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2018年2月20日火曜日

人獣共通感染症-7.細菌性人獣共通感染症としてのエルシニア・エンテロコリチカー

エルシニア・エンテロコリチカ(Yersinia enterocolitica)は、豚、犬、猫などの腸管や自然環境中にいる細菌です。

シカ、イノシシ、ネズミなどの野生動物、犬や猫などのペットの糞便、河川水などから見つかっています。

エルシニア・エンテロコリチカは、1939年に胃腸炎の原因菌として発見され、その後発生頻度が低いことから忘れられていましたが、1970 年代になって豚肉の汚染と関連して注目を浴び、米国では年間 3000~20000人の患者発生があると推定されています。

ヒトに対して病原性を示す血清型の分布調査で、健康なブタ、イヌ、ネコ、 ネズミなどが保菌しており、これから飲食物への汚染が感染経路と考えられています。

食中毒の起炎菌として有名ですが、ペットや動物からも感染する人獣感染症としても注目されています。

【菌の性状】

0~4度の冷蔵庫内の温度でも増殖可能です。

このように寒冷に強いため、エルシニアは"好冷菌"と呼ばれることもあります。

【症状】

臨床症状は腹痛や下痢などの胃腸炎症状が主なもので、発熱、頭痛など、風邪のような症状を伴うこともあります。

右下腹部痛(特徴的)・吐き気・嘔吐などの症状から虫垂炎と診断されてしまう場合もあります。

【検査】

エルシニア感染症の確定診断には、糞便からエルシニア菌の検出が必要となります。

下痢便には多くのエルシニア菌が存在するので、選択培地で直接分離することが可能で、分離培地にはSS寒天、マッコンキー寒天、CIN 寒天などを用います。

患者の初期血清と回復期血清でエルシニア菌に対する血液中の抗体価を測定します。

エルシニア菌の分離ができず、抗体価の上昇が認められた場合でも、本感染症が強く疑われます。

【治療】

自然治癒傾向が高いので、食事制限をし、水分を多めに取る以外は特別な治療は必要ありません。

たまに重症化する事がありますが、この場合は抗菌剤を使用します。

トリメトプリンサルファメトキサゾール(ST合剤)、セフォタキシム、フルオトキノロンなどが効果があるとされています。

【予防】

1.この菌は低温でも増殖しますから、冷蔵庫を過信しない。

冷凍された食品中でも、長期にわたって生存可能ですので注意が必要です。

2.生の肉や、加熱不十分な肉は、食べない。

3.生水を飲まない。

4.料理前、食事前は、手をよく洗う

5.ペットや動物と接触した後、生の肉を扱った後、トイレの後は良く手を洗う。

6.肉用のまな板と他の食材用のまな板とは区別する。

7.ペットの糞は衛生的に処理する。

【献血とエルシニア】

エルシニアに感染した場合血液中にエルシニアが入り込んでいますから献血はできません。
エルシニアの含まれた血液は4~6度で保存しても菌は死ぬことはなく増殖しています。

その為1ケ月以内に発熱を伴う食中毒と見られる激しい下痢をした人は献血はできません。

輸血を介したエルシニア・エンテロコリティカの感染についてわが国では報告例がありませんが、米国では死亡の危険率は輸血1単位当たりおよそ900万の1と推定されています。
米国においては1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告があり、1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があります。

6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下をきたし,内1名は10分以内に激烈な下痢をおこし、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。

現在、スクリーニングに適した信頼性のある検査法は存在していません。

米国において1987~1988年に4例の輸血に関連したエルシニア・エンテロコリチカ菌血症の報告されていますが,1989年1月~1991年2月にさらに6例の報告があり6名の患者はいずれも輸血開始後50分以内に発熱,血圧低下を起こし,内1名は10分以内に激烈な下痢が起こり、6名中4名は12時間~37日の間に死亡しています。

2018年2月12日月曜日

人獣共通感染症-6.細菌性人獣共通感染症としてのサルモネラ症

サルモネラ感染症の原因菌はサルモネラ(サルモネラ・エンテリティディスなど)によって引き起こされます。

サルモネラはおよそ2,000種類以上の血清型に細分されており、チフス性疾患をおこすチフス菌およびパラチフス菌も含まれるが、ここではヒトに胃腸炎、つまり食中毒の原因となるサルモネラについて解説いたします。

サルモネラ菌は自然界のあらゆるところに生息し、家畜、ペット、鳥類、爬虫類、両生類が保菌し食中毒ならびに人畜共通感染症の重要な原因細菌のひとつです。

国内では、ミドリガメ(ミシシッピアカミミガメ)での感染報告が多く、国内で飼育されているカメ類のサルモネラ保菌率は18%、その他トカゲ類で75%、ヘビ類で90%であるとの報告があります

サルモネラ感染症は、近年ではペットの犬や猫をはじめ爬虫類や両生類から人へ感染した事例が多数報告されています。


【症状】

潜伏期間は、5~72時間(平均12時間)です。

小児から高齢者まで幅広い年齢層で発症しますが、小児や高齢者はわずかな菌量でも感染してしまいます。

人への感染は、主として成人では急性胃腸炎を引き起こします。

小児や高齢者が感染した場合には、症状がより重篤化し、菌血症を併発しやすくなります。

サルモネラ菌に感染した犬・猫をはじめ小動物では、一般的に急性胃腸炎として嘔吐、下痢、食欲不振、元気消失が認められ、特徴的な所見はほとんどないので見過ごされることが多いので注意が必要です。


【検査】

新鮮な糞便を分離・同定、抗生物質の感受性試験などを実施します。

サルモネラの特異的な迅速診断法は2018年現在存在しません。

【治療】

アンピシリン(ABPC )、ホスホマイシン(FOM )、およびニューキノロン薬に限られます。

【予防】

サルモネラの予防は原因食品、特に食肉および鶏卵の低温保存管理、またそれらの調理時および調理後の汚染防止が基本となりますが、ペット等からの感染も無視できません。

サルモネラ菌は、動物の消化管に保菌されており糞便から人の口に入り感染する場合も多いので、動物に触れた後は必ず早めに手をよく洗う必要があります。

ペットとの不用かつ安易な濃厚な接触(餌の口移しなど)をしない。

サルモネラ菌は、色々な消毒剤が有効です。

消毒用エタノール、次亜塩素酸ナトリウム、ポビドンヨード、逆性石けん液(ベンザルコニウム塩化物液)など、市販されているほとんどの消毒剤が有効です。

2018年2月4日日曜日

人獣共通感染症-5.細菌性人獣共通感染症としてのコリネバクテリウム・ウルセランス感染症

犬や猫などから人間にうつるとされる人獣共通感染症「コリネバクテリウム・ウルセランス感染症」による死者が2018年1月14日国内で初めて確認されました。

国立感染症研究所調べによりますと、国内では2001年から2017年11月末までに25例の発生が確認されています。

【感染経路】

コリネバクテリウム・ウルセランス感染症は、家畜やペットの動物が持つ「コリネバクテリウム・ウルセランス菌」に感染することで起きる人獣共通感染症です。

コリネバクテリウム・ウルセランスはジフテリア菌に類縁なグラム陽性の短桿菌で、おもに家畜などの動物に常在しており、ウシの乳房炎の原因となることがあります。

人から人に感染することはほとんどありません。

【症状】

症状としては、基本的にジフテリアと類似した臨床症状を示します。

喉の痛みや咳など風邪の症状が出て、重症化すると呼吸困難などで死亡することもあります。

【検査】

患者の体液を培養し、病原菌を単離、同定するか、PCRを用いて検査する。

【治療法】

マクロライド系抗菌薬が有効とされています。

【予防法】

人での国内感染事例の多くは犬や猫からの感染であることが確認されていることから、この菌に感染した動物と接する場合には注意が必要となります。

感染した動物は、くしゃみや鼻汁などの風邪に似た症状や皮膚病を示すことがあり、動物間で感染が拡大することも報告されていますので注意が必要となります。

無症状の保菌動物の存在も報告されています。

日常生活において過度に神経質になるのではなく、一般的な衛生管理として動物と触れあった後は手洗いを確実に行うことなどにより、感染のリスクを低減することが可能となります。

【感染対策】

国内では、人に対する定期の予防接種の対象である3種混合(最近では4種混合)ワクチンにジフテリアトキソイド(ワクチン)が含まれていますので、このワクチンはコリネバクテリウム・ウルセランス感染症に対しても有効であると考えられています。

2018年1月26日金曜日

人獣共通感染症-4.細菌性人獣共通感染症としてのカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症-

舌を噛みそうな人獣共通感染症ですが、ご一読下さい。

カプノサイトファーガ・カニモルサス(Capnocytophaga canimorsus)は通性嫌気性グラム陰性の桿菌で、人獣共通感染症の病原体で、イヌやネコ口腔内に常在しています。

【感染経路】

イヌやネコに咬まれたり、ひっ掻かれたりすることで感染・発症します。

免疫機能の低下した方において重症化する傾向があります。

動物による咬傷事故等の発生数に対し、実際報告されている患者数は非常に少ないことから、本病は極めて稀にしか発症しないと考えられています。

※犬の咬傷事故については、保健所に報告されたものだけでも年間6000件以上もあり、報告に至らないものを含めるとさらに多く発生していると考えられます※

菌の感染力は弱く、今のところ人から人への感染の報告もないようです。

【症状】

発熱、倦怠感、腹痛、吐き気、頭痛などです。

重症化すると、敗血症や髄膜炎を起こし、播種性血管内凝固症候群(DIC)や敗血性ショック、多臓器不全に進行して死に至ることがあります。

重症化した場合、敗血症になった患者の約30%が、髄膜炎になった患者の約5%するとの医学統計があります。

【検査】

患者の体液を培養し、病原菌を単離、同定するか、PCRを用いて検査する。
 
【国内での患者の発生状況】

日本においては、これまで重症化した患者の文献報告例が14例あります。

患者の年齢は、40歳代~90歳代と中高年齢が多く、糖尿病、肝硬変、全身性自己免疫疾患、悪性腫瘍などの基礎疾患が見られます。

感染原因は、イヌの咬傷6例、ネコの咬傷・掻傷6例、不明2例となっています。

その内6人(内訳は50代1人、60代3人、70代1人、90代1人)が死亡しています。

なお、近年この感染症報告が多いのは、臨床現場で本病が認知されてきたためと言われています。

【海外での患者の発生状況】

1976年に最初に報告されています。

その後、現在までに世界中で約250人の患者が報告されています。

【治療法】

早期に抗菌薬等による治療を開始することが重要で、ペニシリン系、テトラサイクリン系抗菌薬が一般的に推奨されています。

カプノサイトファーガ-カニモルサスにはβラクタマーゼを産生する菌株もあるので、ペニシリン系の抗菌剤を用いる際にはβラクタマーゼ阻害剤との合剤などその影響を受けにくい抗菌剤を選択する必要があります。

【予防法】

イヌやネコに触れたり、その排泄物を処理した後は、手洗いやうがいを確実にする。

イヌやネコへ口移しで餌を与えない、キッスなど濃厚な接触をしない。

咬まれたり、引っ掻かれるなどして、発熱や頭痛など体調の悪化が認められた時は、早く医師による診断と治療を受ける。

【注意】

脾臓摘出者、アルコール中毒、糖尿病などの慢性疾患、免疫異常疾患、悪性腫瘍にかかっている人や、高齢者など、免疫機能が低下している方は、重症化しやすいので注意が必要です。

2018年1月15日月曜日

人獣共通感染症-3.細菌性人獣共通感染症としてのパスツレラ症-

パスツレラ症は、パスツレラ属(Pasteurella)菌を原因菌とする日和見感染症です。

パスツレラは、フランスの化学者・細菌学者のルイ-パスツール(1822~1895年)に因んでの命名されています。

日本国内では、2002年にネコから感染した95歳の女性が死亡した症例が文献的に報告された国内初の症例で、私の知る限りでは以後これまでに5例の死亡例を含む14例が報告されています。

この14例の内訳は、イヌからの感染が7例、ネコからの感染が6例、不明1例となっています。

近年、日本ではパスツレラ症の患者発生が増えていますが、この要因としてはイヌやネコに咬まれて感染する感染症として患者数が多いことと考えられています。

【症状】

パスツレラ菌の感染後、30分~2日で皮膚症状、呼吸器症状が現れます。

イヌやネコ咬まれたり、引っ掻かれたりしたあと、傷ができたところが腫れ、化膿する症状が主で呼吸器系の疾患、骨髄炎、外耳炎等の局所感染、敗血症、髄膜炎等の全身重症感染症を引き起こし最悪死亡することもあります。

傷口から精液様の臭いのする浸出液が排液されるのが特徴です。

高齢者、糖尿病患者、免疫不全患者等の基礎疾患を持つ人が特に感染しやすく、重症化の例も多く視られます。

【パスツレラ菌の保菌動物】

イヌの約75%、ネコのほぼ100%(爪70%)がパスツレラ菌を口腔内常在菌として保有しています。

【動物の症状】

イヌやネコでは一般に無症状です。
    
【検査と診断】

パスツレラ症では特徴的な症状が無いため、受診時の注意点としてどの診療科を受診してもイヌやネコとの接触があることを申告する必要があります。

細菌鑑別培地にマッコンキ-寒天培地を第一選択肢とすべきですべきで、BTB寒天培地にはパスツレラ菌以外の細菌が発育することからしてBTB寒天培地は使用すべきではありません。

PCR法を用いた培養サンプルからの直接的なパスツレラ菌遺伝子の検出も可能です。

【治療法】

高齢者、基礎疾患のある患者、咬・掻傷等では抗生物質の早期投与が重要となります。

早期に適切な薬剤を選別し、初期治療を十分に行う必要があります。

多くの抗生剤が有効であり、ペニシリン系、テトラサイクリン系、クロラムフェニコール、セファロスポリン系に高い感受性を示し有効です。

グリコペプチド系のバンコマイシン、リンコマイシン系のクリンダマイシンには高い耐性が認められるため使用は適切ではありません。

【感染予防対策】

ペットとしてのイヌやネコとの濃密な接触が増える昨今、パスツレラ菌の感染も増加することが心配されていますが、この病気は口移し等の過剰な接触を行わないこと、動物からの受傷に気をつけることにより防止できます。

2018年1月8日月曜日

人獣共通感染症-2.細菌性人獣共通感染症としてのネコひっかき病-

細菌性人獣共通感染症としては、炭疽、ペスト、結核 、パスツレラ症、サルモネラ症、リステリア症、カンピロバクタ症 レプトスピラ病、ライム病、細菌性赤痢、エルシニア・エンテロコリティカ感染症、野兎病、鼠咬症、ブルセラ症などがあります。

今回はネコひっかき病について紹介します

グラム陰性菌のバルトネラ・ヘンセラ菌(Bartonella henselae)によって引き起こされる人獣共通感染症のひとつです。

バルトネラ・ヘンセラ菌は猫に対しては全く病原性はなく、長い間、この菌を保有するネコは保菌状態になっており、18ヶ月以上も感染が続くこともあります。

ネコからルコへの菌の伝播にはネコノミが関与しており、ネコの血を吸って感染したネコノミは、体内で菌を増殖させ糞便として排泄されそれがネコの歯あるいは爪に付着します。

そのネコに咬まれたり引っかかれたりすることによって人間の傷に感染します。

日本ではネコの9~15%が菌を保有しているとの報告があります。

犬からも抗体が検出され、犬やサルからの感染報告もあります。

感染したネコの血液を吸ったネコノミが人間を刺す事による感染例も報告されています。

人の猫ひっかき病は日本では全国調査がされていないために患者数は不明ですが、おそらく全国で年間2万人程度であろうと言われています。

【症状】

菌の侵入した箇所が数日から4週間程の度潜伏期間後に虫刺されの様に赤く腫れます。

痛みのあるリンパ節腫脹、37℃程度の発熱、倦怠感、関節痛などが代表的な症状で、まれに重症化する事があります。

肝膿瘍を合併することがあり、免疫不全の人や、免疫能力の落ちた高齢者では重症化して麻痺や脊髄障害を引き起こすこともあります。

【治療法】

特に治療を行わなくても、自然に治癒することも多ですが、治癒するまでに数週間から数ヶ月もかかることもあります。

エリスロマイシン、ドキシサイクリン、シプロフロキサシン等が有効とされていますが、多くの症例でその効果は認められていません。

予防ワクチンはありません。

【検査】

1.関節蛍光抗体法(Indirect Fluorescence Assay:IFA)

血清診断としては,バルトネラ・ヘンセラ菌体を抗原とする間接蛍光抗体法が用いられる。

陽性・・・IgM抗体が1:16希釈以上,IgG抗体が1:128希釈以上で特異的な蛍光が見られる

2.抗体検査

単一血清でIgG抗体価が1:256以上、ペア血清で4倍以上のIgG抗体価の上昇、IgM抗体が陽性、のいずれかを認めれば陽性診断とする。

3.PCR法検査

臨床材料中のバルトネラ・ヘンセラ菌の遺伝子を検出する方法が迅速診断上有用な検査法です。

【注意】

最近のペットブームによりイヌやネコがペットが家族の一員として、ヒトがペットと濃密な接触をするが多くなっています。

動物を飼う場合には猫ひっかき病等の動物とヒトの間で起こる人獣共通感染症に対する知識を持つことは家族の健康とペットの健康を守る上で大切なことです。

2018年1月2日火曜日

人獣共通感染症-1.分類-

人獣共通感染症(ズーノーシス:zoonosis)とは、ヒトとそれ以外の脊椎動物の両方に感染または寄生する病原体により生じる感染症のことを言います。

人獣共通感染症は、以下のように分類されます。

1.単純型(ダイレクトズーノーシス:Direct zoonosis)

同種の脊椎動物間で感染し、感染動物から直接あるいは媒介動物を介して機械的に感染するタイプです。

1)動物からヒトへと伝播する(Zooanthroponoses)

2)ヒトから動物へと伝播する(Anthropozoonoses)

3)ヒトと動物の双方に伝播する(Amphixenoses)

などに細分されます。

具体例としては狂犬病、結核、ブルセラ症 、サルモネラ菌、炭疽、オウム病、腎症候性出血熱、細菌性赤痢、アメーバ赤痢、旋毛虫症、カンジダ症、ブドウ球菌症などが知られています。

2.循環型(サイクロズーノーシス:Cyclo-zoonosis)

病原体が感染するためには、複数の脊椎動物を必要とするタイプでこの型には寄生虫が多く含まれます。

実例をあげますと、アニサキス症、エキノコックス症、有鉤条虫症、無鉤条虫症などが知られています。

3.異型型(メタズーノーシス:Meta-zoonosis)

脊椎動物と無脊椎動物の間で感染が成立するタイプです。

実例をあげますと、アルボウイルス感染症、発疹熱、日本住血吸虫症、肝吸虫症、リーシュマニア症などが知られています。

4.腐生型(サプロズーノーシス:Sapro-zoonosis)

病原体が発育・増殖する場として、有機物・植物・土壌などの動物以外の環境を必要とするタイプです。

実例をあげますと、クリプトコッカス症、トキソカラ症、アスペルギルス症、ボツリヌス症、ウェルシュ菌食中毒などが知られています。

5.混合型

上記4型が組み合わされたタイプです。

実例をあげますと肝蛭症、ダニ麻痺症などが知られています。