血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2025年2月16日日曜日

非アルコール性脂肪性肝疾患検査-1.非アルコール性脂肪性肝疾患検査とは-

 非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease: NAFLD)とは、アルコールを多量に飲まない人でも、肝臓に脂肪が蓄積する病気です。


主な原因は、肥満、糖尿病、高脂血症などの生活習慣病や、遺伝的要因などが考えられています。


NAFLDは、初期には自覚症状がないことが多いですが、進行すると肝炎、肝硬変、肝がんなどに進行する可能性もあります。


NAFLDの診断には、血液検査、腹部超音波検査、CT検査、MRI検査などが行われます。


治療は、食事療法、運動療法、薬物療法などが行われます。


NAFLDは良性の経過をたどる単純性脂肪肝と、肝硬変や肝癌に進行する可能性がある非アルコール性脂肪肝炎 (nonalcoholic steatohepatitis: NASH)に分かれます。

わが国にはNAFLDが約1,000万人、NASHが約100~200万人いると推定されます。


【参考資料】

2025年2月9日日曜日

薬局でジェネリックを拒否し先発薬希望で"特別の料金追加"加算の新たな仕組み

 2024年10月からジェネリックを拒否し先発薬希望で"特別の料金追加が発生する新しい仕組みをなかなか理解できずに薬局でトラブル事案が発生していることから、今回はこのことについて解説させていただきます。


【2024年10月から始まる薬に関する新しい仕組み】


10月から使用感や味など薬の有効性とは関係がない理由(患者の都合)で先発医薬品を

希望すると"特別の料金"がかかり、患者自身の負担となります。


その料金は先発医薬品とジェネリックの価格差の4分の1相当の料金のことを言います。


【対象となる薬とは】


いわゆる長期収載品と呼ばれる、同じ成分のジェネリックがある先発医薬品が対象と

なります。


 ※ジェネリックの存在しない薬は対象とはなりません※

 

【特別料金は誰にでもかかるのか?】特別料金は誰にでもかかるのか?


普段は薬局での薬代がかからないお子さんなどの場合でも、味の好みなどの理由から

先発医薬品を希望すると"特別の料金"が発生します。


例外としては、患者がそのジェネリックを使用して副作用を起こしたことがあるなど、

医療上の必要がある場合は"特別の料金"は発生しません。


薬局の製造流通が要因となり薬局にジェネリックの在庫がなく、先発医薬品で薬をも

らった場合も特別の料金はかかりません。


【どうしても先発医薬品を希望する場合はどうするの】


どうしても先発医薬品が欲しいという人は、まずは診察時に医師に相談してみてくだ

さい。


医療上の理由で先発医薬品による薬物療法が必要と医師によって判断された場合には

特別の料金はかかりません。


医師により医療上の必要性が認められると処方箋の「変更不可(医療上の理由)」欄

にチェックを入れてもらえば先発医薬品でも"特別の料金"は発生しません。


処方箋の「変更不可(医療上の理由)」欄にチェックがないと「患者希望」の欄にチ

ェックが記載されてしまいシェネリック処方となります。


医師が処方箋を発行する際に「変更不可(医療上の理由)」欄にチェックを入れない

で、薬局で変更はできませんので必ず診察時に医師に申し入れることです。


今回の改悪の趣旨を丁寧に説明しない薬局もありますので注意が必要です。

                 処方箋見本




2025年2月2日日曜日

2024年1年間の梅毒の現状

2024年の梅毒患者報告数は、全国で14,663人でこれは、感染症発生動向調査の全数把握感染症に定められた1999年以降で2023年に報告された14,906人に次ぐ2番目に患者数となっています。

細菌では10~20代の若年層の女性に多く感染しています。 

【調査できた11802人の梅毒の病期】

◯男性 同性愛感染者 1259

早期顕症Ⅰ 367

早期顕症Ⅱ 474

無症候  403

晩期顕症 15

◯男性 異性間感染者 6267

早期顕症Ⅰ 4014

早期顕症Ⅱ 1480

無症候  705

晩期顕症 68

◯女性 異性間感染者 4276

早期顕症Ⅰ 1049

早期顕症Ⅱ 1780

無症候  1428

晩期顕症 19

【無症候梅毒の分析】

◯男女合計

2536/11802 21.5%

◯男性

1108/7526 15.3%

◯女性

1428/4276 33.4% 

※梅毒とトレポネーマに感染しても梅毒特有の症状を呈さない患者がかなり見られ特に女性の場合に多い傾向があります※

※無症候梅毒は感染に気づくことなく感染者を広げる危険性が高いことから、不安な行為をしてしまったら必ず適切な時期に梅毒検査を受けることが感染者増加を防ぐ手段となります※