細菌性人獣共通感染症としては、炭疽、ペスト、結核 、パスツレラ症、サルモネラ症、リステリア症、カンピロバクタ症 レプトスピラ病、ライム病、細菌性赤痢、エルシニア・エンテロコリティカ感染症、野兎病、鼠咬症、ブルセラ症などがあります。
今回はネコひっかき病について紹介します
グラム陰性菌のバルトネラ・ヘンセラ菌(Bartonella henselae)によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつです。
バルトネラ・ヘンセラ菌は猫に対しては全く病原性はなく、長い間、この菌を保有するネコは保菌状態になっており、18ヶ月以上も感染が続くこともあります。
ネコからルコへの菌の伝播にはネコノミが関与しており、ネコの血を吸って感染したネコノミは、体内で菌を増殖させ糞便として排泄されそれがネコの歯あるいは爪に付着します。
そのネコに咬まれたり引っかかれたりすることによって人間の傷に感染します。
日本ではネコの9~15%が菌を保有しているとの報告があります。
犬からも抗体が検出され、犬やサルからの感染報告もあります。
感染したネコの血液を吸ったネコノミが人間を刺す事による感染例も報告されています。
人の猫ひっかき病は日本では全国調査がされていないために患者数は不明ですが、おそらく全国で年間2万人程度であろうと言われています。
【症状】
菌の侵入した箇所が数日から4週間程の度潜伏期間後に虫刺されの様に赤く腫れます。
痛みのあるリンパ節腫脹、37℃程度の発熱、倦怠感、関節痛などが代表的な症状で、まれに重症化する事があります。
肝膿瘍を合併することがあり、免疫不全の人や、免疫能力の落ちた高齢者では重症化して麻痺や脊髄障害を引き起こすこともあります。
【治療法】
特に治療を行わなくても、自然に治癒することも多ですが、治癒するまでに数週間から数ヶ月もかかることもあります。
エリスロマイシン、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン等が有効とされていますが、多くの症例でその効果は認められていません。
予防ワクチンはありません。
【検査】
1.関節蛍光抗体法(Indirect Fluorescence Assay:IFA)
血清診断としては,バルトネラ・ヘンセラ菌体を抗原とする間接蛍光抗体法が用いられる。
陽性・・・IgM抗体が1:16希釈以上,IgG抗体が1:128希釈以上で特異的な蛍光が見られる
2.抗体検査
単一血清でIgG抗体価が1:256以上、ペア血清で4倍以上のIgG抗体価の上昇、IgM抗体が陽性、のいずれかを認めれば陽性診断とする。
3.PCR法検査
臨床材料中のバルトネラ・ヘンセラ菌の遺伝子を検出する方法が迅速診断上有用な検査法です。
【注意】
最近のペットブームによりイヌやネコがペットが家族の一員として、ヒトがペットと濃密な接触をするが多くなっています。
動物を飼う場合には猫ひっかき病等の動物とヒトの間で起こる人獣共通感染症に対する知識を持つことは家族の健康とペットの健康を守る上で大切なことです。
今回はネコひっかき病について紹介します
グラム陰性菌のバルトネラ・ヘンセラ菌(Bartonella henselae)によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつです。
バルトネラ・ヘンセラ菌は猫に対しては全く病原性はなく、長い間、この菌を保有するネコは保菌状態になっており、18ヶ月以上も感染が続くこともあります。
ネコからルコへの菌の伝播にはネコノミが関与しており、ネコの血を吸って感染したネコノミは、体内で菌を増殖させ糞便として排泄されそれがネコの歯あるいは爪に付着します。
そのネコに咬まれたり引っかかれたりすることによって人間の傷に感染します。
日本ではネコの9~15%が菌を保有しているとの報告があります。
犬からも抗体が検出され、犬やサルからの感染報告もあります。
感染したネコの血液を吸ったネコノミが人間を刺す事による感染例も報告されています。
人の猫ひっかき病は日本では全国調査がされていないために患者数は不明ですが、おそらく全国で年間2万人程度であろうと言われています。
【症状】
菌の侵入した箇所が数日から4週間程の度潜伏期間後に虫刺されの様に赤く腫れます。
痛みのあるリンパ節腫脹、37℃程度の発熱、倦怠感、関節痛などが代表的な症状で、まれに重症化する事があります。
肝膿瘍を合併することがあり、免疫不全の人や、免疫能力の落ちた高齢者では重症化して麻痺や脊髄障害を引き起こすこともあります。
【治療法】
特に治療を行わなくても、自然に治癒することも多ですが、治癒するまでに数週間から数ヶ月もかかることもあります。
エリスロマイシン、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン等が有効とされていますが、多くの症例でその効果は認められていません。
予防ワクチンはありません。
【検査】
1.関節蛍光抗体法(Indirect Fluorescence Assay:IFA)
血清診断としては,バルトネラ・ヘンセラ菌体を抗原とする間接蛍光抗体法が用いられる。
陽性・・・IgM抗体が1:16希釈以上,IgG抗体が1:128希釈以上で特異的な蛍光が見られる
2.抗体検査
単一血清でIgG抗体価が1:256以上、ペア血清で4倍以上のIgG抗体価の上昇、IgM抗体が陽性、のいずれかを認めれば陽性診断とする。
3.PCR法検査
臨床材料中のバルトネラ・ヘンセラ菌の遺伝子を検出する方法が迅速診断上有用な検査法です。
【注意】
最近のペットブームによりイヌやネコがペットが家族の一員として、ヒトがペットと濃密な接触をするが多くなっています。
動物を飼う場合には猫ひっかき病等の動物とヒトの間で起こる人獣共通感染症に対する知識を持つことは家族の健康とペットの健康を守る上で大切なことです。