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2022年4月17日日曜日

新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月)

 厚生労働省は、「新型コロナウイルス感染症の“いま”に関する11の知識(2022年3月版)を2022年3月11日に公開しました。

ここには、COVID-19の感染者数・病原性・感染性・検査・治療・変異株について、現在の状況とこれまでに得られた科学的知見を11の知識として見やすくまとめられています。


今一度確認されることをおすすめします。


内容は以下から確認してください。


https://corona.go.jp/proposal/pdf/chishiki_20220311.pdf


2022年4月10日日曜日

新型コロナウイルス-64.オミクロンXE-

 2022年1月19日イギリスでは「オミクロンXE」と呼ばれる、新たな変異株が出現しています。


イギリスの健康安全保障局によると、オミクロンXEは1月中旬にイギリスで初めて検出され、その後600件以上の症例が確認されています。


オミクロンXEと呼ばれるウイルスは、オミクロン株のうち「第6波」で広がった「BA.1」というタイプと、より感染力が高いとされるBA.2が組み合わさったタイプです。


ウイルスの表面にあり、人の細胞に感染する際の足がかりとなるスパイクたんぱく質を含むほとんどの部分がBA.2、ほかの部分がBA.1となっています。


オミクロンXEは、従来のオミクロン株BA.1より感染力が強いステルスオミクロン株BA.2の要素を含む混合株とされています。


オミクロンXEは感染力が強いBA.2を約10%上回る可能性があると指摘されています。


WHOはオミクロンXEを感染力や感染した際の重症度、ワクチンの効果などに対する影響の度合いがはっきり分からないとコメントしています。


感染の広がりやすさなどは、現時点でははっきり分かっておらず、専門家は注目して監視する必要があるとしています。

【2022年4月12日追加】

2022年4月9日時点では、日本国内ではオミクロンXEは確認されていませんでしたが、2022年4月11日、2022年3月36日に米国から到着した30代女性の空港検疫で、オミクロンXEが検出されたと厚生労働省が発表した。

日本で確認されたのは今回が初めてで日本国内での感染拡大は現時点で確認されていないと付け加えています


専門家は現時点ではBA.2の流行が主流になってきていますが、オミクロンXEであっても基本的な日常の感染対策は変わらないし、3回目のワクチン接種を引き続き進めてほしいという方針も変わらないとコメントしています。


2022年4月3日日曜日

新型コロナウイルス-63.新型コロナウイルスはエアロゾル感染する-

 国立感染症研究所は、新型コロナウイルスはエアロゾル感染しないとの立場を取ってきました。


国立感染症研究所は2022年1月13日に公表したオミクロン株についての報告書で、「現段階でエアロゾル感染を疑う事例の頻度の明らかな増加は確認されず、従来通り感染経路は主に飛沫感染と接触感染と考えられた」と発表して、世界保健機関や米疾病対策センターなどと異なる説明をしていました。


要するに国立感染症研究所の考え方としては、エアロゾル感染はしなく飛沫感染と接触感染しかしないという立場でした。


しかし世界保健機関(WHO)や米疾病対策センター(CDC)などは2021年春、主な感染経路としてエアロゾル感染と飛沫感染を挙げ、接触感染は起きにくいとする報告書を発表していました。


そのことから日本国内の専門家からは、「世界の知見とは異なる」と説明を求めて公開質問状を出していました。


国立感染症研究所は2022年3月28日に公表した文書で、主な感染経路として、○エアロゾル感染○飛沫感染○接触感染の三つの感染経路があるとの見解を新たに示しました、


このことは感染者が呼吸をすると粒子が放出され、大きな声を出したり、歌ったりすると、放出される粒子の量が増える感染リスクが高くなる。


感染者との距離が近い(約1~2m以内)ほど感染する可能性が高く、距離が遠い(約1~2m以上)ほど感染する可能性は低くなると説明しています。


※気体中に浮遊する微小な液体または固体の粒子と周囲の気体の混合体をエアロゾル(aerosol)と言います※


※新型コロナウイルスを含んだ空気中に漂う微粒子をエアロゾルといいます※


【参考資料】

https://www.niid.go.jp/niid/ja/2019-ncov/2484-idsc/11053-covid19-78.html


新型コロナウイルスはエアロゾル感染するということは、取りも直さず新型コロナウイルスを含むエアロゾルで空間が汚染されているから換気が必要ということになります。


2022年3月27日日曜日

新型コロナウイルス-62.田辺製薬開発の新型コロナワクチン世界保健機関不承認-

 田辺三菱製薬株式会社と関連子会社メディカゴ社が開発した植物由来のウイルス様粒子ワクチンコビフェンが、2022年2月24日カナダにおいて新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防ワクチンとして承認されました。


このワクチンはデルタ株、ガンマ株に対する有効性はそれぞれ75.3%、88.6%で、このワクチン投与に関連する重篤な副反応は見られていません。


日本においても、第1/2相臨床試験を2021年10月から実施中であり、カナダ申請に用いたデータに日本の臨床試験結果を加えて、2022年度第2四半期の承認申請をめざしています。


このワクチンの承認を世界保健機関に申請したところ、タバコ会社が関与してるとして不承認としました。


世界保健機関の言い分は、『世界保健機関はタバコと兵器産業への関与には厳しい方針をとっている』とのことです。


このワクチンに米国のタバコ大手のフィリップモリスが出資しているのが問題だそうです。


※田辺三菱製薬株式会社のカナダ子会社のメディカゴ社は、田辺三菱が78.68%、タバコ大手のフィリップモリスが21.32%出資※


ワクチンのデータを検討せずに『世界保健機関はタバコと兵器産業への関与には厳しい方針をとっている』だけで不承認とするのは納得がいかないです。


兎に角今の世界保健機関は、本当に信頼できない国連の機関となってきています。


田辺三菱製薬株式会社と関連子会社メディカゴ社は、世界保健機関を相手にせずに日本や欧米で頑張って承認をとって欲しいものです。


2022年3月20日日曜日

新型コロナウイルス-61.デルタクロン株-

 デルタクロン株とは、デルタ株とオミクロン株の両方の特徴を併せ持つ新たなウイルスと言われています。


デルタ株の特徴は重症化リスクが高く、オミクロン株は感染力の強さの両者の特性を持つウイルスとされています。


2022年1月に地中海に浮かぶ島国のキプロス大学で発見されています。


一部の専門家はデルタミクロン株は、研究室で技術的ミスによりデルタ株とオミクロン株が誤って混ざりあったと考えられていますが、発見したキプロスの研究者は技術的ミスを否定しています。


反面一部の研究者はデルタクロン株のような変異ウイルスが出ても不思議はないとしています。


しかし、2022年3月15日南米ブラジルのケイロガ保健相は、新型コロナウイルスのデルタ株とオミクロン株の両方の特徴を併せ持つとされる「デルタクロン株」の感染を、ブラジル国内で2例確認したと発表し、世界保健機関(WHO)や海外の報道によると、デルタクロンはこれまでにフランス、デンマーク、オランダ、米国などで確認されています。


現時点ではデルタクロン株の感染力の強さなどは不明で、これまでに確認された国でのデルタクロン株の急速な拡大は確認されていません。


これからデルタクロン株について詳細が明らかにされていきますので、逐次紹介させていただきます。

2022年3月13日日曜日

新型コロナウイルス-60.オミクロン株BA2は人の免疫から逃れる特性を持っている-

 オミクロン株BA2は2021年12月に見つかって以来、オミクロン株BA1から置き換わりが急速に進んでいます。


BA.1に比べBA.2は感染リスクが有意に高く、免疫を逃避する性質も備えていることを、査読前論文公開サイトmedRxiv(2022年1月30日オンライン版)に発表されています。



この論文から「BA.2による感染リスクはBA.1に比べて高く、BA.2がSARS-CoV-2ワクチンの予防効果をさらに低下させる免疫逃避の性質を備えていることが読み取れます。

ワクチン接種完了者とブースター接種者では伝播リスクが低く、ブレークスルー感染したワクチン接種者からの伝播リスクは上昇しないと考えられています。

そのことからして新型コロナウイルスの感染予防にはワクチン接種が依然として重要であることが読み取れます。

2022年3月6日日曜日

新型コロナウイルス-59.なぜこんなに新型コロナウイルスの変異株が増加するのか??-

ウイルスは生き残り子孫を増やすために変異するのが基本なんです!!


要するにすべての生物は、子孫を残すために変異していき、生き残れるものだけが生き残っていくのです。


このことは、進化生物学的に考えると、ウイルスに変異体が現れるのは至極当たり前なのです。


ウイルスは常に変異し続けて、半日から1日で世代交代をし続けます。


要するに変異株が出現するスピードは極めて早いわけです。


当然新型コロナウイルスは変異することにより、人の免疫カから逃れたり、ワクチンから逃れるわけです。


変異の過程で免疫力から逃れる、あるいはワクチンから逃れる仕組みを見に付けたウイルスは、その変異株が大勢を占めて流行してきます。


ワクチンの防御システムを破る変異株が出てくれば、感染源のある地域では、その変異株が一気に蔓延する可能性があります。


ワクチンは、その地域にある感染源に一気にできる限り多くの人に接種して、変異株が出現する前に感染源をなくすことが、進化生物学的に考えると大切なのです。


感染力のより強い変異株は、より生き残りに長けていたので、あっと言う間に従来のものと置き換わってしまうわけです。


無数の変異のなかに1個でも免疫をかいくぐる仕組みを持った変異株は、ワクチンの抵抗性を獲得したウイルスとして、あっと言う間に地域にそして全国に拡散してしまいます。


最も大事なことは、ウイルスにそのような変異を起こす時間的なゆとりを与え無いことなんです。


変異してて流行をの時間を与えることは限りなく危険な行為だということになります。


進化はその突然変異を決して見逃しません!!、


そして瞬またたく間に抵抗性を持った変異株が蔓延してしまいます。


ウイルスは絶えず変異していて進化生物学的に考えると、ワクチン抵抗性を持ったウイルスはいつ出現しても不思議ではありません。


いったん変異株が現れると、ワクチン接種というウイルスに対しての選択圧から逃れたその変異株は、一気に蔓延してしまいます。


それはワクチンの開発そのワクチンに対する抵抗性ウイルスとの「鼬ごっこ」を繰り返し続けなくてはならなくなってしまいます。