単純ヘルペスは、主にヘルペスウイルス(Herpes Simplex Virus:HSV)によって引き起こされる感染症で、HSVにはHSV-1とHSV-2の2つのタイプがあり、それぞれ異なる症状を引き起こすことがあります。
HSV-1は通常、口唇ヘルペスとして知られる感染症を引き起こし、唇や口の周りに発症することが一般的でこれは一般的に軽度で、発症後に症状が消失することがあります。
HSV-1は主に接触によって広がり、感染拡大を防ぐために注意が必要です。
一方HSV-2は通常、性器ヘルペスとして知られ、性器やその周りに発症することが一般的で、性的接触を通じて広がることがよくあります。
性器ヘルペスは再発することがあり、症状が治まることがありますが、完全に治療することは難しいことがあります。
※※最近ではHSV-1は口唇ヘルペス、HSV-2は性器ヘルペスとの区別が出来なくなってきています※※
単純ヘルペスの症状には、発疹、水疱、かゆみ、痛みなどが含まれることがあります。
治療法としては、抗ウイルス薬が一般的に使用され、感染症の症状を緩和するのに役立ちます。
感染拡大を防ぐためには、適切な衛生対策と性的行動の注意が重要となります。
【単純ヘルペスウイルス抗原検査の種類】
1.ツァンク試験(Tzanck test)
水疱性の病変から塗抹標本を作ってギムザ染色で細胞診を行う検査で、ツァンク細胞(多核巨細胞)を探すために、小水疱を擦過して採取して顕微鏡で検鏡します。
この検査は、単純ヘルペス感染症と水痘・帯状疱疹ウイルスの区別ができません。
2.蛍光抗体法
単純ヘルペスウイルス(HSV-1/-2)に対するFITC((Fluorescein isothiocyanate))標識モノクローナル抗体を使って染色し、蛍光顕微鏡で蛍光を調べる検査ですが、感度は70%とあまり高くない。
3.血清学的検査
血液中のHSVに対する抗体を調べる検査ですが、陽性となっても過去の感染によるものか、現在感染しているのかの区別が付きません。
4.補体結合検査
補体がHSVの抗原抗体複合体に結合して、溶血素と共同して溶血反応('赤血球が壊れる)を調べる検査ですが、過去の感染と現在の感染の区別が付きません。
5.エライザ検査
HSVエライザ検査は、ヘルペスウイルスの感染を検出するための検査方法の一つで、この検査は、血清中の抗体(IgGやIgM)を測定し、感染の有無や感染の状態を評価するのに使用されます
HSVに感染したかどうか、感染が初感染か再感染か、またウイルスのタイプ(HSV-1またはHSV-2)を特定するのに役立ちます。
6.PCR検査
HSVをPCR(核酸増幅検査)で調べる方法です。
7.単純ヘルペスウイルス抗原検査キット
イムノクロマト法を利用してHSVの抗原調べる検査キットで『デルマクイックHSV』です。
『デルマクイックHSV』は、HSV感染症患者の検体採取部位を問わない皮膚擦過物[皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液]を検体とするHSV抗原の迅速検出キットを開発しましたです
HSVキット「デルマクイックHSV」は、皮疹(水疱・膿疱)の内容物又はびらん・潰瘍のぬぐい液を検体とし、1試薬1ステップの検体抽出操作で、HSV抗原を検出することができます。
検査時間は5~10分で終わります。
検査の感度(PCRと比較)
・陽性一致率 78.8%
・陰性一致率 99.2%
・全体一致率 88.4%
※PCR検査と比べて陽性一致率はやや低いですが遜色のない検査キットで、今後臨床現場でその威力を発揮するものと期待されています※
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