血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2013年1月27日日曜日

尿検査-No.1 尿検査とは-


尿検査は、排泄された尿で検査を行います。

一般的には「検尿」と呼ばれ、体調が悪く受診した時の検査や健康診断の際にも実施されます。

尿は、血液中の人体に有害な物や新陳代謝の老廃物などを体外へ捨てるために腎臓で濾過されて作り出されます。

普段、何気なく排泄している尿は一種の生理現象としての認識しかありませんが、尿を調べることはその人の健康状態を確かめる大切な検査のひとつです。

健康な人では、1日に約1500ml前後の尿を排泄しますが、身体の調子が悪ければ、尿にもその異常が表れます。

例を上げれば、尿に血が混じったり、ニオイがいつもと違ったり、排尿時に痛みを伴うなど、さまざまな症状が現れます。

尿検査では、以下の項目を調べます。

1.尿の色調と比重

2.pH

3.タンパク質

4.糖

5.ウロビリノーゲン

6.結石の有無

7.尿路感染の病原体

8.妊娠テスト

9.赤血球・白血球の有無

10.薬物

次回からそれぞれの検査項目について詳細に紹介していきます。

2013年1月19日土曜日

インフルエンザ迅速検査について


013年1月現在、全国的にインフルエンザが流行期に入りました。

手洗い・マスクの着用・ウガイを励行して各自が感染予防に心がけて下さい。

今回は、インフルエンザについて解説します。

インフルエンザウイルスは、A型・B型・C型の3型に分類されています。

毎年定期的に流行するのは、A型のインフルエンザウイルスです。

A型インフルエンザウイルスはヒト、鳥類、ウマ、ブタなどに感染します。

B型ウイルスの場合は、毎年の季節性A型インフルエンザの流行が終わった直後の2月~3月にかけて流行する事が多いようです。

そして、ヒトからヒトへの感染経路をもつウイルスとして確認されています。

C型インフルエンザは、症状が通常のかぜと同程度であり流行性が低いウイルスであるためにあまり馴染みがありません。

近年では、インフルエンザの感染を簡単に検査できる迅速検査キットの普及により、インフルエンザは冬だけでなく一年中を通じて発生していることが明らかになっています。

咽頭拭い液や鼻腔拭い液などの検体を使って迅速にインフルエンザを診断するキットが普及して、利用されていますが、検査を受けるタイミングによっては、インフルエンザに感染していても陰性となることがあります。

検査で陽性と出た場合は、まずインフルエンザと断定して間違いはありませんが、陰性と出た場合にはインフルエンザであることもインフルエンザでないこともあり得るので注意が必要です。

【インフルエンザ検査を受けるタイミング】

インフルエンザに感染して発病後24時間以内で受けると、まず陰性(偽陰性)となってしまいます。

その為に診察した医師は、"検査は陰性だあるが、臨床症状や流行状況から考えてどう考えてもこれはインフルエンザ"と考えれば発症後48時間以内なら効果のある抗インフルエンザ薬を処方します。

医師が抗インフルエンザ薬を処方した場合には検査の結果が陰性であっても指示通りに服薬を続けることは必要です。

インフルエンザ検査を受けるタイミングは、発熱した24時間~48時間以内が検査の陽性率も高く抗インフルエンザ薬の効果も期待できるタイミングと言えます。

重要なことは、発熱したら直ぐにでも受診してインフルエンザの検査を受けることが良いとは言えません。

2013年1月9日水曜日

ノロウイルスについて-2.ノロウイルス検査-


ノロウイルスは増殖培養する方法がまだ見つかっていないため、検査法としては便中のノロウイルス粒子を電子顕微鏡で直接検査する必要があります。

また、ELISA法やノーウォークウイルスの遺伝子配列を元にしたRT-PCR法も開発され、診断に用いられていますが、日常的な診療での利用には無理がありました。

2012年4月1日、大塚製薬が、ノロウイルス抗原キット「クイックナビ-ノロ」の簡易検査を発売しました。

この検査は簡易で検査過度の高い検査ですが、以下の制約があります。

【検査の制約】

1.3歳未満の患者

2.65 歳以上の患者

3.悪性腫瘍の診断が確定している患者

4.臓器移植後の患者

5.抗悪性腫瘍剤、免疫抑制剤、又は免疫抑制効果のある薬剤を投与中の患者

1~5以外の患者には保険適用での検査は出来ません。

【測定原理】

糞便をテストデバイスの滴加穴よりテストストリップのサンプルパッドに滴加すると,試料は毛細管現象によりコンジュゲートパッドへ移動します。

そこで抗NV-GI及び抗NV-GII抗体結合ラテックスが溶解し,試料中のNV抗原と免疫複合体を形成します。

この免疫複合体はテストストリップのメンブレン内を毛細管現象により移動し,テストライン上に固定化された抗NV-GI又は抗NV-GIIもしくは抗NV抗体に特異的に捕捉され,青色のラインを呈します。

このラインの有無を目視で確認し,試料中のNV抗原の有無を判定します。

また,反応に関与しなかった余剰の抗NV-GI及び抗NV-GII抗体結合ラテックスはコントロールラインに固定化された抗マウス免疫グロブリン(Igs)抗体(ウサギ)に捕捉され,青色のラインを呈します。

これはテストストリップ上で反応が正常に行われたことを示します。


【検査上の注意】

検体としては自然に排泄された糞便を使用する必要があります。

以下の検体は、正しい検査結果が得られ ないことがあることから使用できません。

1.嘔吐物(非糞便)

2.直腸から採取した糞便(直腸便)

3.浣腸液成分を含む糞便(浣腸便)

4.嚥下補助食品,経管栄養食等ゲル化剤等を含む食事を摂取した糞便

5.新生児の糞便

【操作方法】

1.便懸濁液の入っている検体浮遊液チューブに試料ろ過フィルター(糞便用)を確実に装着し,ゆっくりと逆さまにしてから,チューブをつまんでテストデバイスの試料滴加穴に3滴滴加します。

2.15~30℃で15分間静置します。

3.テストデバイスの判定部に出現するラインの有無を確認します。

【判定】

青色のコントロールラインと青色のテストラインを目視判定します。

※判定は15分間の反応時間経過後,速やかに行います※

(1) 陽 性

青色のコントロールラインと青色のテストラインが出現した場合,陽性と判定します。

(2) 陰 性

コントロールラインのみが出現した場合,陰性と判定します。

(3) 検 査無 効

テストラインの出現の有無によらず,コントロールラインが出現しない場合,検査は無効と判定し,再検査を行います。



【判定上の注意】

1.判定は所定の反応時間15分で行い、15分以降の結果は信頼性がありません。

2.コントロールライン又はテストラインの一部が欠けたり,色のにじみがある場合やライン以外に斑点状の発色がある場合でも,"ライン"が認識されれば検査結果は有効となります。

2013年1月1日火曜日

謹賀新年

明けましておめでとうございます。

本年もよろしくお願い致します。