2022年8月17日世界保健機関(WHO)は、サル痘の人から犬への感染が初めて報告されたことを受け、感染者に対して動物への接触を避けるよう呼び掛けた。
米国疾病対策センター(CDC)も、2022年8月12日、サル痘に感染する可能性のある動物のリストをウェブサイトに掲載し、犬を「感染する恐れあり」と表示しています。
これはフランスで感染した男性と同じベッドで寝ていたペットの4歳の雄犬がサル痘に感染した事例を受けたものです。
ネコの感染は「不明」とされ、他にリスなどが感染する恐れのある動物とされています。
人から犬への感染事例は、仏パリで同居している男性2人とイタリアングレイハウンドの間でのもので、英医学誌ランセット(The Lancet)で先週発表された。
WHOでサル痘の技術責任者を務めるロザムンド・ルイス(Rosamund Lewis)氏は記者会見で、人から動物への感染が報告された初の事例であり、犬が感染した例としても初めてとみられると説明しています。
現在犬から犬への感染、またはイヌからヒトへ感染することを示す証拠はみつかっていません。
こうした感染が起こり得ることは以前から認識されており、各保健機関は感染者に対し、自らをペットから隔離するよう助言していました。
また、野外に生息するネズミなどへの感染リスクを下げるため、廃棄物の管理が重要だと注意を促しています。
ウイルスが種の壁を越えて感染すると、変異により危険性が増す懸念が生じることが多い場合があります。
これに関して現時点ではサル痘ウイルスが変異したという報告はないと強調されています。
世界保健機関は2022年7月、サル痘について「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」を宣言しています。
【参考文献】