2020年日本国内において日本紅斑熱の患者が420件と過去最多になっています。
本症は紅斑熱群リケッチアの一種の"リケッチア・ジャポニカ"を保有するマダニに刺咬されて感染しますが、ヒトからヒトへの感染は起こりません。
媒介ダニは、キチマダニ、フタトゲチマダニ、ヤマトマダニなどで、これらのマダニに咬まれることによって感染します。
千葉以西の太平洋側を中心に発生していましたが、近年では青森や新潟などに拡大しています。
野山に入ったときにこれらのマダニに刺咬され感染しますが、全てのダニがリケッチアをもつわけではなく、リケッチアをもつ"有毒ダニ"に刺咬されたときだけ感染します。
【症状】
有毒マダニに刺咬された2~8日後に頭痛、発熱、倦怠感を伴って発症します。
ツツガムシ病と同様に発 熱、発疹、および刺し口が主要三徴候で、ほとんどの症例にみられます。
【検査所見】
ツツガムシ病と同様にCRPの上昇、AST ALTの上昇、白血球減少および血小板減少などがみられます。
【診断法】
確定診断は主に、間接蛍光抗体法による血清診断があります。
病原体診断としては、末梢血中からのリケッチアDNA 検出検査があります。
【治療法】
第一選択としてテトラサイクリン系の抗菌薬を使用します。
【致死率】
およそ0.91%と言われています。
【予防法】
むやみに野山に入らないようにするのが一番の予防策ですが、やむを得ず立ち入る際には、
1.皮膚の露出を少なくしダニの付着を防ぐ
2.ダニ忌避剤を使用する
3.帰宅後入浴し、注意深く付着ダニの除去を行う。
この際、感染を防ぐためダニを指でつぶさず、頭部をピンセットなどで摘んで除去する。
【ご注意】
最近のキャンプブームで野山でのキャンプをする人が増加しています、その結果感染者は広がる傾向にありますのでくれぐれも感染対策を行いマダニに咬まれないように気をつける必要があります。