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2020年3月9日月曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症について-9.「飛沫感染」と「空気感染」の違いについて-

最初に結論を言いますと「飛沫感染」と「空気感染」は全く異なるものです。

それでは「飛沫感染」と「空気感染」の違いについて解説していきます。

咳やくしゃみをすると、口から細かい水滴が飛び散りますこの細かい水滴を飛沫と言い、この飛沫に病気の原因となる細菌やウイルスが含まれていた場合、これを吸い込むことで感染するのが飛沫感染です。

飛沫は最大でも2m程度しか飛ぶことができませんので、飛沫感染する病原体に感染した人がいたとしても、その人から2m以上の距離を保てば感染しないのです。

医学的にクシャミをすると約およそ0,000個以上の飛沫が飛び散り、5分間話す、咳をすると3,000個の飛沫核が飛び散るといわれています。

しかし、実際には口や鼻から飛び出す飛沫や飛沫核の数については、咳やくしゃみの程度によって異なりますので一概には言えません。

飛沫感染する病原体としてはインフルエンザ、百日咳、おたふくかぜなどがあります。

新型コロナウイルスも飛沫感染します。

感染者の体内から体外に新型コロナウイルスが放出される時は、"飛沫(水分)"に包まれて飛び出します。

唾液や鼻汁などの"飛沫(水分)"に包まれて新型コロナウイルスは体の外に放出され、第三者の顔や手指などの体やその他の手すり・ドアノブ・机などに付着することななります。

このとき飛沫に含まれたウイルスを医療用語で"飛沫核"と呼びます。

飛沫感染するウイルスの場合、飛び出た飛沫の水分が蒸発してしまうと、飛沫核(ウイルス)は感染力はなくなります。

要する新型にコロナウイルスは、飛び出た飛沫の水分が蒸発してしまうと、感染力はなくなり感染しなくなるということです。

飛び出た飛沫の中の新型コロナウイルス感染力を持っている時間は、完全に判明していないので、インフルエンザウイルスなどを参考にして平均で2~8時間と考えられています。

反面空気感染するウイルスは、飛沫の水分が蒸発して"飛沫核"となってもウイルスの感染力はありますので感染するということになります。

これが「空気感染」で、"飛沫核"は小さいし、水分がなくて軽い訳ですから、空気中にふわふわと漂いこれを吸い込んだ人は感染するというわけです。

新型コロナウイルスは、2020年3月9日現在「空気感染」はしないと確認されています。

一方空気感染とは、別の呼び方として飛沫核感染ともいいます。

飛沫核とは、飛沫の水分が蒸発した小さな粒子のことでこれを吸いこむことで感染するのが飛沫核感染、つまり空気感染ということなのです。

飛沫は水分を含んでいるためそれなりの重さがあり、体内から放出された後、すぐに地面に落ちてしまいますが、飛沫核は水分が無いぶん軽いため、長い時間たっても空気中に浮遊し、しかも遠くまで飛んでいくことができます。

病原体の中には、飛沫に含まれる水分が蒸発するとそのまま空気中を漂うものがあります。

しかも感染力を保ったまま空気中をプカプカ浮いている状態で存在していますから、このタイプの病原体は同じ空間にいると感染者から遠い場所にいても感染してしまう危険があるのです。

空気感染できる感染症は、麻疹、水痘、結核の3つしかありません。

これら3つ病原体は「空気感染」することから感染力が非常に強いということなのです。
部屋を換気して空気を入れ替えればウイルスを含んだ飛沫は乾燥して蒸発して飛び散り、そこで伝染性を失いますから、部屋の換気は十分にする必要があります密室は感染を広げますから、このことはライブハウスなど空気の入れ替えがなく空気の淀んだ閉鎖空間での新型コロナウイルス感染者の報告からも明らかなことです。

部屋を閉鎖空間とすることなく十分に換気を行うことにより新型コロナウイルスの感染は予防可能となります。

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