており、厚生労働省が食品衛生法に基づいて定めた食品添加物公定書にも記載されています。


【参考資料】

『食品添加物公定書第10版』


紅麹色素自体に発がん性や短期毒性は確認されていません。


紅麹菌の中には「シトリニン」というカビ毒をつくるものもあり、腎臓の病気を引き起こすおそれがあるとされています。


 国の食品安全委員会によりますと、ヨーロッパでは紅麹由来の健康食品による健康被害が報告されていて、EU=ヨーロッパ連合は健康食品に含まれる「シトリニン」の基準値を設定しているということです。

【参考資料】

『欧州連合(EU)、紅麹由来のサプリメント中のかび毒シトリニンの基準値を設定』

『スイス連邦食品安全獣医局(BLV)、紅麹を成分に含む食品の売買は違法と注意喚起』

『健康食品における安全性について』


2024年3月24日日曜日

日本国内で人から人へのマダニ感染症が確認される!!

 国立感染症研究所は、2024年3月19日、マダニが媒介するウイルス感染症「重症熱性血小板減少症候群(syndrome thrombocytopenia with fever severe:SFTS)の人から人への感染例を、国内で初めて確認したと発表しました。


SFTSは、ブニヤウイルス科フレボウイルス属に分類されるSFTSウイルス(SFTSV)によるマダニ媒介感染症で、主にマダニに刺咬されることで感染し、潜伏期間は6~14日です。


最近では、SFTSVに感染した伴侶動物(ネコ、イヌ)に咬まれて、または、直接触れて感染した事例も報告されています。


SFTSの人から人への感染例は、中国や韓国では報告されていますが、基本的には「SFTSはマダニからの感染が基本で、人から人への感染は簡単には起きないとされています。


人から感染したのは20歳代の男性医師。2023年4月にSFTSと診断された90歳代の男性患者を担当し、死亡後に点滴を外す処置などを行い、その9日後に38℃発熱などの症状が出て、SFTSと診断されました。


死亡した男性と医師のウイルスの遺伝子を調べたところ、同一と考えられたため、人から人への感染と判断されました。


医師の症状は軽快しています。


患者の血液や体液に触れる可能性がある医療従事者は感染対策を徹底する必要があると警笛を鳴らしています。


感染した医師は、処置時にマスクや手袋は着けていたが、ゴーグルは着用していなかったとのことてす。


【重症熱性血小板減少症候群の感染ルート】


1.マダニに噛まれる


2.マダニに噛まれたネコの唾液や尿に触れる


3.マダニに噛まれた人の血液・尿・唾液に触れる


【重症熱性血小板減少症候群の予防対策】


上記1~3に気をつけることです。


※人から人への感染が確認されたことから、今後日本国内でも患者と接触して感染が発生する危険性があることを認識しておく必要があります※


【参考資料】


『重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A』


『重症熱性血小板減少症候群 (SFTS) 診療の手引き』