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2013年4月15日月曜日

血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋: 尿検査-No.5尿蛋白検査.その2.正常蛋白②熱性蛋白尿-

血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋: 尿検査-No.5尿蛋白検査.その2.正常蛋白②熱性蛋白尿-: 発熱時に一時的に尿中に蛋白が排泄されますが、熱が下がると尿中への排泄が無くなり、尿中の尿蛋白は陰性となります。 発熱による蛋白尿ですから、熱が下がると蛋白尿も消える一過性のものですから心配はありません。


解熱後に再度尿検査を行い尿蛋白が陰性であれば、熱性蛋白尿と判断されます。

【注 意】

解熱後も尿蛋白が陽性の場合は、熱性蛋白尿ではなくほかの原因による尿中への蛋白の排泄によるものですから、精密検査の必要があります。

尿検査-No.5尿蛋白検査.その2.正常蛋白②熱性蛋白尿-


発熱時に一時的に尿中に蛋白が排泄されますが、熱が下がると尿中への排泄が無くなり、尿中の尿蛋白は陰性となります。

発熱による蛋白尿ですから、熱が下がると蛋白尿も消える一過性のものですから心配はありません。

解熱後に再度尿検査を行い尿蛋白が陰性であれば、熱性蛋白尿と判断されます。

【注 意】

解熱後も尿蛋白が陽性の場合は、熱性蛋白尿ではなくほかの原因による尿中への蛋白の排泄によるものですから、精密検査の必要があります。

2013年4月8日月曜日

尿検査-No.5尿蛋白検査.その2.正常蛋白①起立性蛋白尿-


腎臓やその他の器官が悪くなくても尿中に蛋白が排泄されることがあります。

これを、『生理蛋白』、『正常蛋白』、『良性蛋白』と呼びます。

今回は、『生理蛋白』のひとつの『起立性蛋白尿(別名 体位性蛋白尿)』について解説致します。


起立性蛋白尿とは、寝ていたり、横になっていたりして、直立していないときには尿中に蛋白は排泄されませんが、立っている時や、腰を曲げたりしている時に尿中に蛋白が排泄されます。

起立性蛋白尿は、10歳代の若年者に多くみられ、長期間持続する場合もありますが、予後は良好です。

【起立性蛋白尿の原因】


起立性蛋白尿は、腎臓の血管の尿をつくる部分である糸球体での腎臓の静脈が圧迫されて、うっ血を起こしそのために、尿中に蛋白が排泄されると考えられています。


【起立性蛋白尿の検査】

起立性体位によって尿中に蛋白が認められるが、横になることにより採取した尿中から蛋白が認められなければ、『起立性蛋白尿』と判断されます。

起床時尿で3日連続で蛋白が認められなければ、起立性蛋白尿と判断されます。

【起立性蛋白尿の対応】

起立していることにより、腎静脈が圧迫されて起こるものですから病的なものではありません。

小児などに多く背骨が曲がっていることから腎臓の血管が圧迫され、尿中に蛋白が排泄されますが、成長するに従い尿中への蛋白の排泄はなくなりますから心配はありません。

蛋白が大量に出ることはなく,顔や体がむくむ,尿の量が減ることもありません。

【注 意】

※起立性蛋白尿が成人以降に出現する可能性は低いので、病的な蛋白尿であるとの前提で臨む必要があります※

2013年4月1日月曜日

尿検査-No.5尿蛋白検査.その1.異常蛋白-


尿中に蛋白が存在するかを調べる検査です。

健常な人でも蛋白が尿に排泄されていることがありますが、テステープでの定性法で検査する場合では、陰性になるくらいの微量(150mg以下/日)です。

一般的には、アルブミンのような大きい蛋白は、腎臓の糸球体と呼ばれる濾過器を通過できないので、尿の中にはほとんど排出されません。

小さな蛋白の場合、糸球体を通過することができますが、糸球体より下部にある尿細管と呼ばれる器官で吸収されることから、これも尿の中にはほとんど排泄されません。

腎臓に障害が発生して、糸球体や尿細管に障害が起きると、蛋白を濾過・吸収する能力が低下するため、尿中に蛋白が排泄され尿蛋白が陽性となります。

【テステープによる尿蛋白陽性と定量との関係】

1+ : 尿蛋白が30~99mg/dl相当
2+ : 尿蛋白が100~299mg/dl相当
3+ : 尿蛋白が300~999mg/dl相当
4+ : 尿蛋白が1000~  mg/dl相当

※テステープの種類によって若干の違いが起こることがあります※


【基準値】

定性法 陰性(-)

定量法 20~120mg/日

※基準値は施設ごとで異なる場合があります※

【尿蛋白検査が陽性(高値)を示す】

腎臓より前の段階で異常があり、尿蛋白が陽性になるものを"腎前性"、腎臓に異常があるために陽性となるものを"腎性"、腎臓より後の臓器(例えば膀胱など)が影響して陽性となるものを"腎後性"と区別します。

1.腎前性蛋白尿

腎臓自体には異常がなく、腎臓以外の臓器の障害や感染症・悪性腫瘍などにより、血液中に低分子蛋白の増加がおこり、その結果、尿細管での蛋白の再吸収が追いつかなくなる病態で起こります。

【疑われる疾患】 多発性骨髄腫・溶血性貧血・膠原病・心不全など

2.腎性蛋白尿

腎臓の障害部位によって以下のふたつに分類されます。

1)糸球体性蛋白尿

糸球体は、血液をろ過する働きがあり、アルブミンのような大きな蛋白は通常、糸球体を通過することはできません。

しかし、糸球体に障害が起こると、アルブミンが糸球体を通過できるようになるため、蛋白が尿の中に通常時よりも多く出現します。

2)尿細管性蛋白尿

尿細管では通常、糸球体でのろ過作業によって通過してきた低分子の蛋白を体内に再吸収する働きがありますが、尿細管が障害を受けると、蛋白の再吸収ができなくなるため、蛋白が尿の中に通常時よりも多く出現します。

【疑われる疾患】 急性又は慢性腎炎・ネフローゼ症候群・アミロイド腎・カドミウム中毒・ビタミンD中毒など

3.腎後性蛋白尿

前立腺炎や膀胱炎、腎臓より下部の腫瘍などの影響により、血液や粘液などが尿に混入し、これらの影響で蛋白が尿の中に通常時よりも多く出現します。

【疑われる疾患】 膀胱炎・前立腺炎・腫瘍(膀胱、前立腺など)・膀胱や尿管結石など

2013年3月25日月曜日

尿検査-No.4尿のpH-


尿のpH検査では、尿の酸性・アルカリ性を調べます。

中性がpH7、それより数値が小さと酸性、大きいとアルカリ性をあらわします。

健康なヒトの尿は、弱酸性であり、中性に向かうよう体の調節機能が自然に働いています。

しかし偏食気味の人や、身体の一部に不調が起こり、調節機能が働きにくい状態だとこのpHに変化が起こることがあります。

動物性食品を多く摂取すると尿は酸性となり、植物性食品を多く摂取するとアルカリ性となります。


【検査目的】

尿のpHは、酸塩基平衡(体内の水素イオン濃度を適切に保つ調節機構)の異常を反映しています。


【基準値】

pH5~7.5

健常なヒトの場合は、pH6.0~6.5前後と弱酸性です。



【主な疾患】

1)尿のpHが酸性の場合

疑われる病気は、腎炎、糖尿病、痛風などがあります。

発熱や下痢の症状がある場合も、尿は酸性となります。

2)尿のpHがアルカリ性の場合

尿がアルカリ性を示した場合は、まず疑われるのは尿路感染症です。

腎盂炎や膀胱炎、尿道炎などがあります。

細菌や膿汁が尿に混じりアルカリ性となります。

※尿のpHは刻々と変化し、1日の中でも酸性から中性と時間ごとに変化することもありますから、尿のpHだけでは判断はできません。


2013年3月18日月曜日

尿検査-No.3 尿の比重-


尿比重とは、尿の中の水分と水分以外の物質の割合を算出したものです。

尿には水分以外に、体内活動の結果として含まれる老廃物(尿素や窒素、ナトリウム、クロールなど)が含まれています。

その結果、尿の比重は水よりもやや高く、健康時には1.010~1.030の範囲で変動しています。

尿比重値の変化によって、腎臓の病気を推定することができます。

尿の比重値は、健康な人でも水分摂取量により変化します。

大きく変動する場合は、腎臓での尿の濃縮力などの障害が考えられます。

【基準値】

1.020~1.025

【異常な場合疑われる病気】

低比重・・・・・慢性腎炎、尿崩症

高比重・・・・・ネフローゼ症候群、糖尿病、心不全

2013年3月11日月曜日

尿検査-No.2 尿の色について-その5.黄褐色~褐色-


尿が褐色になるのは、肝臓の代謝でできる色素が尿の中に出てきているためで、肝臓機能の異常が考えられます。

急性肝炎や胆道系の病気などの可能性も考えられます、更に肝臓に炎症がある場合は発熱、黄疸、全身倦怠感などの症状も現れます。

※健康な人でも多量に発汗したときも黄褐色になる場合がありますが、これは一次的なもので心配はありません。

※朝起きたときや、運動をした後、多量の汗をかいた後、風邪で熱のある時などは、尿が濃縮されて濃い黄褐色の尿になることがありますが、これも一時的なものなので心配はありません。

しかし、褐色の尿が長く続いたり、発熱、黄疸、全身倦怠感などの症状が続くときには、直ぐに受診することです。