血液の鉄人の理解しやすく役立つ臨床検査の部屋 Headline Animator

2020年5月3日日曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について-17.死亡率と致死率-

よく死亡率と致死率という言葉を耳にしますが、これらについてわかりやすく解説します。

【死亡率】

死亡率とは、人口学において、一定人口に対する、その年の死亡者数の割合を言います。

【致死率】

致死率は、致命リスク、致命率ともいい、疫学における、特定の疾病に罹患した母集団のうち死亡する割合のことを言います。

ある地域社会で同じ病気と診断された1000人のうち90人が死亡したとしますと、これは正式に病気と診断された1000人のうち90人が死亡し、910人は回復したことを意味しています。

従って致死率は9%ということになります。

分母が患者数である致死率は、しばしば死亡率と混同されていますが、死亡率と致死率は全く異なります。

死亡率は、人口に対する死亡者数を調査したもので、人口数と期間を定めて計算し分母は人口です。

例えば人口10000人あたり1年間にインフルエンザに起因する50人の死者が生じた場合、糖尿病の死亡率は 10000:50 または 1000:5 になります。

【致命率と生存率と死亡率の関係】

致死率=死亡数/患者数

生存率=1-致命率

死亡率=死亡数/人口数


2020年4月26日日曜日

中国の武漢で発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)について-16.布マスクは有効は本当に有効なのか??!!-

新型コロナウイルスの大流行に伴いマスクが品不足となっています。

新型コロナウイルスの感染拡大防止の一環で、安倍晋三首相が洗濯して繰り返し使える布マスクを5千万余りある全世帯に2枚ずつ配る方針を表明しましたが、布マスクの効用をめぐっては、専門家の間でも懐疑的な見方が多いのが事実です。

※このマスクは異物の混入やカビが生えて生えていたりして不良品が多く、回収され未だ行き渡っていません※

その理由としては、布マスクは織り目のサイズが大きいため、を防ぐ効果が小さい。

また繰り返し洗って使う場合、管理が悪いと雑菌がはびこる可能性があり、かえって不衛生になる可能性が指摘されています。

2015年に英国の医学誌に発表された論文では、1607人の医療従事者を、医療用マスクをつける人と、布マスクをつける人、マスクをつけたり外したりする人にわけて感染リスクを比べた結果、布マスクをつけた人がもっとも呼吸器疾患やインフルエンザ症状を示した人が多かったと報告されています。

WHO(世界保健機関)は、新型コロナ感染拡大期における布マスク使用について「いかなる状況においても勧めない」と公言しています。

WHO(世界保健機関)は、現在でも症状のある人や介護や医療現場に従事する人以外のマスクの着用は推奨していません。

一方、米国疾病予防管理センター (CDC)も、一般の方にはこれまでマスクを推奨しないとしてきましたが、ガイダンスを変更し布製フェイスマスクの使用を一般の人に勧めるという勧告を出した上、サイト上で布製フェイスマスクの作り方も掲載しています。

CDCは、あくまでも、人と社会的距離をとる(少なくとも1.8メートル程度)ことが重要で、追加の感染拡大防止策として、布マスクの使用を勧めるというスタンスです。

布マスクには他者からの感染を防ぐ効果はまったく期待できないことは、多くの専門家もして指摘しています。

要するに布マスクがどれほど効果があるかのエビデンスは少ないために効果があるとは言いにくいわけです。

大きな飛沫をせき止め、のどを保湿する可能性はあるため他人にうつさないという目的を考えれば、つけないよりつけたほうが良いということになります。

布マスクをつけるだけでコロナウイルスの感染が防止できると思いこむのは危険なことです。

布マスクが感染拡大予防に効果がある可能性もあるかもしれませんし、鼻や口を物理的に何かで覆って飛沫飛散を防ぐことは一理ありますが、やはり大切なことは手洗いが重要となります。