【マラリア原虫とは】
分類学上ではプラスモディウム(Plasmodium)属に入る寄生性の単細胞生物です。
マラリア原虫は、ウイルスでも細菌でもない寄生虫でヒト以外にチンパンジーやアカゲザルなどの霊長類、ニワトリやペンギンなどの鳥類、ハ虫類などに寄生するものが数百種類存在しますが、ヒト以外に寄生するマラリア原虫は、例外を除いてヒトには感染することはありません。
【マラリアの分類】
熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、卵形マラリア、四日熱マラリアの4種類が存在します。
これら4種のマラリアは、形態が異なるので比較的容易に鑑別診断が可能です。
熱帯熱マラリア以外は重症化することは稀ですが、熱帯熱マラリアは重症化しやすく、発症してから5~6日間不適切な治療で経過すると、痙攣や昏睡などの脳症、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性腎不全、重症貧血、循環不全によるショック代謝性アシドーシスなどの重篤な症状や合併症を呈する重症マラリアとなり、最終的に死に至ることがあります。
【マラリアの種類による発熱発作の周期】
マラリアの種類によって独特の発熱周期が見られます。
熱帯熱マラリア 不規則
三日熱マラリア 48時間
卵形マラリア 48時間
四日熱マラリア 72時間
【マラリア原虫の感染経路と寄生部位】
ハマダラカの体内で増殖したマラリア原虫のスポロゾイト(胞子が殻の中で分裂して外に出たもの)は唾液腺に集まる性質を持つことから、ハマダラカに吸血される際に蚊の唾液と一緒に大量の原虫が体内に送り込まれます。
血液中に入ると45分程度で肝細胞に寄生し、肝細胞の中で1~3週間かけて成熟増殖し、分裂小体(メロゾイト)が数千個になった段階で肝細胞を破壊し赤血球に侵入します。
赤血球の中で8~32個に分裂すると赤血球を破壊して血液中に出るサイクルを繰り返します。
したがってマラリアで発熱するのは、マラリア原虫が人の赤血球を破壊することにより起こるわけです。
【マラリアの現状】
現在では、日本やヨーロッパなどの温帯地域はマラリアの流行はありません。
熱帯、亜熱帯地域の70か国以上で流行しています。
患者は、全世界で年間3~5億人、累計で約8億人の患者が発生し、死者数は100~150万人に上ると報告されています。
現時点では、日本やヨーロッパなどの温帯地域はマラリアの流行はありませんが、地球温暖化による温度の上昇で温帯地域の温度が上昇すればマラリア原虫を媒介するハマダラカが発生し、マラリアの流行が起こり始めると専門家は危惧しています。
【日本国内でのマラリア】
日本でのマラリアは、『輸入熱帯病』としてのマラリアで、海外で感染して帰国するケースが多く年間100例ほどが報告されています。
【治療】
マラリアの治療薬としてはキニーネが有名ですが、クロロキン、メフロキン、ファンシダール、プリマキン等がありますが強い副作用があるので注意が必要です。
【感染予防対策】
第一に蚊に刺されないようにすることです。
マラリア流行地から帰国後、1~2週間後に高熱が発生した場合はマラリアが疑わることから、直ちに受診する必要があります。
マラリアワクチンは、日欧米の数社から発表されその有効性が期待されています。
【マラリア原虫の検査】
1.顕微鏡下でギムザ染色した赤血球内のキラリア原虫を調べる。
2.海外ではイムノクロマト法による迅速抗原検出キットが発売されており、15分以内で検査が終了し、熱帯熱マラリアと他の3種類を区分できます。
※イムノクロマト法を利用した簡易キットとして、ICT Malaria P.f./P.v.R(オーストラリア製)、OptiMALR(米国製)などがありますが、日本では承認されていせん※
3.実験室レベルでは種々のPCR法も開発されています。
【マラリアと輸血】
平成6年12月鹿児島県で開催された第36回日本熱帯医学会総会において、血小板輸血によって熱帯性マラリアに感染した症例が報告されています。
献血された血液のマラリア原虫の検査は、行われていませんので輸血によるマラリア感染は今までにも報告されており、今後も発生する可能性があります。
従って赤十字血液センターでは、献血者の問診を行うことにより、輸血によるマラリアの感染を防ぐよう努めていますが、完全に感染を防止することは不可能です。
分類学上ではプラスモディウム(Plasmodium)属に入る寄生性の単細胞生物です。
マラリア原虫は、ウイルスでも細菌でもない寄生虫でヒト以外にチンパンジーやアカゲザルなどの霊長類、ニワトリやペンギンなどの鳥類、ハ虫類などに寄生するものが数百種類存在しますが、ヒト以外に寄生するマラリア原虫は、例外を除いてヒトには感染することはありません。
【マラリアの分類】
熱帯熱マラリア、三日熱マラリア、卵形マラリア、四日熱マラリアの4種類が存在します。
これら4種のマラリアは、形態が異なるので比較的容易に鑑別診断が可能です。
熱帯熱マラリア以外は重症化することは稀ですが、熱帯熱マラリアは重症化しやすく、発症してから5~6日間不適切な治療で経過すると、痙攣や昏睡などの脳症、肺水腫、急性呼吸窮迫症候群、急性腎不全、重症貧血、循環不全によるショック代謝性アシドーシスなどの重篤な症状や合併症を呈する重症マラリアとなり、最終的に死に至ることがあります。
【マラリアの種類による発熱発作の周期】
マラリアの種類によって独特の発熱周期が見られます。
熱帯熱マラリア 不規則
三日熱マラリア 48時間
卵形マラリア 48時間
四日熱マラリア 72時間
【マラリア原虫の感染経路と寄生部位】
ハマダラカの体内で増殖したマラリア原虫のスポロゾイト(胞子が殻の中で分裂して外に出たもの)は唾液腺に集まる性質を持つことから、ハマダラカに吸血される際に蚊の唾液と一緒に大量の原虫が体内に送り込まれます。
血液中に入ると45分程度で肝細胞に寄生し、肝細胞の中で1~3週間かけて成熟増殖し、分裂小体(メロゾイト)が数千個になった段階で肝細胞を破壊し赤血球に侵入します。
赤血球の中で8~32個に分裂すると赤血球を破壊して血液中に出るサイクルを繰り返します。
したがってマラリアで発熱するのは、マラリア原虫が人の赤血球を破壊することにより起こるわけです。
【マラリアの現状】
現在では、日本やヨーロッパなどの温帯地域はマラリアの流行はありません。
熱帯、亜熱帯地域の70か国以上で流行しています。
患者は、全世界で年間3~5億人、累計で約8億人の患者が発生し、死者数は100~150万人に上ると報告されています。
現時点では、日本やヨーロッパなどの温帯地域はマラリアの流行はありませんが、地球温暖化による温度の上昇で温帯地域の温度が上昇すればマラリア原虫を媒介するハマダラカが発生し、マラリアの流行が起こり始めると専門家は危惧しています。
【日本国内でのマラリア】
日本でのマラリアは、『輸入熱帯病』としてのマラリアで、海外で感染して帰国するケースが多く年間100例ほどが報告されています。
【治療】
マラリアの治療薬としてはキニーネが有名ですが、クロロキン、メフロキン、ファンシダール、プリマキン等がありますが強い副作用があるので注意が必要です。
【感染予防対策】
第一に蚊に刺されないようにすることです。
マラリア流行地から帰国後、1~2週間後に高熱が発生した場合はマラリアが疑わることから、直ちに受診する必要があります。
マラリアワクチンは、日欧米の数社から発表されその有効性が期待されています。
【マラリア原虫の検査】
1.顕微鏡下でギムザ染色した赤血球内のキラリア原虫を調べる。
2.海外ではイムノクロマト法による迅速抗原検出キットが発売されており、15分以内で検査が終了し、熱帯熱マラリアと他の3種類を区分できます。
※イムノクロマト法を利用した簡易キットとして、ICT Malaria P.f./P.v.R(オーストラリア製)、OptiMALR(米国製)などがありますが、日本では承認されていせん※
3.実験室レベルでは種々のPCR法も開発されています。
【マラリアと輸血】
平成6年12月鹿児島県で開催された第36回日本熱帯医学会総会において、血小板輸血によって熱帯性マラリアに感染した症例が報告されています。
献血された血液のマラリア原虫の検査は、行われていませんので輸血によるマラリア感染は今までにも報告されており、今後も発生する可能性があります。
従って赤十字血液センターでは、献血者の問診を行うことにより、輸血によるマラリアの感染を防ぐよう努めていますが、完全に感染を防止することは不可能です。
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