結核菌は、およそ15時間に1回しか分裂しないことから、喀痰を培養しても結核菌のコロニー(集落)が見られるようになるには早くても3~8週間はかかります。
【培養検査の前処理】
培養検査は喀痰をNALC-NaOH法によって前処理して、抗酸菌のみを選択的に培養する検査です。
前処理に要する時間は1~2時間以内です。
【NALC-NaOH法とは】
NALC (N-acetyl-L-cysteine) は一種の還元剤で、ある一定量加えることにより粘稠な喀痰に多量に含まれるS-S結合を還元して ミSH HS-に解離させます。
NALC を加えることによって喀痰の粘稠性が失われ, サラサラとした喀痰になります
そしてNALC処理によって粘稠性が失われた喀痰に含まれる一般細菌は, より低い濃度のNaOH (最終1%) で充分殺菌されます。
NALCを用いる目的は, 一般細菌の殺菌に必要なNaOH濃度をできるだけ低くすることです。
NALC-NaOH法は, 小川培地やその他の培地での培養や後で解説するミジット検査培養の際にも使用します。
NALC-NaOH 法で用いる試薬は, 以下の三成分から成り立っています
1.喀痰融解のためのNALC―還元剤
2.結核菌以外の雑菌を殺菌する.NaOH
3.喀痰に含まれる重金属イオンを除き, NALCの作用を保護するクエン酸ナトリウム
【小川培地による培養検査】
前処理によって得られた抗酸菌を小川培地に植えて結核菌の有無を調べます。
結核菌がいないことを証明するために、小川培地に8週間培養を続けます。
結核菌がいる場合には、小川培地では4週間程度で陽性となります。
【培養検査の利点】
塗抹検査に比べて菌量が少なくてすみ(10~数百個/mL)、検出感度も高く、分離菌を用いて菌種の鑑別・同定や薬剤感受性検査などを行うことが可能です。
【培養検査の欠点】
結核菌は発育が遅いため、結果が出るまでに数週から2ケ月以上かかる点が欠点です。
【ミジット検査】
近年は、ミジット(MGIT:Mycobacteria Growth Indicator Tube)法と呼ばれる液体培地を使用します。
これは 液体培地を使用した酸素蛍光センサーを備えた抗酸菌検出システムです。
この培地には、結核菌の発育促進剤と結核菌以外の雑菌の発育を抑制する抑制剤が含まれています。
【ミジット検査の原理】
底の部分に酸素感受性の蛍光センサーを埋め込んだ試験管で抗酸菌を培養します。
結核菌の発育に伴い液体培地中の溶存酸素が消費されるのに伴って、センサー部に結合していた酸素が遊離し、センサー部が蛍光を発するようになります。
この蛍光を365nmの長波長紫外線の照明のもとに目視または機器で行います。
※全自動測定システムバクテックMGIT960(ベクトン・ディッキンソン社製)で検査を行います※
この検査では、以下の長所があります。
1.およそ2週間で結核菌を検出することができる。
2.結核菌の検出率は90%以上で、特に菌数の少ない塗抹陰性検体や喀痰以外の検体での検出率の向上が期待できる。
3.ミジットでの培養陽性後、直ちに薬剤感受性試験に移行できる。
【培養検査の長所】
一番感度がよいのが培養検査で、結核菌検査全てが陰性でも培養検査でのみ陽性になることがあります。
【培養検査の前処理】
培養検査は喀痰をNALC-NaOH法によって前処理して、抗酸菌のみを選択的に培養する検査です。
前処理に要する時間は1~2時間以内です。
【NALC-NaOH法とは】
NALC (N-acetyl-L-cysteine) は一種の還元剤で、ある一定量加えることにより粘稠な喀痰に多量に含まれるS-S結合を還元して ミSH HS-に解離させます。
NALC を加えることによって喀痰の粘稠性が失われ, サラサラとした喀痰になります
そしてNALC処理によって粘稠性が失われた喀痰に含まれる一般細菌は, より低い濃度のNaOH (最終1%) で充分殺菌されます。
NALCを用いる目的は, 一般細菌の殺菌に必要なNaOH濃度をできるだけ低くすることです。
NALC-NaOH法は, 小川培地やその他の培地での培養や後で解説するミジット検査培養の際にも使用します。
NALC-NaOH 法で用いる試薬は, 以下の三成分から成り立っています
1.喀痰融解のためのNALC―還元剤
2.結核菌以外の雑菌を殺菌する.NaOH
3.喀痰に含まれる重金属イオンを除き, NALCの作用を保護するクエン酸ナトリウム
【小川培地による培養検査】
前処理によって得られた抗酸菌を小川培地に植えて結核菌の有無を調べます。
結核菌がいないことを証明するために、小川培地に8週間培養を続けます。
結核菌がいる場合には、小川培地では4週間程度で陽性となります。
【培養検査の利点】
塗抹検査に比べて菌量が少なくてすみ(10~数百個/mL)、検出感度も高く、分離菌を用いて菌種の鑑別・同定や薬剤感受性検査などを行うことが可能です。
【培養検査の欠点】
結核菌は発育が遅いため、結果が出るまでに数週から2ケ月以上かかる点が欠点です。
【ミジット検査】
近年は、ミジット(MGIT:Mycobacteria Growth Indicator Tube)法と呼ばれる液体培地を使用します。
これは 液体培地を使用した酸素蛍光センサーを備えた抗酸菌検出システムです。
この培地には、結核菌の発育促進剤と結核菌以外の雑菌の発育を抑制する抑制剤が含まれています。
【ミジット検査の原理】
底の部分に酸素感受性の蛍光センサーを埋め込んだ試験管で抗酸菌を培養します。
結核菌の発育に伴い液体培地中の溶存酸素が消費されるのに伴って、センサー部に結合していた酸素が遊離し、センサー部が蛍光を発するようになります。
この蛍光を365nmの長波長紫外線の照明のもとに目視または機器で行います。
※全自動測定システムバクテックMGIT960(ベクトン・ディッキンソン社製)で検査を行います※
この検査では、以下の長所があります。
1.およそ2週間で結核菌を検出することができる。
2.結核菌の検出率は90%以上で、特に菌数の少ない塗抹陰性検体や喀痰以外の検体での検出率の向上が期待できる。
3.ミジットでの培養陽性後、直ちに薬剤感受性試験に移行できる。
【培養検査の長所】
一番感度がよいのが培養検査で、結核菌検査全てが陰性でも培養検査でのみ陽性になることがあります。