血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2013年7月1日月曜日

臨床検査における感度と特異度について-3.感度と特異度の相関関係について-

検査とは、"感度の高い検査でスクリーニングを行い、"特異度の高い検査で診断を確定する"ことにつきます。

理想としては、感度、特異度の両者が共に100%が望ましい訳ですが,現実的にはそのよう検査は存在しません。

感度を上げれば特異度は低下し、特異度を上げれば感度は低下します。

そのために、スクリーニングに使用するHIV抗体検査では、感染している人をひとりも見逃すことのない感度100%が要求されます。

しかし、感度100%を要求すると、HIVに感染していない人も陽性と判定してしまいます、すなわち特異度が低下するわけです。


先に解説しましたように、

1.感染している人はすべて正しく検出で来るのが感度

2.HIVに感染していない人は全て陰性するのが特異度

と呼びます。

HIV感染の判断をするHIV抗体検査の感度と特異度の関係は、

※スクリーニング検査としては、HIV感染者を一人も見逃さないために感度100%の検査を使用します。

※確認検査としては、ニセのHIV感染者を排除する意味から、特異度100%の検査を使用します。

【事 例】

HIV検査で感度高いリアルタイムPCR検査で、不安な行為から11日で陽性となった場合、
特異度の高いウエスタンブロット法でこの時期に検査をしますと、この検査は感度が低いことから陰性となってしまいます。

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