血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2020年2月10日月曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症について-5.新型コロナウイルスはマスクで感染防止できるのか-

基本的にマスクではかぜやインフルエンザそして新型コロナウイルスの感染予防はできません。

そもそもマスクは、感染予防のために使うものではなく、感染してしまった人が周囲に広げないために使うものなのです。

せきやくしゃみをすると、医学的見地からして1mから2mも唾液などの飛まつが飛ぶと言われています、そのため感染者の飛まつがウイルスを広げる大きな要因となります。

これはインフルエンザや通常のコロナウイルスそして新型コロナウイルスなど多くのウイルス性感染症で共通する特徴なのです。

従ってせきやくしゃみの症状がある人が正しくマスクをつけることは、他の人に感染させない、感染を広げないための"基本原則"と理解しておく必要があります。

では健康な人がマスクを付けることにはどの様な意義があるのでしょうか?

専門機関のホームページで確かめてみました。

1.WHO(世界保健機関)

マスクだけでは感染を防げる保証は無いとして、貴重な資源をむだにせず、また間違った使い方をしないためにも、症状のある人だけがマスクをするよう呼びかけています。

さらに「マスク使用のアドバイス」には、マスクで予防できるという科学的根拠は無いため、症状が無い場合はマスクは必要ないと記載されています。

※新型コロナウイルスの患者の看病などをする場合はマスクをつけるべきだとしています※

2.CDC(アメリカ疾病対策センター)

特別な状況にないかぎり、感染を避けるという目的で症状のない人がマスクを着用することは推奨しないとしています。

人混みを避けられない場合や、妊婦や高齢者など発症するとリスクが大きい人や、家族などでそうした人と接触する場合は、マスクを使用してもいいと記載しています。

結論としては、マスクだけでは、予防効果はあまり期待できないけれど、人混みの中など一定の環境では、ある程度の予防に役立つ可能性は否定できないが、感染予防に役立つという科学的なエビデンスは存在しないと解釈できます。

マスクで感染予防が出来るというエビデンスはなぜないのでしょうか?

その理由は以下のように考えられます。

マスクで感染予防が出来るということを確かめるには、統計処理の出来るできる多くの人たちを2グループに分け、必ずマスクをつけて生活するグループとマスクを全くしないグループで、どれだけ感染するかを調べる必要があります。

当然その調査期間は、長くなり感染症の流行している間ずっと続ける必要があるかもしれません。

そしてマスクをしたグループとしなかったグループにおいての感染者数を統計処理する必要がありますが、現実この様な調査は不可能で実施されていないことから、マスクによる感染予防のエビデンスはないというわけです。

最後にマスクの確かな効果についてまとめてみますと、

1.症状の無い人は、マスクはしないよりはした方がマシ程度に考えるべき。

2.マスクが無いならば、あまり気にせず、手洗いや睡眠をしっかりとって体調を整えておくなどの対策に力を入れるべき。

3.持病があったり、高齢であったり、またウイルスに感染しやすくなっている妊婦であったり、感染症のハイリスクとされる人たちは、マスクをつけるほうがつけないよりまし。

4.いくらマスクを使用しても正しく付けられていないマスクは感染予防の意味がまったくないことを理解しておく。

※マスクをしていても鼻が出ていたり、あごにかけているだけだったりと間違った使い方をしていると予防効果は無い※

5.以上のことからして現在、マスクが品薄と報じられていますが、パニックになる必要はありません。


0 件のコメント:

コメントを投稿