水痘・帯状疱疹ウイルスは、α-ヘルペスウイルス亜科に属するウイルスで、HHV-3と呼ばれますが別称としてVZV(Varicella Zoster virus)とも呼ばれています。
ヒトに対して水痘(Varicella)と帯状疱疹(Zoster)を引き起こすウイルスです。
このウイルスは、初感染としては水痘を発症します。
水痘が治癒した後は、脊髄後根神経節に潜伏し続け何らかの原因で免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、帯状疱疹を引き起こします。
顔面神経の膝神経節に潜伏していたものが再発した場合は、皮膚症状・顔面神経麻痺・難聴・めまいを引き起こします。
【水痘の感染】
患者の鼻腔粘液、水疱からでる浸出液との接触で感染します。
典型的な症状を引き起こす1~2日前から空気感染(飛沫感染)します。
潜伏期は11~21日です。
【水痘の症状】
顔から発疹が出始め、有髪頭部から体全体に出現し、やがて手足全体にも出現します。
発熱は発疹の出現する最初の3~4日のみ認めることが多いです。
発疹の出始めは、小さい紅疹で数時間で丘疹となりやがて水泡に変化していきます。
痂皮の脱落まで1~2週間かかります。
※すべての発疹が痂皮となれば、他人に感染させることはありません※
【痂皮とは】
皮膚の表面出来た小水疱、水疱あるいは膿疱が炎症を起こし破れ、壊死塊またはびらん面の分泌物が凝固して一時的に表面を覆ったものを言います。
【水痘の終生免疫】
HHV-3に感染して水痘となり、完治すれば終生免疫を獲得し、二度と水痘になることはありません。
しかし、回帰発症と言われるものがあります。
それが帯状疱疹です。
【水痘の合併症】
髄膜炎、脳炎、神経炎、肺炎。催奇形性あり。
※免疫抑制剤を使用中(免疫抑制状態)の時にHHV-3に感染すると、無数の水疱が出来出血することからは重症化しやすく(出血性発疹)死亡率が高くなります。
【検査】
体液性免疫の有無を見る血液検査と、細胞性免疫を調べる方法としての皮内テストがあります。
血液検査としては、水痘ウイルスの抗体を調べる検査としてELA法が一番多く用いられています。
水痘の抗体が血清中に残っていなくても、細胞の中に抗体がある場合もあることから、皮内テストも合わせて行います。
皮内テストは、水痘・帯状疱疹ウイルスの一部から作られた水痘抗原を皮内接種して反応を見るテストで、結核の抗体を調べるツベルクリン反応と同じ原理です。
※水痘の判断は視診が主となります※
現れた症状を見て行う場合がほとんどで、水痘による水疱は特徴的ですから発症後2~3日で診断はつきます。
子供の水痘の診断のために、上記のような検査を実施することはまずありません。
【治療】
ヘルペスウイルスなので、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルが有効です。
水痘、帯状疱疹とも同容量を使用します。
【予防】
水痘ワクチン・帯状疱疹ワクチンを接種します。
日本では長く任意接種ででしたが2014年より定期接種となっていることから、1歳になってから間隔をあけて2度の接種を行う。
【大人の水痘予防について】
水痘の感染発症が心配なときは、抗体検査を受けるのではなく予防接種を受けることです。
仮に既に水痘に感染していて水痘に対する抗体があったとしても、予防接種を受けても健康上の問題はありません。
次回はHHV-3(水痘・帯状疱疹ウイルス)の帯状疱疹について解説いたします。
ヒトに対して水痘(Varicella)と帯状疱疹(Zoster)を引き起こすウイルスです。
このウイルスは、初感染としては水痘を発症します。
水痘が治癒した後は、脊髄後根神経節に潜伏し続け何らかの原因で免疫力が低下するとウイルスが再び活性化し、帯状疱疹を引き起こします。
顔面神経の膝神経節に潜伏していたものが再発した場合は、皮膚症状・顔面神経麻痺・難聴・めまいを引き起こします。
【水痘の感染】
患者の鼻腔粘液、水疱からでる浸出液との接触で感染します。
典型的な症状を引き起こす1~2日前から空気感染(飛沫感染)します。
潜伏期は11~21日です。
【水痘の症状】
顔から発疹が出始め、有髪頭部から体全体に出現し、やがて手足全体にも出現します。
発熱は発疹の出現する最初の3~4日のみ認めることが多いです。
発疹の出始めは、小さい紅疹で数時間で丘疹となりやがて水泡に変化していきます。
痂皮の脱落まで1~2週間かかります。
※すべての発疹が痂皮となれば、他人に感染させることはありません※
【痂皮とは】
皮膚の表面出来た小水疱、水疱あるいは膿疱が炎症を起こし破れ、壊死塊またはびらん面の分泌物が凝固して一時的に表面を覆ったものを言います。
【水痘の終生免疫】
HHV-3に感染して水痘となり、完治すれば終生免疫を獲得し、二度と水痘になることはありません。
しかし、回帰発症と言われるものがあります。
それが帯状疱疹です。
【水痘の合併症】
髄膜炎、脳炎、神経炎、肺炎。催奇形性あり。
※免疫抑制剤を使用中(免疫抑制状態)の時にHHV-3に感染すると、無数の水疱が出来出血することからは重症化しやすく(出血性発疹)死亡率が高くなります。
【検査】
体液性免疫の有無を見る血液検査と、細胞性免疫を調べる方法としての皮内テストがあります。
血液検査としては、水痘ウイルスの抗体を調べる検査としてELA法が一番多く用いられています。
水痘の抗体が血清中に残っていなくても、細胞の中に抗体がある場合もあることから、皮内テストも合わせて行います。
皮内テストは、水痘・帯状疱疹ウイルスの一部から作られた水痘抗原を皮内接種して反応を見るテストで、結核の抗体を調べるツベルクリン反応と同じ原理です。
※水痘の判断は視診が主となります※
現れた症状を見て行う場合がほとんどで、水痘による水疱は特徴的ですから発症後2~3日で診断はつきます。
子供の水痘の診断のために、上記のような検査を実施することはまずありません。
【治療】
ヘルペスウイルスなので、アシクロビル、バラシクロビル、ファムシクロビルが有効です。
水痘、帯状疱疹とも同容量を使用します。
【予防】
水痘ワクチン・帯状疱疹ワクチンを接種します。
日本では長く任意接種ででしたが2014年より定期接種となっていることから、1歳になってから間隔をあけて2度の接種を行う。
【大人の水痘予防について】
水痘の感染発症が心配なときは、抗体検査を受けるのではなく予防接種を受けることです。
仮に既に水痘に感染していて水痘に対する抗体があったとしても、予防接種を受けても健康上の問題はありません。
次回はHHV-3(水痘・帯状疱疹ウイルス)の帯状疱疹について解説いたします。
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